QEventPoint::uniqueId の使用方法

Qt GUI の QEventPoint::uniqueId に関する解説

QEventPoint::uniqueId の仕組み

QEventPoint::uniqueId は、QPointingDeviceUniqueId という構造体で表されます。この構造体は、以下の2つの要素で構成されます。

• システムID: オペレーティングシステムによって割り当てられるデバイス固有のID
• シーケンス番号: デバイスによって生成されるイベント固有の番号

QEventPoint::uniqueId は、これらの2つの要素を組み合わせて生成されます。

QEventPoint::uniqueId は、以下の用途に使用できます。

• 複数のポインティングデバイスを区別する: 複数のポインティングデバイスを使用している場合、QEventPoint::uniqueId を使用して、どのデバイスからのイベントかを区別することができます。
• 同じデバイスからの複数のイベントを追跡する: 同じデバイスからの複数のイベントを処理する場合、QEventPoint::uniqueId を使用して、イベントの順序を追跡することができます。
• イベントの重複を検出する: 同じイベントが複数回送信された場合、QEventPoint::uniqueId を使用して、重複イベントを検出することができます。

QEventPoint::uniqueId は、QEventPoint クラスの以下のプロパティを使用して取得できます。

• uniqueId()

このプロパティは、QPointingDeviceUniqueId 型の値を返します。

以下のコード例は、QEventPoint::uniqueId の使用方法を示しています。

void widget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントのユニークIDを取得
  QPointingDeviceUniqueId id = event->uniqueId();

  // デバイスの種類を取得
  QPointingDevice *device = event->pointingDevice();
  QPointingDevice::DeviceType type = device->type();

  // イベント処理
  if (type == QPointingDevice::DeviceType::Mouse) {
    // マウスボタンが押された処理
  } else if (type == QPointingDevice::DeviceType::TouchScreen) {
    // タッチスクリーンが押された処理
  }
}

• QEventPoint::uniqueId は、イベントが発生した時点でのみ有効です。イベント処理後にこのIDを使用しようとすると、無効な値が返される可能性があります。
• QEventPoint::uniqueId は、異なるアプリケーション間で共有することはできません。

QEventPoint::uniqueId は、Qt GUI フレームワークをより深く理解するために役立つ重要な概念です。このIDを活用することで、複雑なマルチタッチアプリケーションやマルチデバイスアプリケーションを開発することができます。

Qt GUI の QEventPoint::uniqueId を使用したサンプルコード

複数のポインティングデバイスを区別する

void widget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントのユニークIDを取得
  QPointingDeviceUniqueId id = event->uniqueId();

  // デバイスの種類を取得
  QPointingDevice *device = event->pointingDevice();
  QPointingDevice::DeviceType type = device->type();

  // イベント処理
  if (type == QPointingDevice::DeviceType::Mouse) {
    // マウスボタンが押された処理
  } else if (type == QPointingDevice::DeviceType::TouchScreen) {
    // タッチスクリーンが押された処理
  }
}

同じデバイスからの複数のイベントを追跡する

void widget::mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントのユニークIDを取得
  QPointingDeviceUniqueId id = event->uniqueId();

  // 前回のイベントとのIDを比較
  if (id != lastEventId) {
    // 新しいイベントなので処理を行う
    // ...

    // イベントIDを更新
    lastEventId = id;
  }
}

イベントの重複を検出する

void widget::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントのユニークIDを取得
  QPointingDeviceUniqueId id = event->uniqueId();

  // イベントIDを前回のイベントIDと比較
  if (id == lastEventId) {
    // イベントが重複しているので処理を行う
    // ...
  }

  // イベントIDを更新
  lastEventId = id;
}

その他のサンプルコード

• QEventPoint::uniqueId を使用して、特定のデバイスからのイベントのみを処理する
• QEventPoint::uniqueId を使用して、イベントの発生順序をソートする
• QEventPoint::uniqueId を使用して、イベントをログに記録する

QEventPoint::uniqueId は、Qt GUI フレームワークをより深く理解するために役立つ重要な概念です。このIDを活用することで、複雑なマルチタッチアプリケーションやマルチデバイスアプリケーションを開発することができます。

QEventPoint::uniqueId 以外の方法

• イベントのタイムスタンプ: イベントが発生した時刻を取得することで、イベントを区別することができます。ただし、タイムスタンプは異なるイベント間で重複する可能性があります。
• イベントの種類: イベントの種類（マウスボタン押下、タッチスクリーン押下など）を取得することで、イベントを区別することができます。

これらの方法は、QEventPoint::uniqueId よりも簡易的な方法ですが、イベントを完全に区別できない可能性があります。

具体的な方法

イベントのタイムスタンプ

void widget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントのタイムスタンプを取得
  QDateTime timestamp = event->timestamp();

  // タイムスタンプを処理
  // ...
}

イベントの座標

void widget::mouseMoveEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントの座標を取得
  QPoint pos = event->pos();

  // 座標を処理
  // ...
}

イベントの種類

void widget::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event) {
  // イベントの種類を取得
  QEvent::Type type = event->type();

  // イベントの種類を処理
  if (type == QEvent::MouseButtonDblClick) {
    // マウスボタンがダブルクリックされた処理
  }
}

注意事項

• 上記の方法では、異なるイベント間でIDが重複する可能性があります。
• これらの方法は、QEventPoint::uniqueId ほど効率的ではない可能性があります。

QEventPoint::uniqueId は、ポインティングデバイスイベントを識別するための最も効率的な方法です。ただし、上記のその他の方法も、特定の状況では役立ちます。