NLLLossの代替方法:BCEWithLogitsLoss、Focal Loss、Label Smoothing
PyTorchのニューラルネットワークにおけるtorch.nn.NLLLoss
NLLLossの仕組み
NLLLossは、以下の式に基づいて損失を計算します。
loss = -∑[y_i * log(p_i)]
loss
: 損失y_i
: 正解ラベルのi番目の要素(one-hotベクトル)p_i
: モデルが出力したi番目のクラスの確率
この式は、各クラスの正解ラベルとモデルが出力した確率に基づいて、対数尤度を計算し、その負の値を損失としています。
NLLLossとCrossEntropyLossの違い
PyTorchには、NLLLossと同様に分類問題の損失関数を計算するために用いられるtorch.nn.CrossEntropyLoss
モジュールも存在します。
CrossEntropyLossは、NLLLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。
NLLLossの使用例
NLLLossは、以下のコードのように、torch.nn.CrossEntropyLoss
モジュールと同様に使用できます。
import torch
import torch.nn as nn
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 100),
nn.ReLU(),
nn.Linear(100, 10)
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()
# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))
# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)
# 誤差逆伝播
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
NLLLossは、PyTorchのニューラルネットワークで分類問題の損失関数を計算するために用いられるモジュールです。NLLLossは、入力データと正解ラベルに基づいて、モデルの予測がどれだけ間違っているかを評価します。
NLLLossは、CrossEntropyLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。
NLLLossのサンプルコード
MNIST分類
import torch
import torchvision
from torch.nn import functional as F
# データセットの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
torchvision.datasets.MNIST(
"./data", train=True, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
),
batch_size=64, shuffle=True,
)
test_loader = torch.utils.data.DataLoader(
torchvision.datasets.MNIST(
"./data", train=False, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
),
batch_size=64, shuffle=False,
)
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(784, 128),
nn.ReLU(),
nn.Linear(128, 10),
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()
# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)
# 学習
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
# モデルの出力
output = model(data.view(-1, 784))
# 損失の計算
loss = loss_fn(output, target)
# 誤差逆伝播
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
# テストデータでの精度評価
correct = 0
total = 0
with torch.no_grad():
for data, target in test_loader:
output = model(data.view(-1, 784))
_, predicted = torch.max(output.data, 1)
total += target.size(0)
correct += (predicted == target).sum().item()
print(f"Epoch: {epoch + 1}, Accuracy: {correct / total:.2f}")
CIFAR-10データセットを用いて、画像の分類を行うサンプルコードです。
import torch
import torchvision
from torch.nn import functional as F
# データセットの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
torchvision.datasets.CIFAR10(
"./data", train=True, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
),
batch_size=64, shuffle=True,
)
test_loader = torch.utils.data.DataLoader(
torchvision.datasets.CIFAR10(
"./data", train=False, download=True, transform=torchvision.transforms.ToTensor()
),
batch_size=64, shuffle=False,
)
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Conv2d(3, 64, 5, padding=2),
nn.ReLU(),
nn.MaxPool2d(2, stride=2),
nn.Conv2d(64, 128, 5, padding=2),
nn.ReLU(),
nn.MaxPool2d(2, stride=2),
nn.Flatten(),
nn.Linear(128 * 4 * 4, 10),
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.NLLLoss()
# オプティマイザの定義
optimizer = torch.optim.SGD(model.parameters(), lr=0.01)
# 学習
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
# モデルの出力
output = model(data)
# 損失の計算
loss = loss_fn(output, target)
# 誤差逆伝播
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
# テストデータでの精度評価
correct = 0
total = 0
with torch.no_grad():
for data, target in test_loader:
output = model(data)
_, predicted =
NLLLossの代替方法
CrossEntropyLossは、NLLLossとほぼ同じ計算を行います。しかし、CrossEntropyLossは内部でソフトマックス関数を適用するため、NLLLossを使用する場合は、モデルの出力にソフトマックス関数を適用する必要があります。
import torch
import torch.nn as nn
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 100),
nn.ReLU(),
nn.Linear(100, 10)
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.CrossEntropyLoss()
# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))
# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)
# 誤差逆伝播
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
BCEWithLogitsLossは、二値分類問題の損失関数を計算するために用いられます。BCEWithLogitsLossは、シグモイド関数を適用した後に、二値交差エントロピー損失を計算します。
import torch
import torch.nn as nn
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 100),
nn.ReLU(),
nn.Linear(100, 1)
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.BCEWithLogitsLoss()
# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 2, (10,))
# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target.float())
# 誤差逆伝播
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
Focal Lossは、アンバランスデータセットにおける分類問題の損失関数を計算するために用いられます。Focal Lossは、正しく分類されたサンプルの損失を小さくし、誤分類されたサンプルの損失を大きくすることで、アンバランスデータセットにおける学習を改善します。
import torch
import torch.nn as nn
# モデルの定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 100),
nn.ReLU(),
nn.Linear(100, 10)
)
# 損失関数の定義
loss_fn = nn.FocalLoss()
# 入力データと正解ラベル
input = torch.randn(10, 10)
target = torch.randint(0, 10, (10,))
# 損失の計算
output = model(input)
loss = loss_fn(output, target)
# 誤差逆伝播
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
NLLLossは、分類問題の損失関数を計算する標準的な方法ですが、他にもいくつかの代替方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、データセットや問題設定に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
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