Qt GUI プログラミング:QGuiApplication::primaryScreen でプライマリスクリーンを操作
Qt GUIにおけるQGuiApplication::primaryScreen解説
プライマリスクリーンは、複数のモニターを使用している場合でも、ユーザーが主に操作する画面を指します。多くの場合、これは最初に接続されたモニターであり、タスクバーやスタートメニューが表示されます。
QGuiApplication::primaryScreenは以下の役割を果たします。
- アプリケーションのメインウィンドウを表示する場所を提供します。
- 画面の解像度、色深度、リフレッシュレートなどの情報を提供します。
- マウスやキーボードなどの入力イベントを処理します。
- スクリーンセーバーや電源管理などのシステム機能と連携します。
QGuiApplication::primaryScreenは非常にシンプルな関数です。使い方は以下の通りです。
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = QGuiApplication::primaryScreen();
// 画面の解像度を取得
QSize size = screen->size();
// 色深度を取得
int depth = screen->depth();
// リフレッシュレートを取得
qreal refreshRate = screen->refreshRate();
コード例
以下のコードは、QGuiApplication::primaryScreenを使用して、プライマリスクリーンの情報を取得し、それをコンソールに出力する例です。
#include <QGuiApplication>
#include <QScreen>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = QGuiApplication::primaryScreen();
// 画面の情報をコンソールに出力
qDebug() << "解像度:" << screen->size();
qDebug() << "色深度:" << screen->depth();
qDebug() << "リフレッシュレート:" << screen->refreshRate();
return app.exec();
}
QGuiApplication::primaryScreenは、Qt GUIアプリケーションでプライマリスクリーンを取得するために使用される重要な関数です。この関数を使用して、画面の情報を取得したり、システム機能と連携したりすることができます。
QGuiApplication::primaryScreenを使ったサンプルコード
#include <QGuiApplication>
#include <QScreen>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = QGuiApplication::primaryScreen();
// 画面の情報をコンソールに出力
qDebug() << "解像度:" << screen->size();
qDebug() << "色深度:" << screen->depth();
qDebug() << "リフレッシュレート:" << screen->refreshRate();
return app.exec();
}
プライマリスクリーンにウィンドウを表示する
#include <QGuiApplication>
#include <QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = QGuiApplication::primaryScreen();
// ウィンドウを作成
QWidget window;
// ウィンドウをプライマリスクリーンに表示
window.showFullScreen(screen);
return app.exec();
}
マルチモニター環境で特定のモニターにウィンドウを表示する
#include <QGuiApplication>
#include <QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// 全てのモニターを取得
QList<QScreen *> screens = QGuiApplication::screens();
// 特定のモニターを選択 (例: 2番目のモニター)
QScreen *screen = screens[1];
// ウィンドウを作成
QWidget window;
// ウィンドウを選択したモニターに表示
window.showFullScreen(screen);
return app.exec();
}
スクリーンセーバーの開始/停止を制御する
#include <QGuiApplication>
#include <QScreenSaver>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = QGuiApplication::primaryScreen();
// スクリーンセーバーオブジェクトを取得
QScreenSaver *saver = screen->screenSaver();
// スクリーンセーバーを開始
saver->start();
// 5秒後にスクリーンセーバーを停止
QTimer::singleShot(5000, saver, SLOT(stop()));
return app.exec();
}
電源管理機能と連携する
#include <QGuiApplication>
#include <QPowerManager>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// 電源管理オブジェクトを取得
QPowerManager *powerManager = QPowerManager::instance();
// システムの電源状態を取得
QPowerManager::PowerState state = powerManager->powerState();
// システムをスリープ状態にする
powerManager->suspend();
return app.exec();
}
これらのサンプルコードは、QGuiApplication::primaryScreenを使用して、さまざまな操作を行う方法を示しています。これらのコードを参考に、ご自身のアプリケーション開発にご活用ください。
QGuiApplication::primaryScreen 以外の方法
QDesktopWidget::screen()
QDesktopWidget クラスは、デスクトップウィジェットに関する情報を提供します。screen() メソッドは、現在のデスクトップウィジェットに関連付けられたスクリーンを取得します。
#include <QDesktopWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// 現在のデスクトップウィジェットを取得
QDesktopWidget *desktop = QApplication::desktop();
// プライマリスクリーンを取得
QScreen *screen = desktop->screen();
// 画面の情報をコンソールに出力
qDebug() << "解像度:" << screen->size();
qDebug() << "色深度:" << screen->depth();
qDebug() << "リフレッシュレート:" << screen->refreshRate();
return app.exec();
}
QX11Info::primaryScreen()
QX11Info クラスは、X11 環境に関する情報を提供します。primaryScreen() メソッドは、プライマリスクリーンの XID を返します。
#include <QX11Info>
int main(int argc, char *argv[]) {
QGuiApplication app(argc, argv);
// プライマリスクリーンの XID を取得
QX11Info info;
int screen = info.primaryScreen();
// ...
return app.exec();
}
直接 Xlib を使用する
Xlib は、X Window System との低レベルなインターフェースを提供します。Xlib を使用して、プライマリスクリーンに関する情報を直接取得することができます。
#include <X11/Xlib.h>
int main(int argc, char *argv[]) {
// Xlib サーバーへの接続を開く
Display *display = XOpenDisplay(NULL);
// プライマリスクリーンを取得
int screen = DefaultScreen(display);
// ...
// Xlib サーバーへの接続を閉じる
XCloseDisplay(display);
return 0;
}
これらの方法は、QGuiApplication::primaryScreen よりも低レベルな方法でプライマリスクリーンに関する情報にアクセスする必要がある場合に役立ちます。
注意事項
- QX11Info クラスは、Qt 5 以降でのみ使用可能です。
- Xlib を直接使用するには、X Window System に関する深い知識が必要です。
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