C++でQt WidgetsのQAbstractItemView::selectedIndexes()を使う

2024-04-03

Qt WidgetsにおけるQAbstractItemView::selectedIndexes()解説

QAbstractItemView::selectedIndexes()は、Qt Widgetsモジュールにおける重要な関数の一つです。これは、QAbstractItemViewクラスとその派生クラス(QListView、QTableViewなど)で使用され、選択されたインデックスのリストを取得するために使用されます。

機能

この関数は、選択されたすべてのインデックスをQModelIndexオブジェクトのリストとして返します。QModelIndexオブジェクトは、モデル内の特定のアイテムを表します。

使用例

以下の例は、QListViewで選択されたすべてのアイテムのテキストを表示する方法を示します。

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// 選択されたインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = listView.selectedIndexes();

// 選択されたアイテムのテキストを表示
for (const QModelIndex &index : selectedIndexes) {
  QString text = model->data(index, Qt::DisplayRole).toString();
  qDebug() << text;
}

詳細

  • 引数:この関数は引数を受け取りません。
  • 戻り値:選択されたインデックスのリストをQModelIndexオブジェクトとして返します。
  • 関連クラス:
    • QAbstractItemView: 抽象的なアイテムビュークラス
    • QModelIndex: モデル内のアイテムを表すオブジェクト
    • QListView: リストビュー
    • QTableView: テーブルビュー

補足

  • この関数は、シングルセレクションとマルチセレクションの両方に対応しています。
  • 選択されたインデックスは、モデルのインデックス空間で表現されます。
  • モデルが変更された場合、選択されたインデックスはが無効になる可能性があります。
  • Qt Widgetsモジュールには、他にもさまざまなアイテムビュー関連の関数があります。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。


QAbstractItemView::selectedIndexes() のサンプルコード

アイテムのテキストを表示する

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// 選択されたインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = listView.selectedIndexes();

// 選択されたアイテムのテキストを表示
for (const QModelIndex &index : selectedIndexes) {
  QString text = model->data(index, Qt::DisplayRole).toString();
  qDebug() << text;
}

アイテムを編集する

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// 選択されたインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = listView.selectedIndexes();

// 選択されたアイテムを編集
for (const QModelIndex &index : selectedIndexes) {
  // 編集ダイアログを表示
  bool ok = editDialog.exec();

  // 編集内容をモデルに反映
  if (ok) {
    model->setData(index, editDialog.text(), Qt::EditRole);
  }
}

アイテムを削除する

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// 選択されたインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = listView.selectedIndexes();

// 選択されたアイテムを削除
for (const QModelIndex &index : selectedIndexes) {
  model->removeRow(index.row());
}

アイテムを別の場所に移動する

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// 選択されたインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = listView.selectedIndexes();

// 選択されたアイテムを別の場所に移動
for (const QModelIndex &index : selectedIndexes) {
  model->moveRow(index.row(), destinationIndex);
}

ドラッグアンドドロップ

QListView listView;
// ...

// アイテムモデルを設定
listView.setModel(model);

// ドラッグアンドドロップを有効にする
listView.setDragEnabled(true);

// ドロップイベントを受け取る
void listView::dragMoveEvent(QDragMoveEvent *event) {
  // ドラッグされたアイテムのインデックスを取得
  QModelIndexList sourceIndexes = event->sourceIndexes();

  // ドロップ先のインデックスを取得
  QModelIndex dropIndex = listView.indexAt(event->pos());

  // アイテムを移動できるかどうかをチェック
  if (model->canMoveRows(sourceIndexes.first().row(), sourceIndexes.last().row(), dropIndex)) {
    event->acceptMove();
  } else {
    event->ignore();
  }
}

// ドロップイベントを処理する
void listView::dropEvent(QDropEvent *event) {
  // ドラッグされたアイテムのインデックスを取得
  QModelIndexList sourceIndexes = event->sourceIndexes();

  // ドロップ先のインデックスを取得
  QModelIndex dropIndex = listView.indexAt(event->pos());

  // アイテムを移動する
  model->moveRows(sourceIndexes.first().row(), sourceIndexes.last().row(), dropIndex);
}

注意: これらのサンプルコードは、Qt 5.15.2に基づいています。他のバージョンのQtでは、コードが異なる場合があります。



QAbstractItemView::selectedIndexes() 以外の方法

QItemSelectionModel::selectedIndexes()

QItemSelectionModelクラスは、アイテムビューの選択状態を管理します。QItemSelectionModel::selectedIndexes() メソッドを使用して、選択されたインデックスのリストを取得できます。

QItemSelectionModel *selectionModel = listView.selectionModel();
QModelIndexList selectedIndexes = selectionModel->selectedIndexes();

QModel::selectedIndexes()

QModelクラスは、アイテムデータの管理を担当します。QModel::selectedIndexes() メソッドを使用して、選択されたインデックスのリストを取得できます。

QModel *model = listView.model();
QModelIndexList selectedIndexes = model->selectedIndexes();

独自のコード

上記の方法以外にも、独自のコードを使用して選択されたアイテムを取得することができます。たとえば、アイテムビューの各アイテムをループ処理し、そのアイテムが選択されているかどうかをチェックできます。

for (int i = 0; i < model->rowCount(); i++) {
  QModelIndex index = model->index(i, 0);

  if (listView->selectionModel()->isSelected(index)) {
    // アイテムが選択されている
  }
}

どの方法を使用するべきかは、アプリケーションの要件によって異なります。一般的には、QAbstractItemView::selectedIndexes() メソッドを使用するのが最も簡単で効率的です。ただし、より多くの制御が必要な場合は、他の方法を使用する必要があります。

その他の方法

  • QAbstractItemView::selectionModel() : アイテムビューの選択モデルを取得します。
  • QItemSelectionModel::selectedRows() : 選択された行のリストを取得します。



【初心者向け】Qt GUIで画像書き出し:QImageWriter::canWrite()の使い方を徹底解説

QImageWriter::canWrite() 関数は、指定されたフォーマットで画像を書き出すことが可能かどうかを確認するために使用されます。この関数は、画像フォーマットと出力デバイスに関する情報に基づいて評価を行い、真偽値を返します。構文



Qt GUIでグラデーション効果を実現する: QGradient::setStops() 関数の詳細解説

機能:グラデーションの色と位置を指定する複数の色を滑らかに変化させるグラデーション効果を作成する引数:stops: QGradientStop型の要素を格納するQListオブジェクトsize: stopsの要素数戻り値:なし使用例:QGradientStopオブジェクトは、グラデーションの色と位置を定義します。


Qt GUI チュートリアル: QBrush::isOpaque()関数でブラシの透明性をマスターしよう

QBrush::isOpaque() 関数は、Qt GUI フレームワークにおける QBrush オブジェクトが完全に不透明かどうかを判断するために使用されます。これは、レンダリング時に背景が透けて見えるかどうかを決定するのに役立ちます。機能


QOpenGLExtraFunctions::glGetActiveUniformBlockiv()の使い方

QOpenGLExtraFunctionsは、Qt GUIにおけるOpenGL機能拡張を提供するクラスです。glGetActiveUniformBlockiv()は、このクラスが提供する関数の一つで、シェーダープログラム中のアクティブなユニフォームブロックに関する情報を取得するために使用されます。


Qt GUIにおけるVAOの削除: QOpenGLExtraFunctions::glDeleteVertexArrays()徹底解説

この関数の使いどころVAOを使い終えた後、メモリを解放するために呼び出します。複数のVAOを作成/削除する処理をループで行う場合、パフォーマンス向上のためにglDeleteVertexArrays()を使用します。この関数の詳細プロトタイプ:



Qt GUIフレームワークにおけるQTextFrameFormat::setPageBreakPolicy()の概要

概要クラス: QTextFrameFormat関数: setPageBreakPolicy()引数: QTextFormat::PageBreakFlags戻り値: なし詳細**QTextFrameFormat::setPageBreakPolicy()**は、テキストフレームのページ区切りポリシーを、QTextFormat::PageBreakFlags 型のフラグで指定します。このフラグは、以下の値を組み合わせることができます。


Qt GUIにおけるQGuiApplication::modalWindow()の徹底解説

この関数は、GUIアプリケーション開発において以下のような重要な役割を果たします。モーダルウィンドウの制御と管理:最も最近表示されたモーダルウィンドウへのポインタを取得することで、開発者はそのウィンドウを制御したり、操作したりすることができます。


QStackedLayout::insertWidget() 関数:スタックレイアウトにウィジェットを挿入する方法

QStackedLayout::insertWidget() 関数は、スタックに新しいウィジェットを挿入するために使用されます。この関数は、以下の引数を受け取ります。index: ウィジェットを挿入するインデックス。0 から始まるインデックスで、0 はスタックの先頭を表します。


Qt チュートリアル:QAction::associatedObjects() を使ってアクションと関連付けられたデータを操作

概要:役割: QAction オブジェクトに関連付けられたオブジェクトを取得引数: なし戻り値: 関連付けられたオブジェクトのリスト (QObject のリスト)使用例: 特定のアクションに関連付けられたすべてのウィジェットを取得 アクションと関連付けられたデータを操作


Qt Widgetsでアイテムがフォーカスを失った時の処理 - QGraphicsScene::focusOutEvent()の詳細解説

QGraphicsScene::focusOutEvent()は、Qt Widgetsフレームワークで、QGraphicsScene内のアイテムがフォーカスを失ったときに発生するイベントを処理するための仮想関数です。このイベントは、ユーザーがキーボードやマウスを使って別のアイテムにフォーカスを移動させたときなど、さまざまな状況で発生します。