NLLLossの代替方法:BCEWithLogitsLoss、Focal Loss、Label Smoothing

2024-04-02

PyTorchのニューラルネットワークにおけるtorch.nn.NLLLoss

NLLLossの仕組み

NLLLossは、以下の式に基づいて損失を計算します。

loss = -∑[y_i * log(p_i)]
  • loss: 損失
  • y_i: 正解ラベルのi番目の要素(one-hotベクトル)
  • p_i: モデルが出力したi番目のクラスの確率

この式は、各クラスの正解ラベルとモデルが出力した確率に基づいて、対数尤度を計算し、その負の値を損失としています。

NLLLossとCrossEntropyLossの違い

PyTorchには、NLLLossと同様に分類問題の損失関数を計算するために用いられるtorch.nn.CrossEntropyLossモジュールも存在します。

CrossEntropyLossは、NLLLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。

NLLLossの使用例

NLLLossは、以下のコードのように、torch.nn.CrossEntropyLossモジュールと同様に使用できます。

import torch
import torch.nn as nn

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Linear(10, 100),
    nn.ReLU(),
    nn.Linear(100, 10)
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()

# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))

# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)

# 誤差逆伝播
loss.backward()

# パラメータの更新
optimizer.step()

NLLLossは、PyTorchのニューラルネットワークで分類問題の損失関数を計算するために用いられるモジュールです。NLLLossは、入力データと正解ラベルに基づいて、モデルの予測がどれだけ間違っているかを評価します。

NLLLossは、CrossEntropyLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。



NLLLossのサンプルコード

MNIST分類

import torch
import torchvision
from torch.nn import functional as F

# データセットの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    torchvision.datasets.MNIST(
        "./data", train=True, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
    ),
    batch_size=64, shuffle=True,
)

test_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    torchvision.datasets.MNIST(
        "./data", train=False, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
    ),
    batch_size=64, shuffle=False,
)

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Linear(784, 128),
    nn.ReLU(),
    nn.Linear(128, 10),
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()

# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

# 学習
for epoch in range(10):
    for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
        # モデルの出力
        output = model(data.view(-1, 784))

        # 損失の計算
        loss = loss_fn(output, target)

        # 誤差逆伝播
        optimizer.zero_grad()
        loss.backward()

        # パラメータの更新
        optimizer.step()

    # テストデータでの精度評価
    correct = 0
    total = 0
    with torch.no_grad():
        for data, target in test_loader:
            output = model(data.view(-1, 784))
            _, predicted = torch.max(output.data, 1)
            total += target.size(0)
            correct += (predicted == target).sum().item()

    print(f"Epoch: {epoch + 1}, Accuracy: {correct / total:.2f}")

CIFAR-10データセットを用いて、画像の分類を行うサンプルコードです。

import torch
import torchvision
from torch.nn import functional as F

# データセットの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    torchvision.datasets.CIFAR10(
        "./data", train=True, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
    ),
    batch_size=64, shuffle=True,
)

test_loader = torch.utils.data.DataLoader(
    torchvision.datasets.CIFAR10(
        "./data", train=False, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
    ),
    batch_size=64, shuffle=False,
)

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Conv2d(3, 64, 5, padding=2),
    nn.ReLU(),
    nn.MaxPool2d(2, stride=2),
    nn.Conv2d(64, 128, 5, padding=2),
    nn.ReLU(),
    nn.MaxPool2d(2, stride=2),
    nn.Flatten(),
    nn.Linear(128 * 4 * 4, 10),
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()

# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)

# 学習
for epoch in range(10):
    for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
        # モデルの出力
        output = model(data)

        # 損失の計算
        loss = loss_fn(output, target)

        # 誤差逆伝播
        optimizer.zero_grad()
        loss.backward()

        # パラメータの更新
        optimizer.step()

    # テストデータでの精度評価
    correct = 0
    total = 0
    with torch.no_grad():
        for data, target in test_loader:
            output = model(data)
            _, predicted =


NLLLossの代替方法

CrossEntropyLossは、NLLLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。

import torch
import torch.nn as nn

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Linear(10, 100),
    nn.ReLU(),
    nn.Linear(100, 10)
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.CrossEntropyLoss()

# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))

# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)

# 誤差逆伝播
loss.backward()

# パラメータの更新
optimizer.step()

BCEWithLogitsLossは、二値分類問題の損失関数を計算するために用いられます。BCEWithLogitsLossは、シグモイド関数を適用した後に、二値交差エントロピー損失を計算します。

import torch
import torch.nn as nn

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Linear(10, 100),
    nn.ReLU(),
    nn.Linear(100, 1)
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.BCEWithLogitsLoss()

# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 2, (10,))

# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target.float())

# 誤差逆伝播
loss.backward()

# パラメータの更新
optimizer.step()

Focal Lossは、アンバランスデータセットにおける分類問題の損失関数を計算するために用いられます。Focal Lossは、正しく分類されたサンプルの損失を小さくし、誤分類されたサンプルの損失を大きくすることで、アンバランスデータセットにおける学習を改善します。

import torch
import torch.nn as nn

# モデルの定義
model = nn.Sequential(
    nn.Linear(10, 100),
    nn.ReLU(),
    nn.Linear(100, 10)
)

# 損失関数の定義
loss_fn = nn.FocalLoss()

# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))

# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)

# 誤差逆伝播
loss.backward()

# パラメータの更新
optimizer.step()

NLLLossは、分類問題の損失関数を計算する標準的な方法ですが、他にもいくつかの代替方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、データセットや問題設定に合わせて最適な方法を選択する必要があります。




パフォーマンス向上:PyTorch Dataset と DataLoader でデータローディングを最適化する

Datasetは、データセットを表す抽象クラスです。データセットは、画像、テキスト、音声など、機械学習モデルの学習に使用できるデータのコレクションです。Datasetクラスは、データセットを読み込み、処理するための基本的なインターフェースを提供します。



PyTorch Miscellaneous モジュール:ディープラーニング開発を効率化するユーティリティ

このモジュールは、以下のサブモジュールで構成されています。データ処理torch. utils. data:データセットの読み込み、バッチ化、シャッフルなど、データ処理のためのツールを提供します。 DataLoader:データセットを効率的に読み込み、イテレートするためのクラス Dataset:データセットを表す抽象クラス Sampler:データセットからサンプルを取得するためのクラス


PyTorchで事前学習済みモデルを使う:torch.utils.model_zoo徹底解説

torch. utils. model_zoo でモデルをロードするには、以下のコードを使用します。このコードは、ImageNet データセットで事前学習済みの ResNet-18 モデルをダウンロードしてロードします。torch. utils


PyTorchのC++バックトレースを取得:torch.utils.get_cpp_backtraceの使い方

torch. utils. get_cpp_backtrace は、PyTorch の C++ バックトレースを取得するための関数です。これは、C++ コードで発生したエラーのデバッグに役立ちます。機能この関数は、現在のスレッドの C++ バックトレースをリストとして返します。各要素は、フレームの情報を含むディクショナリです。


PyTorch Miscellaneous: 隠れた機能 torch.overrides.wrap_torch_function()

PyTorchは、機械学習アプリケーション開発のためのオープンソースライブラリです。torch. overrides. wrap_torch_function() は、PyTorchの「Miscellaneous」カテゴリに属する関数で、既存のPyTorch関数をオーバーライドするための機能を提供します。



2次元・3次元テンソルの最小値のインデックスを取得:PyTorch 実践ガイド

torch. Tensor. argmin メソッドは、PyTorch Tensor 内の最小値のインデックスを取得します。これは、要素が多次元配列に格納されたデータセットにおける最小値の位置を特定する際に役立ちます。メソッドの構成要素tensor - 対象となる PyTorch Tensor


まとめ:PyTorchのtorch.nn.LSTMで時系列データ処理をマスターしよう!

PyTorchは、Pythonで書かれた深層学習フレームワークです。torch. nn. LSTMは、PyTorchで提供される再帰型ニューラルネットワーク(RNN)モジュールの1つで、Long Short-Term Memory(LSTM)と呼ばれるニューラルネットワークを構築するために使用されます。


PyTorch FX の Node.kwargs を用いたサンプルコード集:実践的なプログラミングを学ぶ

torch. fx は PyTorch における強力なツールであり、モデルのトレーサビリティ、分析、変換、最適化などを可能にします。その中でも、torch. fx. Node は、FX グラフ内の各操作を表す重要なクラスです。この Node クラスには、kwargs 属性と呼ばれる属性があり、これはノードに関連付けられたオプション引数辞書を保持します。


Tensorを用いた連立方程式の解法: torch.Tensor.lu_solve() の詳細解説

概要torch. Tensor. lu_solve()は、PyTorchのTensorクラスにおいて、LU分解を用いて連立方程式を解くための関数です。LU分解は、行列を下三角行列Lと上三角行列Uの積に分解する手法です。この関数は、LU分解の結果であるLU_dataとLU_pivotsを用いて、連立方程式Ax=bの解xを求めます。


PyTorchでSciPyライクな信号処理:ハミング窓とその他の窓関数

PyTorchは、科学計算と機械学習のためのオープンソースライブラリです。SciPyは、Pythonによる科学計算のためのライブラリです。PyTorchには、SciPyライクな信号処理機能が提供されており、torch. signalモジュールで利用できます。