NumPy Random Samplingにおけるrandom.lognormal()解説
NumPyのRandom Samplingにおけるrandom.lognormal()解説
NumPyのrandom.lognormal()
は、対数正規分布に従う乱数を生成する関数です。対数正規分布とは、変数の対数が正規分布に従う確率分布です。言い換えると、データの対数を正規分布に当てはめると、そのデータは対数正規分布に従うということになります。
使い方
random.lognormal()
は以下の引数を受け取ります。
mean
(float): 対数平均sigma
(float): 対数標準偏差size
(int or tuple): 生成する乱数の形状
例:
import numpy as np
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布から10個の乱数を生成
random_numbers = np.random.lognormal(0, 1, 10)
# 結果を出力
print(random_numbers)
出力例
[ 1.23456789 0.87654321 2.34567890 1.00000000 0.76543210
1.23456789 0.87654321 2.34567890 1.00000000 0.76543210]
対数正規分布の性質
- データが右 skewed な場合によく用いられる
- 平均と標準偏差だけでなく、形状もパラメータとして指定できる
- 金融データや生物学データなど、様々な分野で利用されている
補足
-
random.lognormal()
は、np.random.lognormal()
と同じ
関連関数
random.rand()
:0から1までの乱数を生成random.randn()
:平均0、標準偏差1の正規分布に従う乱数を生成random.normal()
:指定された平均と標準偏差を持つ正規分布に従う乱数を生成
NumPy random.lognormal サンプルコード
import numpy as np
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布から10個の乱数を生成
random_numbers = np.random.lognormal(0, 1, 10)
# 結果を出力
print(random_numbers)
形状を指定して乱数を生成
# (3, 5)の形状を持つ、平均0、標準偏差1の対数正規分布から乱数を生成
random_numbers = np.random.lognormal(0, 1, (3, 5))
# 結果を出力
print(random_numbers)
対数正規分布の確率密度関数を表示
import matplotlib.pyplot as plt
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布の確率密度関数
x = np.linspace(0.1, 10, 100)
y = np.random.lognormal(0, 1, x.shape)
# グラフを表示
plt.plot(x, y)
plt.show()
対数正規分布に従うデータの生成
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布に従うデータ100個を生成
data = np.random.lognormal(0, 1, 100)
# データの統計量を出力
print("平均:", np.mean(data))
print("標準偏差:", np.std(data))
print("最小値:", np.min(data))
print("最大値:", np.max(data))
対数正規分布のQQプロット
import scipy.stats as stats
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布に従うデータ100個を生成
data = np.random.lognormal(0, 1, 100)
# QQプロットを表示
stats.probplot(data, dist="lognorm", plot=plt)
plt.show()
対数正規分布に従う乱数を生成する他の方法
Box-Muller変換は、正規分布に従う乱数から対数正規分布に従う乱数を生成する方法です。
def box_muller(mean, sigma, size):
# 正規分布に従う乱数を生成
z1 = np.random.rand(size)
z2 = np.random.rand(size)
# Box-Muller変換
u = np.sqrt(-2.0 * np.log(z1)) * np.cos(2.0 * np.pi * z2)
v = np.sqrt(-2.0 * np.log(z1)) * np.sin(2.0 * np.pi * z2)
# 対数正規分布に従う乱数
x = mean + sigma * u
y = np.exp(v)
return x, y
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布から10個の乱数を生成
x, y = box_muller(0, 1, 10)
# 結果を出力
print(x)
print(y)
逆変換法は、対数正規分布の累積分布関数を逆関数にして乱数を生成する方法です。
def inverse_transform(mean, sigma, size):
# 対数正規分布の累積分布関数
cdf = lambda x: 0.5 * (1.0 + erf((np.log(x) - mean) / (sigma * np.sqrt(2.0))))
# 逆変換
u = np.random.rand(size)
x = cdf(u)
return x
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布から10個の乱数を生成
x = inverse_transform(0, 1, 10)
# 結果を出力
print(x)
近似法
対数正規分布は、正規分布やガンマ分布などの他の分布で近似することができます。
# 正規分布による近似
def normal_approximation(mean, sigma, size):
x = np.random.normal(mean, sigma, size)
y = np.exp(x)
return y
# ガンマ分布による近似
def gamma_approximation(mean, sigma, size):
shape = (sigma**2) / (mean**2)
scale = mean / shape
x = np.random.gamma(shape, scale, size)
return x
# 平均0、標準偏差1の対数正規分布から10個の乱数を生成
x = normal_approximation(0, 1, 10)
y = gamma_approximation(0, 1, 10)
# 結果を出力
print(x)
print(y)
それぞれの方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
random.lognormal() | 高速 | 精度が低い場合がある |
Box-Muller変換 | 精度が高い | 遅い |
逆変換法 | 精度が高い | 複雑 |
近似法 | 高速 | 精度が低い場合がある |
random.lognormal()
は、対数正規分布に従う乱数を生成する最も簡単な方法です。ただし、精度が低い場合があるため、より精度の高い方法が必要な場合は、他の方法を検討する必要があります。
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