PyTorch Tensor の torch.Tensor.istft() 関数で音声復元:詳細解説とサンプルコード

2024-04-02

PyTorch Tensor の torch.Tensor.istft() 関数解説

torch.Tensor.istft() は、短時間フーリエ変換 (STFT) の逆変換を実行する関数です。STFT は、音声を時間周波数領域に変換する処理であり、音声分析や音声合成などに利用されます。istft() 関数は、STFT で得られたスペクトログラムから元の音声を復元するために使用されます。

入力

istft() 関数は、以下の入力を必要とします。

  • spec: STFT の結果であるスペクトログラム。形状は (channel, fft_size, n_frame) または (channel, fft_size // 2 + 1, n_frame) です。
  • n_fft: フーリエ変換のサイズ。
  • hop_length: フレーム間のホップ長。
  • win_length: 窓関数の長さ。
  • window: 窓関数。デフォルトは torch.ones(win_length) です。
  • center: フレームが時間の中央に配置されているかどうか。デフォルトは True です。
  • normalized: STFT が正規化されているかどうか。デフォルトは False です。
  • onesided: スペクトログラムが片側スペクトルであるかどうか。デフォルトは True です。
  • length: 出力音声の長さ。デフォルトは None で、入力スペクトログラムの長さと同じになります。
  • return_complex: 出力が複素数であるかどうか。デフォルトは False です。

出力

istft() 関数は、以下の出力を返します。

  • output: 元の音声信号。形状は (channel, length) です。

実装例

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128)

# 出力音声を再生
# ...

注意事項

  • istft() 関数は、STFT と逆変換処理において窓関数を使用するため、元の音声信号と完全に一致する出力は得られません。
  • istft() 関数は、バッチ処理をサポートしていないため、複数の音声信号を同時に処理したい場合は、ループ処理を行う必要があります。
  • istft() 関数は、torch.signal モジュールにも存在します。
  • istft() 関数は、librosa などの音声処理ライブラリでも提供されています。


PyTorch Tensor の torch.Tensor.istft() 関数サンプルコード

単一チャネル音声の復元

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128)

# 出力音声を再生
# ...

マルチチャネル音声の復元

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(2, 256, 100)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128)

# 出力音声を再生
# ...

窓関数と位相情報の復元

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 窓関数
window = torch.hamming(256)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128, window=window, center=True)

# 出力音声を再生
# ...

スペクトログラムの長さ調整

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128, length=200)

# 出力音声を再生
# ...

複素数出力

import torch

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 逆変換
output = torch.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128, return_complex=True)

# 複素数スペクトルを取り出す
real = output.real
imag = output.imag

# ...
  • 上記のサンプルコードは、PyTorch 1.12.0 で動作確認しています。
  • istft() 関数の詳細については、PyTorch ドキュメントを参照してください。


torch.Tensor.istft() 関数の代替方法

librosa ライブラリ

librosa は、音声処理のための Python ライブラリです。librosa には、istft() 関数を含む様々な音声処理機能が提供されています。

import librosa

# スペクトログラム
spec = torch.rand(1, 256, 100)

# 逆変換
output = librosa.istft(spec, n_fft=256, hop_length=128)

# 出力音声を再生
# ...

自作関数

STFT の逆変換処理は、比較的単純なアルゴリズムで実装できます。そのため、自作関数を作成して、torch.Tensor.istft() 関数の代替として使用することも可能です。

それぞれの方法の比較

方法メリットデメリット
torch.Tensor.istft()PyTorch の標準機能バッチ処理非対応
librosa高機能な音声処理ライブラリPyTorch との連携が必要
自作関数柔軟性が高い実装コストが高い

どの方法を選択するべきかは、以下の点を考慮する必要があります。

  • 使用する環境
  • 処理速度
  • 機能性
  • 開発コスト
  • 上記以外にも、STFT の逆変換を実行する方法はいくつかあります。
  • 具体的な方法は、使用目的や環境によって異なります。



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