QGraphicsItemAnimation::item()以外の方法でアニメーション対象のアイテムを取得する

Qt WidgetsにおけるQGraphicsItemAnimation::item()

概要

• 宣言: QGraphicsItem *item() const
• 返値: アニメーション対象となるQGraphicsItemへのポインタ
• 使用例:
  • アニメーション対象のアイテムの属性を取得する
  • アニメーション対象のアイテムを操作する

詳細解説

アニメーション対象のアイテム取得

item() 関数は、アニメーションが適用されているQGraphicsItemを取得するために使用されます。この関数は、アニメーションの状態に関わらず、常に有効なQGraphicsItemへのポインタを返します。

例:

// アニメーション対象のアイテムを取得
QGraphicsItem *item = animation->item();

// アイテムの属性を取得
QPointF pos = item->pos();

// アイテムを操作
item->setPos(pos.x() + 10, pos.y() + 10);

アニメーション停止中のアイテム取得

アニメーションが停止している場合でも、item() 関数は有効なQGraphicsItemへのポインタを返します。これは、アニメーションが停止した後も、アイテムへのアクセスが必要になる場合があるためです。

例:

// アニメーション停止
animation->stop();

// アニメーション対象のアイテムを取得
QGraphicsItem *item = animation->item();

// アイテムを操作
item->setVisible(false);

アニメーション対象のアイテム変更

item() 関数は、アニメーションの対象となるアイテムを変更するために使用することもできます。ただし、アニメーションが実行中の場合は、アイテムを変更する前にアニメーションを停止する必要があります。

例:

// アニメーション停止
animation->stop();

// アニメーション対象のアイテムを変更
animation->setItem(new QGraphicsRectItem());

// アニメーション開始
animation->start();

その他

• item() 関数は、常に有効なQGraphicsItemへのポインタを返すため、NULLチェックを行う必要はありません。
• アニメーションが実行中の場合は、item() 関数によって返されるアイテムへのポインタは変更されないことを保証します。

Qt WidgetsにおけるQGraphicsItemAnimation::item()のサンプルコード

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // QGraphicsSceneを作成
    QGraphicsScene scene;

    // QGraphicsRectItemを作成
    QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100);
    scene.addItem(item);

    // QGraphicsItemAnimationを作成
    QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
    animation->setItem(item);

    // アニメーション設定
    animation->setTimeLine(new QTimeLine(1000));
    animation->setPosAt(0, QPointF(0, 0));
    animation->setPosAt(1, QPointF(100, 100));

    // アニメーション開始
    animation->start();

    // アニメーション実行中にアイテムの属性を取得
    QPointF pos = item->pos();

    // アニメーション停止
    animation->stop();

    return 0;
}

アニメーション停止中のアイテムを取得

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // QGraphicsSceneを作成
    QGraphicsScene scene;

    // QGraphicsRectItemを作成
    QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100);
    scene.addItem(item);

    // QGraphicsItemAnimationを作成
    QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
    animation->setItem(item);

    // アニメーション設定
    animation->setTimeLine(new QTimeLine(1000));
    animation->setPosAt(0, QPointF(0, 0));
    animation->setPosAt(1, QPointF(100, 100));

    // アニメーション開始
    animation->start();

    // アニメーション停止
    animation->stop();

    // アニメーション停止後にアイテムを取得
    QGraphicsItem *item2 = animation->item();

    return 0;
}

アニメーション対象のアイテム変更

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // QGraphicsSceneを作成
    QGraphicsScene scene;

    // QGraphicsRectItemを作成
    QGraphicsRectItem *item1 = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100);
    scene.addItem(item1);

    // QGraphicsEllipseItemを作成
    QGraphicsEllipseItem *item2 = new QGraphicsEllipseItem(0, 0, 100, 100);

    // QGraphicsItemAnimationを作成
    QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();

    // アニメーション設定
    animation->setTimeLine(new QTimeLine(1000));
    animation->setPosAt(0, QPointF(0, 0));
    animation->setPosAt(1, QPointF(100, 100));

    // アニメーション開始前にアイテムを設定
    animation->setItem(item1);
    animation->start();

    // アニメーション実行中にアイテムを変更
    animation->stop();
    animation->setItem(item2);
    animation->start();

    return 0;
}

その他

• 上記のサンプルコードは、Qt Widgets 5.15.2 で動作確認しています。
• サンプルコードは、Qt Creatorなどの開発環境で実行できます。

QGraphicsItemAnimation::item() 以外の方法

QGraphicsItem::animation()

QGraphicsItemクラスには、animation() という関数があります。この関数は、そのアイテムに適用されているすべてのアニメーションのリストを返します。

例:

// アニメーション対象のアイテムを取得
QGraphicsItem *item = animation->item();

// アイテムに適用されているすべてのアニメーションを取得
QList<QGraphicsItemAnimation *> animations = item->animation();

QGraphicsScene::items()

QGraphicsSceneクラスには、items() という関数があります。この関数は、シーン内のすべてのアイテムのリストを返します。

例:

// シーン内のすべてのアイテムを取得
QList<QGraphicsItem *> items = scene->items();

// アニメーション対象のアイテムを探す
for (QGraphicsItem *item : items) {
    if (item->animation() != nullptr) {
        // アニメーション対象のアイテムが見つかった
    }
}

QGraphicsItem::findChild()

QGraphicsItemクラスには、findChild() という関数があります。この関数は、指定された名前を持つ子アイテムを検索します。

例:

// アニメーションの名前
QString animationName = "myAnimation";

// アニメーション対象のアイテムを取得
QGraphicsItem *item = animation->item();

// アニメーションの名前を持つ子アイテムを探す
QGraphicsItem *childItem = item->findChild(animationName);

その他

上記以外にも、QGraphicsItem::parentItem() や QGraphicsItem::scene() などの関数を使用して、アニメーション対象となるアイテムを取得することができます。

• 多くの場合、item() 関数を使用するのが最も簡単です。
• アニメーションの名前が分かっている場合は、findChild() 関数を使用することができます。
• シーン内のすべてのアニメーションを処理する必要がある場合は、items() 関数を使用することができます。