【Qt GUI】画像ファイルをモノクロ画像に変換してQBitmapを作成する：QBitmap::fromData()の使い方

Qt GUIにおけるQBitmap::fromData()のプログラミング解説

QBitmap::fromData()は、Qt GUIでucharデータからQBitmapオブジェクトを作成するための静的関数です。QBitmapは、主にカスタムカーソルやブラシの作成、領域オブジェクトの構築、ピクセルマップやウィジェットのマスク設定などに使用されるモノクロ（1ビット深度）のピクセルマップです。

関数詳細

QBitmap QBitmap::fromData(const QSize &size, const uchar *data, QImage::Format format);

この関数は、以下の引数を取ります。

• size: 作成するQBitmapのサイズ
• data: ucharデータのポインタ
• format: データのフォーマット（オプション、省略可能）

fromData()は、ucharデータを使用してQBitmapオブジェクトを作成し、返します。ucharデータは、画像ファイルを読み込んだり、メモリに直接割り当てたりすることで取得できます。format引数は、ucharデータの形式を指定するために使用されますが、省略可能です。省略すると、Qtはデータ形式を自動的に検出します。

例

// 画像ファイルからQBitmapを作成する

QFile file("image.png");
if (file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
  QByteArray data = file.readAll();
  QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), (uchar *)data.data());
  // ... bitmapを処理する
}

// メモリに直接割り当てられたucharデータからQBitmapを作成する

uchar data[512 * 512];
// ... dataを初期化する

QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), data);
// ... bitmapを処理する

補足

• fromData()は、カラー画像をモノクロ画像に変換します。
• fromData()は、透過情報を持つ画像を処理する場合、透過情報を失う可能性があります。
• 性能が重要な場合は、QImage::fromData()を使用してQImageオブジェクトを作成し、その後toBitmap()を使用してQBitmapオブジェクトに変換することを検討してください。

この説明が、Qt GUIにおけるQBitmap::fromData()のプログラミングを理解するのに役立つことを願っています。ご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。

Qt GUIにおけるQBitmap::fromData()のサンプルコード

#include <QApplication>
#include <QFile>
#include <QBitmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画像ファイルを開く
  QFile file("image.png");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    qDebug() << "画像ファイルを開くことができませんでした";
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QByteArray data = file.readAll();

  // ucharデータからQBitmapを作成する
  QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), (uchar *)data.data());

  // QBitmapを表示する
  QImage image = bitmap.toImage();
  image.show();

  return 0;
}

メモリに直接割り当てられたucharデータからQBitmapを作成する

#include <QApplication>
#include <QBitmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ucharデータを用意する
  uchar data[512 * 512];

  // ... dataを初期化する

  // ucharデータからQBitmapを作成する
  QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), data);

  // QBitmapを表示する
  QImage image = bitmap.toImage();
  image.show();

  return 0;
}

カラー画像をモノクロ画像に変換する

#include <QApplication>
#include <QFile>
#include <QBitmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画像ファイルを開く
  QFile file("image.jpg");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    qDebug() << "画像ファイルを開くことができませんでした";
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QByteArray data = file.readAll();

  // ucharデータからQBitmapを作成する
  QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), (uchar *)data.data());

  // QBitmapを表示する
  QImage image = bitmap.toImage();
  image.show();

  return 0;
}

透過情報を持つ画像を処理する場合

#include <QApplication>
#include <QFile>
#include <QBitmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画像ファイルを開く
  QFile file("image.png");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    qDebug() << "画像ファイルを開くことができませんでした";
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QByteArray data = file.readAll();

  // ucharデータからQBitmapを作成する
  QBitmap bitmap = QBitmap::fromData(QSize(512, 512), (uchar *)data.data());

  // 透過情報を処理する

  // ...

  // QBitmapを表示する
  QImage image = bitmap.toImage();
  image.show();

  return 0;
}

性能が重要な場合

#include <QApplication>
#include <QFile>
#include <QImage>
#include <QBitmap>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画像ファイルを開く
  QFile file("image.png");
  if (!file.open(QIODevice::ReadOnly)) {
    qDebug() << "画像ファイルを開くことができませんでした";
    return 1;
  }

  // ファイルの内容を読み込む
  QByteArray data = file.readAll();

  // ucharデータからQImageを作成する
  QImage image = QImage::fromData(data);

  // QImageからQBitmapに変換する
  QBitmap bitmap = image.toBitmap();

  // QBitmapを処理する

  // ...

  return 0;
}

• 上記のコードはあくまで例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
• Qtのドキュメントを参照して、詳細については確認してください:

Qt GUIにおけるQBitmap::fromData()の代替方法

QBitmap::fromData()は、ucharデータからQBitmapオブジェクトを作成するための便利な関数ですが、状況によっては他の方法の方が適切な場合があります。以下に、いくつかの代替方法をご紹介します。

代替方法

1. QImage::fromData()とtoBitmap()`を使用する

QImage image = QImage::fromData(data, size, format);
QBitmap bitmap = image.toBitmap();

この方法は、ucharデータからQImageオブジェクトを作成し、その後toBitmap()を使用してQBitmapオブジェクトに変換する方法です。QImageは、カラー画像や透過情報を持つ画像を処理するのに適しています。

1. ucharデータを直接処理する

for (int y = 0; y < height; ++y) {
  for (int x = 0; x < width; ++x) {
    uchar value = data[y * width + x];
    // valueを処理する
  }
}

この方法は、ucharデータを直接処理することで、より柔軟な制御が可能になります。ただし、コードが複雑になり、読みづらくなる可能性があります。

1. QPainterを使用する

QPainter painter(&bitmap);
painter.setPen(Qt::black);
painter.drawPixmap(0, 0, pixmap);

この方法は、QPainterを使用してucharデータをQBitmapオブジェクトに描画する方法です。QPainterは、より複雑な描画を行うのに適しています。

どの方法を選択するかは、状況によって異なります。以下は、それぞれの方法を選択する際の目安です。

• シンプルで使いやすい方法: QBitmap::fromData()
• カラー画像や透過情報を持つ画像を処理する: QImage::fromData()とtoBitmap()
• ucharデータを直接処理する必要がある: ucharデータを直接処理する
• より複雑な描画を行う: QPainterを使用する

上記以外にも、状況によっては他の方法が考えられる場合があります。ご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。