スクロールバーの動きも思いのまま!QScrollerProperties::QScrollerProperties()でQt Widgetsのスクロールをカスタマイズ

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::QScrollerProperties()

このコンストラクタは、以下の役割を果たします。

  • スクロール動作のパラメータを初期化します。
  • デフォルトのパラメータ値を設定します。

コンストラクタの詳細

**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**には、以下の引数があります。

  • other: コピー元のQScrollerPropertiesオブジェクト。省略可能です。

otherが指定された場合は、otherのパラメータ値をコピーして、新しいQScrollerPropertiesオブジェクトを作成します。otherが省略された場合は、デフォルトのパラメータ値で新しいQScrollerPropertiesオブジェクトを作成します。

デフォルトのパラメータ値

以下の表は、**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**で設定されるデフォルトのパラメータ値です。

パラメータ説明デフォルト値
scrollingスクロール機能の有効/無効有効
overshootPolicy慣性スクロール時のオーバーシュートの制御OvershootAlways
scrollMetricスクロール量の計算方法ScrollMetric::PixelMetric
dragStartDistanceドラッグ開始判定の閾値0
dragVelocityドラッグ判定の速度閾値0
bounceEffectバウンス効果の有効/無効無効
minimumVelocity慣性スクロール開始に必要な最低速度0
maximumVelocity慣性スクロールの最大速度無制限
deceleration慣性スクロールの減速率0.99
targetDt慣性スクロールのタイムステップ16

これらのパラメータ値は、QScrollerPropertiesオブジェクトのsetterメソッドを使用して変更することができます。

使用例

以下のコードは、**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**を使用して、スクロール動作のパラメータを設定する例です。

// QScrollerPropertiesオブジェクトを作成
QScrollerProperties props;

// スクロール機能を無効にする
props.setScrolling(false);

// 慣性スクロール時のオーバーシュートを無効にする
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootNever);

// スクロール量の計算方法をピクセル単位に変更
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::PixelMetric);

// ドラッグ開始判定の閾値を10ピクセルに変更
props.setDragStartDistance(10);

// ...

// QScrollerオブジェクトに設定を適用
QScroller scroller(widget);
scroller.setScrollerProperties(props);

**QScrollerProperties::QScrollerProperties()**は、Qt Widgetsにおけるスクロール動作を制御するための重要なコンストラクタです。このコンストラクタを使用して、スクロール動作のパラメータを設定することで、ユーザーインターフェースの使い勝手を向上させることができます。



Qt WidgetsにおけるQScrollerProperties::QScrollerProperties()のサンプルコード

スクロール機能の有効/無効

// スクロール機能を有効にする
QScrollerProperties props;
props.setScrolling(true);

// スクロール機能を無効にする
QScrollerProperties props;
props.setScrolling(false);

慣性スクロール時のオーバーシュートの制御

// 慣性スクロール時のオーバーシュートを常に許可する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootAlways);

// 慣性スクロール時のオーバーシュートを常に禁止する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootNever);

// 慣性スクロール時のオーバーシュートを弾性的に制御する
QScrollerProperties props;
props.setOvershootPolicy(QScrollerProperties::OvershootIfAllowed);

スクロール量の計算方法

// スクロール量をピクセル単位で計算する
QScrollerProperties props;
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::PixelMetric);

// スクロール量をコンテンツサイズに基づいて計算する
QScrollerProperties props;
props.setScrollMetric(QScrollerProperties::ScrollMetric::ContentMetric);

ドラッグ開始判定の閾値

// ドラッグ開始判定の閾値を10ピクセルに設定する
QScrollerProperties props;
props.setDragStartDistance(10);

ドラッグ判定の速度閾値

// ドラッグ判定の速度閾値を10ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setDragVelocity(10);

バウンス効果

// バウンス効果を有効にする
QScrollerProperties props;
props.setBounceEffect(true);

// バウンス効果を無効にする
QScrollerProperties props;
props.setBounceEffect(false);

慣性スクロールの開始に必要な最低速度

// 慣性スクロールの開始に必要な最低速度を10ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setMinimumVelocity(10);

慣性スクロールの最大速度

// 慣性スクロールの最大速度を200ピクセル/秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setMaximumVelocity(200);

慣性スクロールの減速率

// 慣性スクロールの減速率を0.95に設定する
QScrollerProperties props;
props.setDeceleration(0.95);

慣性スクロールのタイムステップ

// 慣性スクロールのタイムステップを16ミリ秒に設定する
QScrollerProperties props;
props.setTargetDt(16);

QScrollerオブジェクトへの設定

// QScrollerPropertiesオブジェクトを作成
QScrollerProperties props;

// スクロール機能を有効にする
props.setScrolling(true);

// ...

// QScrollerオブジェクトに設定を適用
QScroller scroller(widget);
scroller.setScrollerProperties(props);


QScrollerProperties::QScrollerProperties() 以外の方法

QScroller::setScrollParameters()

QScroller::setScrollParameters() メソッドを使用して、スクロール動作のパラメータを設定することができます。この方法は、QScrollerProperties::QScrollerProperties() よりも細かい制御が可能です。

// QScrollerオブジェクトを作成
QScroller scroller(widget);

// スクロール速度を設定
scroller.setScrollParameters(QScroller::Speed, 100);

// 慣性スクロールの減速率を設定
scroller.setScrollParameters(QScroller::Deceleration, 0.95);

// ...

QAbstractScrollArea::setScrollMode()

QAbstractScrollArea::setScrollMode() メソッドを使用して、スクロールの方向を設定することができます。

// QAbstractScrollAreaオブジェクトを作成
QAbstractScrollArea scrollArea;

// 水平方向のみスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::Horizontal);

// 垂直方向のみスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::Vertical);

// 垂直方向と水平方向の両方をスクロール可能にする
scrollArea.setScrollMode(Qt::ScrollPerPixel);

QScrollBar::setValue()

QScrollBar::setValue() メソッドを使用して、スクロールバーの位置を設定することができます。

// QScrollBarオブジェクトを作成
QScrollBar scrollBar;

// スクロールバーの位置を100に設定する
scrollBar.setValue(100);

QMouseEvent::wheelEvent()

QMouseEvent::wheelEvent() イベントを処理して、マウスホイールによるスクロールを実装することができます。

void MyClass::wheelEvent(QMouseEvent *event)
{
    // マウスホイールの回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // スクロールバーの位置を更新
    scrollBar->setValue(scrollBar->value() + delta);
}

これらの方法を組み合わせることで、より複雑なスクロール動作を実現することができます。




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