Qt Widgetsにおける2Dグラフィックスプログラミング:アイテムの表示状態を判定する

2024-04-18

Qt WidgetsにおけるQGraphicsItem::isVisible()の解説

QGraphicsItem::isVisible()は、Qt Widgetsライブラリで2Dグラフィックスを扱うためのフレームワークであるQGraphicsSceneの一部であるQGraphicsItemクラスのメソッドです。このメソッドは、QGraphicsItemインスタンスが視覚的に表示されているかどうかを判定します

戻り値

  • true: アイテムが表示されている場合
  • false: アイテムが表示されていない場合

詳細

QGraphicsItem::isVisible()は、以下の条件を満たす場合にtrueを返します。

  • アイテム自身がsetVisible(true)で設定されている
  • アイテムのすべての親アイテムもsetVisible(true)で設定されている
  • アイテムがシーン内に存在する
  • アイテムがオクルードされていない

オクルージョンとは、あるアイテムが別のアイテムによって隠されている状態を指します。QGraphicsItem::isVisible()は、アイテムがオクルードされているかどうかを考慮します。つまり、アイテムが別のアイテムによって完全に隠されている場合は、たとえsetVisible(true)で設定されていてもfalseを返します。

QGraphicsItem* item = new QGraphicsItem();
scene->addItem(item);

// アイテムを表示する
item->setVisible(true);

// アイテムが視覚的に表示されているかどうかを確認する
bool isVisible = item->isVisible();
if (isVisible) {
    // アイテムが表示されている
} else {
    // アイテムが表示されていない
}

補足

  • QGraphicsItem::isVisible()は、アイテムが実際に描画されているかどうかを判定するものではありません。アイテムが視覚的に表示されているかどうかを判定するものです。
  • アイテムが視覚的に表示されているかどうかをより詳細に判定したい場合は、QGraphicsItem::isObscured()などのメソッドを使用する必要があります。

QGraphicsItem::isVisible()は、Qt Widgetsにおける2Dグラフィックスプログラミングにおいて、アイテムの視覚的な表示状態を判定するために重要なメソッドです。このメソッドを理解することで、アイテムの表示/非表示を制御し、より洗練されたグラフィカルアプリケーションを作成することができます。



Qt WidgetsにおけるQGraphicsItem::isVisible()のサンプルコード

QGraphicsItem* item = new QGraphicsItem();
scene->addItem(item);

// アイテムを表示する
item->setVisible(true);

// 2秒後にアイテムを非表示にする
QTimer::singleShot(2000, item, SLOT(setVisible(false)));

例2:アイテムがオクルードされているかどうかを確認

QGraphicsItem* item1 = new QGraphicsItem();
scene->addItem(item1);

QGraphicsItem* item2 = new QGraphicsItem();
item2->setPos(item1->pos());
scene->addItem(item2);

// item1が視覚的に表示されているかどうかを確認する
bool isVisible = item1->isVisible();
if (isVisible) {
    // item1が表示されている
} else {
    // item1がオクルードされている可能性がある
    if (item1->isObscured()) {
        // item1は別のアイテムによってオクルードされている
    } else {
        // item1が表示されていない原因はオクルージョンではない
    }
}

例3:アイテムの祖先アイテムが非表示になっている場合

QGraphicsItem* parentItem = new QGraphicsItem();
scene->addItem(parentItem);

QGraphicsItem* item = new QGraphicsItem();
parentItem->addChildItem(item);

// 親アイテムを非表示にする
parentItem->setVisible(false);

// アイテムが視覚的に表示されているかどうかを確認する
bool isVisible = item->isVisible();
if (isVisible) {
    // アイテムが表示されている
} else {
    // アイテムは親アイテムが非表示になっているため、表示されていない
}

例4:アイテムがシーン内に存在しない場合

QGraphicsItem* item = new QGraphicsItem();

// アイテムが視覚的に表示されているかどうかを確認する
bool isVisible = item->isVisible();
if (isVisible) {
    // アイテムが表示されている
} else {
    // アイテムはシーン内に存在しないため、表示されていない
}

補足

  • 上記のコードはあくまで例であり、状況に応じて適宜変更する必要があります。
  • QGraphicsItem::isVisible()以外にも、アイテムの表示状態を制御する方法はいくつかあります。詳細はQtドキュメントを参照してください。

QGraphicsItem::isVisible()は、Qt Widgetsにおける2Dグラフィックスプログラミングにおいて、アイテムの視覚的な表示状態を判定するために重要なメソッドです。このメソッドを理解することで、アイテムの表示/非表示を制御し、より洗練されたグラフィカルアプリケーションを作成することができます。



Qt WidgetsにおけるQGraphicsItem::isVisible()以外の方法

QGraphicsItem::isObscured()

QGraphicsItem::isObscured()は、アイテムが別のアイテムによってオクルードされているかどうかを判定しますQGraphicsItem::isVisible()とは異なり、アイテム自身がsetVisible(true)で設定されていても、オクルードされている場合はtrueを返します。

QGraphicsItem* item1 = new QGraphicsItem();
scene->addItem(item1);

QGraphicsItem* item2 = new QGraphicsItem();
item2->setPos(item1->pos());
scene->addItem(item2);

// item1がオクルードされているかどうかを確認する
bool isObscured = item1->isObscured();
if (isObscured) {
    // item1は別のアイテムによってオクルードされている
} else {
    // item1はオクルードされていない
}

QGraphicsItem::boundingRect().intersects(scene()->itemsBoundingRect())

QGraphicsItem::boundingRect().intersects(scene()->itemsBoundingRect())は、アイテムの境界矩形がシーン内のアイテムの境界矩形と交差しているかどうかを判定します。この方法は、アイテムの一部がシーン内に表示されているかどうかを判定する場合に有用です。

QGraphicsItem* item = new QGraphicsItem();
item->setPos(100, 100);
item->setRect(0, 0, 50, 50);
scene->addItem(item);

// アイテムの一部がシーン内に表示されているかどうかを確認する
QRectF boundingRect = item->boundingRect();
bool intersects = boundingRect.intersects(scene->itemsBoundingRect());
if (intersects) {
    // アイテムの一部がシーン内に表示されている
} else {
    // アイテムはシーン内に表示されていない
}

カスタムペイントイベントハンドラを使用する

QGraphicsItem::paint()メソッドをオーバーライドすることで、アイテムが描画されるかどうかを制御することができます。この方法は、より複雑な判定ロジックが必要な場合に有用です。

class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
    MyItem() {
        setRect(0, 0, 50, 50);
    }

protected:
    void paint(QPainter* painter) override {
        // アイテムを表示するかどうかを判定する
        bool visible = /* 判定ロジック */;

        if (visible) {
            // アイテムを描画する
            painter->setPen(Qt::black);
            painter->drawRect(boundingRect());
        }
    }
};

QGraphicsProxyWidgetは、Qtウィジェットを2Dグラフィックスシーン内に表示するためのクラスです。QGraphicsProxyWidgetを使用すると、isVisible()プロパティを使用してウィジェットの表示/非表示を制御することができます。

QWidget* widget = new QWidget();
widget->setFixedSize(50, 50);

QGraphicsProxyWidget* proxyWidget = new QGraphicsProxyWidget();
proxyWidget->setWidget(widget);
scene->addItem(proxyWidget);

// ウィジェットを表示する
proxyWidget->setVisible(true);

補足

  • 上記の方法以外にも、アイテムの視覚的な表示状態を判定する方法がいくつかあります。詳細はQtドキュメントを参照してください。
  • どの方法を使用するかは、状況に応じて選択する必要があります。

QGraphicsItem::isVisible()以外にも、Qt Widgetsでアイテムの視覚的な表示状態を判定する方法がいくつかあります。それぞれの方法の特徴を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することで、より柔軟なグラフィカルアプリケーションを作成することができます。




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