QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed を徹底解説

Qt GUI の QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed について

デフォルトの動作

デフォルトでは、quitOnLastWindowClosed は true に設定されています。つまり、最後のウィンドウが閉じられると、アプリケーションも自動的に終了します。

quitOnLastWindowClosed を false に設定する

アプリケーションを最後のウィンドウが閉じられても終了させたくない場合は、quitOnLastWindowClosed を false に設定する必要があります。

コード例

#include <QGuiApplication>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QGuiApplication app(argc, argv);

  // quitOnLastWindowClosed を false に設定
  app.setQuitOnLastWindowClosed(false);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  return app.exec();
}

quitOnLastWindowClosed を false に設定する利点

• アプリケーションをバックグラウンドで実行し続けることができます。
• 最後のウィンドウを閉じた後に、ユーザーに確認メッセージを表示することができます。
• 最後のウィンドウを閉じた後に、アプリケーションの終了処理を実行することができます。

quitOnLastWindowClosed を false に設定する欠点

• ユーザーがアプリケーションを終了する方法が分かりにくくなる可能性があります。
• アプリケーションがメモリリークを起こしやすくなる可能性があります。

QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed を使ったサンプルコード

最後のウィンドウが閉じられた後に確認メッセージを表示する

#include <QGuiApplication>
#include <QMessageBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QGuiApplication app(argc, argv);

  // quitOnLastWindowClosed を false に設定
  app.setQuitOnLastWindowClosed(false);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  // 最後のウィンドウが閉じられたときに呼び出される
  QObject::connect(&app, &QGuiApplication::lastWindowClosed, [&]() {
    // 確認メッセージを表示
    int result = QMessageBox::question(nullptr, "確認", "アプリケーションを終了しますか？");

    // ユーザーが OK をクリックした場合にのみアプリケーションを終了
    if (result == QMessageBox::Ok) {
      app.quit();
    }
  });

  return app.exec();
}

最後のウィンドウが閉じられた後にアプリケーションの終了処理を実行する

#include <QGuiApplication>
#include <QTimer>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QGuiApplication app(argc, argv);

  // quitOnLastWindowClosed を false に設定
  app.setQuitOnLastWindowClosed(false);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  // 最後のウィンドウが閉じられたときに呼び出される
  QObject::connect(&app, &QGuiApplication::lastWindowClosed, [&]() {
    // 終了処理を実行
    // ...

    // 1秒後にアプリケーションを終了
    QTimer::singleShot(1000, &app, &QGuiApplication::quit);
  });

  return app.exec();
}

アプリケーションをバックグラウンドで実行し続ける

#include <QGuiApplication>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QGuiApplication app(argc, argv);

  // quitOnLastWindowClosed を false に設定
  app.setQuitOnLastWindowClosed(false);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  // アプリケーションをバックグラウンドで実行
  window.hide();

  return app.exec();
}

注意: これらのサンプルコードはあくまでも参考です。アプリケーションの要件に合わせて、コードを変更する必要があります。

QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed 以外の方法

QMainWindow::closeEvent() を使う

QMainWindow::closeEvent() は、メインウィンドウが閉じようとしているときに呼び出されるイベントハンドラです。このイベントハンドラの中で、アプリケーションの終了処理を実行することができます。

class MainWindow : public QMainWindow {
  Q_OBJECT

public:
  MainWindow() {}

protected:
  void closeEvent(QCloseEvent *event) override {
    // アプリケーションの終了処理を実行
    // ...

    // イベントを受け入れる
    event->accept();
  }
};

QApplication::exit() を使う

QApplication::exit() は、アプリケーションを強制終了します。

#include <QApplication>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  // 最後のウィンドウが閉じられたときにアプリケーションを終了
  QObject::connect(&app, &QGuiApplication::lastWindowClosed, &app, &QApplication::exit);

  return app.exec();
}

QTimer::singleShot() を使う

QTimer::singleShot() は、指定された時間後にスロットを呼び出します。

#include <QGuiApplication>
#include <QTimer>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QGuiApplication app(argc, argv);

  // quitOnLastWindowClosed を false に設定
  app.setQuitOnLastWindowClosed(false);

  // ウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.show();

  // 最後のウィンドウが閉じられたときに呼び出される
  QObject::connect(&app, &QGuiApplication::lastWindowClosed, [&]() {
    // 1秒後にアプリケーションを終了
    QTimer::singleShot(1000, &app, &QGuiApplication::quit);
  });

  return app.exec();
}

これらの方法は、QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed よりも柔軟な方法でアプリケーションの終了を制御することができます。

どの方法を使うべきかは、アプリケーションの要件によって異なります。

• 最後のウィンドウが閉じられたときにアプリケーションを終了したい場合は、QGuiApplication::quitOnLastWindowClosed を使うのが最も簡単です。
• 最後のウィンドウが閉じられた後に処理を実行したい場合は、QMainWindow::closeEvent() または QTimer::singleShot() を使う必要があります。
• アプリケーションを強制終了したい場合は、QApplication::exit() を使うことができます。