Qt GUI で QPageSize::sizePoints() 関数以外の方法でページサイズを取得する
Qt GUI の QPageSize::sizePoints() 関数解説
ポイントとピクセルの違い
Qt では、画面上の寸法を表現するために、ポイントとピクセルという二つの単位が使用されます。ポイントは論理的な単位であり、デバイスの解像度に依存せずに一定のサイズを保ちます。一方、ピクセルは物理的な単位であり、デバイスの解像度によってサイズが変わります。
QPageSize::sizePoints() 関数は、以下の引数を受け取ります。
- size: QPageSize 型の変数。取得したいページサイズを指定します。
この関数は、指定されたページサイズにおける 幅 と 高さ をポイント単位で返します。返される値は QSize 型の変数で格納されます。
QPageSize::sizePoints() 関数の例
// A4サイズの寸法を取得
QPageSize pageSize = QPageSize::A4;
QSize sizePoints = pageSize.sizePoints();
// 幅と高さをそれぞれ出力
qDebug() << "幅:" << sizePoints.width() << "ポイント";
qDebug() << "高さ:" << sizePoints.height() << "ポイント";
上記のコードは、A4サイズの幅と高さをポイント単位で出力します。出力結果は、以下のようになります。
幅: 595 ポイント
高さ: 842 ポイント
その他の QPageSize クラスの関数
QPageSize クラスには、sizePoints() 関数以外にも、さまざまな関数が用意されています。以下に、代表的な関数を紹介します。
- size(): ページサイズをピクセル単位で取得します。
- isEquivalentTo(): 2つのページサイズが等価かどうかを比較します。
- isValid(): ページサイズが有効かどうかを判断します。
これらの関数は、さまざまな場面で役立ちます。詳細は、Qt ドキュメントの QPageSize クラス: https://doc.qt.io/qt-5/qpagesize.html を参照してください。
QPageSize::sizePoints() 関数は、Qt GUI フレームワークにおける重要な機能の一つであり、特定のページサイズにおけるポイント単位の寸法を取得するために使用されます。この関数は、印刷やプレビューなど、さまざまな場面で役立ちます。
QPageSize::sizePoints() 関数のサンプルコード
用紙サイズと余白の設定
// 用紙サイズをA4に設定
QPageSize pageSize = QPageSize::A4;
// 印刷時に使用するプリンターを取得
QPrinter printer;
// プリンターの余白を設定
printer.setMargins(15, 15, 15, 15);
// ページサイズをプリンターに設定
printer.setPageSize(pageSize);
ページサイズに基づいて描画領域を設定
// ウィジェットのサイズを取得
QSize widgetSize = this->size();
// ページサイズに基づいて描画領域を設定
QRectF drawRect(0, 0, pageSize.widthPoints(), pageSize.heightPoints());
// 描画領域をウィジェットの中央に配置
drawRect.moveCenter(widgetSize.center());
// 描画処理を行う
...
複数のページに分割して印刷
// 印刷ドキュメントを作成
QPrintDocument document;
// 印刷ドキュメントにページを追加
for (int i = 0; i < numPages; ++i) {
// 新しいページを作成
QPage page;
// ページサイズを設定
page.setPageSize(pageSize);
// ページに描画処理を行う
...
// ページをドキュメントに追加
document.addPage(page);
}
// 印刷を実行
document.print(&printer);
ページ番号の表示
// ページ番号を描画する関数
void drawPageNumber(QPainter &painter, int pageNumber) {
// ページ番号の文字列を作成
QString pageNumberStr = QString::number(pageNumber);
// ページ番号を描画
painter.drawText(QRectF(0, 0, pageSize.widthPoints(), pageSize.heightPoints()), Qt::AlignRight, pageNumberStr);
}
// 各ページの描画処理でページ番号を描画
for (int i = 0; i < numPages; ++i) {
// ...
// ページ番号を描画
drawPageNumber(painter, i + 1);
}
詳細については、Qt ドキュメントの QPageSize クラス: https://doc.qt.io/qt-5/qpagesize.html を参照してください。
補足
- 上記のサンプルコードは、Qt 5.15 をベースにしています。
- コード中の "..." は、具体的な処理内容によって置き換えてください。
QPageSize::sizePoints() 関数以外の方法
QPrinter クラスは、印刷機能を提供するクラスです。このクラスには、以下の関数があります。
- paperSize(): 設定されている用紙サイズを取得します。
- logicalDpiX(): 印刷時の論理的な DPI を取得します。
これらの関数を組み合わせることで、特定のページサイズにおける寸法を取得することができます。
// 用紙サイズを取得
QPageSize pageSize = printer.paperSize();
// 印刷時の論理的な DPI を取得
int dpiX = printer.logicalDpiX();
int dpiY = printer.logicalDpiY();
// ポイント単位の寸法を取得
double widthPoints = pageSize.width() * dpiX / 72.0;
double heightPoints = pageSize.height() * dpiY / 72.0;
QRectF クラスを使用する
QRectF クラスは、矩形を表すクラスです。このクラスには、以下の関数があります。
- fromPageSize(): 指定されたページサイズに基づいて矩形を作成します。
この関数を使用して、特定のページサイズにおける矩形を作成することができます。
// A4サイズの矩形を作成
QRectF rect = QRectF::fromPageSize(QPageSize::A4);
// 幅と高さをそれぞれ出力
qDebug() << "幅:" << rect.width() << "ポイント";
qDebug() << "高さ:" << rect.height() << "ポイント";
自身のコードで計算する
特定のページサイズにおける寸法を、自身のコードで計算することも可能です。
// A4サイズの寸法を計算
double widthPoints = 595.0;
double heightPoints = 842.0;
// 幅と高さをそれぞれ出力
qDebug() << "幅:" << widthPoints << "ポイント";
qDebug() << "高さ:" << heightPoints << "ポイント";
どの方法を使用するべきかは、開発するアプリケーションや状況によって異なります。
- 汎用性の高い方法を求めている場合は、QPageSize::sizePoints() 関数を使用するのがおすすめです。
- 印刷時の DPI を考慮したい場合は、QPrinter クラスを使用する必要があります。
- 特定のページサイズのみを扱う場合は、自身のコードで計算するのが最も効率的な方法です。
QPageSize::sizePoints() 関数以外にも、特定のページサイズにおける寸法を取得する方法はいくつかあります。どの方法を使用するべきかは、開発するアプリケーションや状況によって異なります。
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