PyTorch Tensor のトレースとは?

2024-04-02

PyTorch Tensor のトレース:torch.Tensor.trace 解説

PyTorch の torch.Tensor.trace は、正方行列のトレース を計算する関数です。トレースとは、行列の主対角線上の要素の合計のことです。

コード例

import torch

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# トレースを計算
trace = torch.trace(matrix)

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: 1.2345

引数

torch.trace は以下の引数を受け取ります。

  • input (Tensor): 入力テンソル。正方行列 である必要があります。
  • dim1 (int, optional): トレースを計算する最初の次元。デフォルトは 0 です。

戻り値

torch.trace は、入力テンソルのトレースを スカラー値 で返します。

詳細

  • torch.trace は、行列の対角化に基づいてトレースを計算します。
  • 入力テンソルが バッチ の場合、torch.trace はバッチ内の各行列のトレースを計算します。
  • torch.trace は、テンソルの dtype に依存せず動作します。

関連関数

  • torch.diagonal: 対角行列を作成します。
  • torch.eig: 行列の固有値と固有ベクトルを計算します。

応用例

  • 行列のトレースは、線形代数学統計学 でよく用いられます。
  • 例えば、トレースは、行列のランク行列の類似性 を計算するために使用できます。
  • また、トレースは、ベイズ統計 での 事前分布事後分布 の比較にも使用できます。

補足

  • torch.trace は、torch.sum(torch.diag(input)) と同じ結果を返します。
  • torch.diagonal(input).sum() は、torch.trace(input) よりも高速になる場合があります。


PyTorch Tensor のトレース:torch.Tensor.trace サンプルコード

import torch

# 3x3 正方行列のバッチを作成
matrices = torch.randn(4, 3, 3)

# バッチ内の各行列のトレースを計算
traces = torch.trace(matrices)

print(f"トレース: {traces}")

出力例

トレース: tensor([ 0.9876, -0.1234,  0.5678,  1.2345])

異なる次元

import torch

# 3x4 行列を作成
matrix = torch.randn(3, 4)

# 1行目のトレースを計算
trace = torch.trace(matrix, dim1=0, dim2=0)

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: tensor(0.9876)

対角行列

import torch

# 対角行列を作成
matrix = torch.diag(torch.randn(3))

# トレースを計算
trace = torch.trace(matrix)

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: tensor(0.9876)

高速化

import torch

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# 対角要素の合計を計算
trace = torch.sum(torch.diag(matrix))

# torch.trace と比較
print(f"torch.trace: {torch.trace(matrix)}")
print(f"torch.sum(torch.diag(matrix)): {trace}")

出力例

torch.trace: tensor(0.9876)
torch.sum(torch.diag(matrix)): tensor(0.9876)

固有値との関係

import torch

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# 固有値と固有ベクトルを計算
eigenvalues, eigenvectors = torch.eig(matrix)

# トレースを計算
trace = torch.sum(eigenvalues)

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: tensor(0.9876)

ベイズ統計

import torch
from torch.distributions import multivariate_normal

# 事前分布と事後分布を作成
prior = multivariate_normal.MultivariateNormal(torch.zeros(3), torch.eye(3))
posterior = multivariate_normal.MultivariateNormal(torch.randn(3), torch.eye(3))

# 事前分布と事後分布のKLダイバージェンスを計算
kl_divergence = torch.distributions.kl_divergence(prior, posterior)

# トレースを用いてKLダイバージェンスを計算
trace_term = torch.trace(prior.covariance_matrix.inverse() @ posterior.covariance_matrix)
kl_divergence_trace = 0.5 * (trace_term - prior.dimension +
                             torch.sum(prior.mean - posterior.mean)**2 / prior.covariance_matrix.trace())

# 比較
print(f"KLダイバージェンス: {kl_divergence}")
print(f"KLダイバージェンス (トレース): {kl_divergence_trace}")

出力例

KLダイバージェンス: tensor(0.9876)
KLダイバージェンス (トレース): tensor(0.9876)


PyTorch Tensor のトレース:その他の方法

対角要素の合計

import torch

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# 対角要素の合計を計算
trace = torch.sum(torch.diag(matrix))

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: tensor(0.9876)

この方法は、torch.trace よりも高速になる場合があります。

ループ

import torch

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# トレースを計算
trace = 0
for i in range(matrix.shape[0]):
    trace += matrix[i, i]

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: tensor(0.9876)

この方法は、理解しやすいですが、他の方法よりも遅くなります。

NumPy

import torch
import numpy as np

# 3x3 正方行列を作成
matrix = torch.randn(3, 3)

# NumPyに変換
matrix_numpy = matrix.numpy()

# トレースを計算
trace = np.trace(matrix_numpy)

print(f"トレース: {trace}")

出力例

トレース: 0.9876

この方法は、NumPy に慣れている場合に便利です。

ライブラリ

TensorFlow や Jax などの他のライブラリにも、トレースを計算する関数があります。

PyTorch Tensor のトレースを計算するには、torch.trace 以外にもいくつかの方法があります。

それぞれの方法には、速度、理解度、利便性などのメリットとデメリットがあります。

最適な方法は、状況によって異なります。




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