NumPy C-API: NPY_ITER_MULTI_INDEXを使ってC言語で効率的な多重ループ処理を行う方法

2024-04-02

NumPy C-APIにおけるNPY_ITER_MULTI_INDEX解説

NPY_ITER_MULTI_INDEXは、配列の各要素を反復処理する際に、以下の情報を提供します。

  • 現在のイテレーションにおける各軸のインデックス
  • 各軸のループカウンタ
  • 現在の要素へのポインタ

これらの情報を利用することで、複雑な多重ループを記述することなく、配列の各要素にアクセスすることができます。

NPY_ITER_MULTI_INDEXを使用するには、以下の手順が必要です。

  1. イテレータオブジェクトを作成する
  2. ループ内でイテレータオブジェクトを使用する

1 イテレータオブジェクトの作成

NPY_ITER_MULTI_INDEXマクロを使用して、イテレータオブジェクトを作成します。このマクロには、以下の引数が必要です。

  • np_array: イテレーション対象となるNumPy配列
  • niters: ループの回数
  • dtypes: 各軸のデータ型
  • strides: 各軸のメモリ上のストライド
  • data: 現在の要素へのポインタ

2 イテレータオブジェクトの初期化

npy_iter_multi_index_init関数を使用して、イテレータオブジェクトを初期化します。この関数には、作成したイテレータオブジェクトと、オプションで以下の引数を渡すことができます。

  • flags: イテレーションの順序や挙動を制御するフラグ
  • op: 各要素に適用する関数

3 ループ内でイテレータオブジェクトを使用する

NPY_ITER_MULTI_INDEX_LOOPマクロを使用して、ループ内でイテレータオブジェクトを使用します。このマクロは、以下の処理を行います。

  • 各軸のインデックスを更新する
  • 現在の要素へのポインタを更新する
  • ループカウンタを更新する

4 イテレータオブジェクトの破棄

npy_iter_multi_index_finish関数を使用して、イテレータオブジェクトを破棄します。

NPY_ITER_MULTI_INDEXを使用する利点は、以下のとおりです。

  • コード量の削減: 従来のC言語スタイルのループよりもコード量を減らすことができます。
  • 処理速度の向上: ループの最適化により、処理速度を向上させることができます。
  • メモリ使用量の削減: 効率的なメモリ管理により、メモリ使用量を削減することができます。

NPY_ITER_MULTI_INDEXの使用例

以下は、NPY_ITER_MULTI_INDEXを使用して2次元配列の各要素にアクセスする例です。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 2次元配列を作成
  int a[2][3] = {{1, 2, 3}, {4, 5, 6}};
  npy_intp n = 2, m = 3;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(2, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m);

  // イテレータオブジェクトを作成
  npy_iter_multi_index *iter = npy_iter_multi_index_new(arr, 2);

  // ループで各要素にアクセス
  while (npy_iter_multi_index_next(iter)) {
    int i = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 0);
    int j = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 1);
    int *value = (int *)npy_iter_multi_index_data(iter);

    // 各要素に処理を行う
    printf("(%d, %d): %d\n", i, j, *value);
  }

  


NumPy C-APIにおけるNPY_ITER_MULTI_INDEXを使ったサンプルコード

2次元配列の各要素にアクセス

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 2次元配列を作成
  int a[2][3] = {{1, 2, 3}, {4, 5, 6}};
  npy_intp n = 2, m = 3;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(2, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m);

  // イテレータオブジェクトを作成
  npy_iter_multi_index *iter = npy_iter_multi_index_new(arr, 2);

  // ループで各要素にアクセス
  while (npy_iter_multi_index_next(iter)) {
    int i = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 0);
    int j = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 1);
    int *value = (int *)npy_iter_multi_index_data(iter);

    // 各要素に処理を行う
    printf("(%d, %d): %d\n", i, j, *value);
  }

  // イテレータオブジェクトを破棄
  npy_iter_multi_index_finish(iter);

  return 0;
}

3次元配列の各要素にアクセス

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 3次元配列を作成
  int a[2][3][4] = {{{1, 2, 3, 4}, {5, 6, 7, 8}, {9, 10, 11, 12}},
                    {{13, 14, 15, 16}, {17, 18, 19, 20}, {21, 22, 23, 24}}};
  npy_intp n = 2, m = 3, o = 4;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(3, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m * o);

  // イテレータオブジェクトを作成
  npy_iter_multi_index *iter = npy_iter_multi_index_new(arr, 3);

  // ループで各要素にアクセス
  while (npy_iter_multi_index_next(iter)) {
    int i = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 0);
    int j = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 1);
    int k = npy_iter_multi_index_get_int(iter, 2);
    int *value = (int *)npy_iter_multi_index_data(iter);

    // 各要素に処理を行う
    printf("(%d, %d, %d): %d\n", i, j, k, *value);
  }

  // イテレータオブジェクトを破棄
  npy_iter_multi_index_finish(iter);

  return 0;
}

配列の各要素に1を加算

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 2次元配列を作成
  int a[2][3] = {{1, 2, 3}, {4, 5, 6}};
  npy_intp n = 2, m = 3;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(2, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m);

  // イテレータオブジェクトを作成
  npy_iter_multi_index *iter = npy_iter_multi_index_new(arr, 2);

  // ループで各要素に1を加算
  while (npy_iter_multi_index_next(iter)) {
    int *value = (int *)npy_iter_multi_index_


NumPy C-APIにおけるNPY_ITER_MULTI_INDEX以外の多重ループ処理方法

従来のC言語スタイルのループ

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 2次元配列を作成
  int a[2][3] = {{1, 2, 3}, {4, 5, 6}};
  npy_intp n = 2, m = 3;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(2, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m);

  // 従来のC言語スタイルのループで各要素にアクセス
  for (int i = 0; i < n; i++) {
    for (int j = 0; j < m; j++) {
      int *value = (int *)PyArray_GETPTR2(arr, i, j);

      // 各要素に処理を行う
      printf("(%d, %d): %d\n", i, j, *value);
    }
  }

  return 0;
}

この方法は、最もシンプルで分かりやすい方法ですが、コード量が冗長になりやすく、処理速度も遅くなる可能性があります。

PyArray_IterNew関数を使う

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // 2次元配列を作成
  int a[2][3] = {{1, 2, 3}, {4, 5, 6}};
  npy_intp n = 2, m = 3;
  PyArrayObject *arr = (PyArrayObject *)PyArray_SimpleNew(2, &n, NPY_INT32);
  memcpy(PyArray_DATA(arr), a, sizeof(int) * n * m);

  // PyArray_IterNew関数を使ってイテレータを作成
  PyArrayIterObject *iter = (PyArrayIterObject *)PyArray_IterNew(arr);

  // ループで各要素にアクセス
  while (PyArray_Iter_Next(iter)) {
    int *value = (int *)PyArray_ITER_DATA(iter);

    // 各要素に処理を行う
    printf("(%d, %d): %d\n", PyArray_ITER_GET_NDIM(iter), PyArray_ITER_GET_DIM(iter, 0), *value);
  }

  // イテレータを破棄
  PyArray_Iter_Dealloc(iter);

  return 0;
}

この方法は、NPY_ITER_MULTI_INDEXよりも汎用性の高い方法ですが、コード量は少し増えます。

NumPy C-APIの他の機能を使う

NumPy C-APIには、NPY_ITER_MULTI_INDEXPyArray_IterNew関数以外にも、多重ループ処理に役立つ機能がいくつかあります。

  • NPY_BROADCAST
  • NPY_ITER_GOTO
  • NPY_ITER_CHECK_INDEX

これらの機能を使いこなすことで、より効率的で複雑な多重ループ処理を行うことができます。




NumPy の empty() とは?

上記コードでは、3行2列の空の配列 array が作成されます。array の内容は初期化されていないため、ランダムな値が表示されます。numpy. empty() には、以下のオプション引数が用意されています。dtype: 配列のデータ型を指定します。デフォルトは float64 です。



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