Qt WidgetsにおけるQTableWidget::closePersistentEditor()の分かりやすい解説
Qt WidgetsにおけるQTableWidget::closePersistentEditor()解説
QTableWidget::closePersistentEditor()
は、Qt WidgetsフレームワークのQTableWidget
クラスで使用される関数です。この関数は、現在編集中のセルに関連付けられた永続エディタを閉じます。永続エディタとは、セルが編集されている間、常に表示されるエディタのことです。
関数宣言
void QTableWidget::closePersistentEditor(int row = -1, int column = -1);
引数
row
(省略可能): 永続エディタを閉じるセルの行番号。デフォルト値は-1で、この場合、現在編集中のセルが閉じられます。column
(省略可能): 永続エディタを閉じるセルの列番号。デフォルト値は-1で、この場合、row
で指定された行のすべての永続エディタが閉じられます。
戻り値
なし
使用例
// セル(0, 0)の永続エディタを閉じる
table->closePersistentEditor(0, 0);
// 現在編集中のセル(行、列は問わない)の永続エディタを閉じる
table->closePersistentEditor();
// 行0のすべての永続エディタを閉じる
table->closePersistentEditor(0, -1);
補足
closePersistentEditor()
は、QWidget::close()
イベントによって永続エディタが自動的に閉じられない場合に使用されます。closePersistentEditor()
は、QAbstractItemView::editKeyPressed()
イベントによって永続エディタが開始された場合でも、永続エディタを閉じることができます。- 永続エディタを閉じる前に、エディタ内のデータが保存されていることを確認する必要があります。
QTableWidget::closePersistentEditor() 関数のサンプルコード
サンプル 1: セル(0, 0)の永続エディタを閉じる
QTableWidget table;
// セル(0, 0)に永続エディタを表示
table.editItem(table.item(0, 0));
// セル(0, 0)の永続エディタを閉じる
table.closePersistentEditor(0, 0);
サンプル 2: 現在編集中のセル(行、列は問わない)の永続エディタを閉じる
QTableWidget table;
// セル(1, 2)を編集開始
table.editItem(table.item(1, 2));
// 現在編集中のセル(行、列は問わない)の永続エディタを閉じる
table.closePersistentEditor();
サンプル 3: 行0のすべての永続エディタを閉じる
QTableWidget table;
// セル(0, 0)とセル(0, 1)に永続エディタを表示
table.editItem(table.item(0, 0));
table.editItem(table.item(0, 1));
// 行0のすべての永続エディタを閉じる
table.closePersistentEditor(0, -1);
サンプル 4: 永続エディタを閉じる前にデータの保存を確認する
QTableWidget table;
// セル(0, 0)を編集開始
table.editItem(table.item(0, 0));
// エディタ内のデータを取得
QString data = table.item(0, 0)->text();
// データが保存されていない場合は警告を表示
if (!data.isEmpty()) {
QMessageBox::warning(this, "警告", "データが保存されていません。");
return;
}
// セル(0, 0)の永続エディタを閉じる
table.closePersistentEditor(0, 0);
QTableWidget::closePersistentEditor() 関数の代替方法
QWidget::close() イベントを使用する
永続エディタは、QWidget
クラスのサブクラスであるため、QWidget::close()
イベントを使用して閉じることできます。
// セル(0, 0)の永続エディタを取得
QWidget *editor = table->item(0, 0)->widget();
// エディタを閉じる
editor->close();
QAbstractItemView::editKeyPressed()
イベントは、編集キーが押されたときに発生します。このイベントハンドラ内で、closePersistentEditor()
関数を呼び出すことで、永続エディタを閉じることができます。
void QTableWidget::keyPressEvent(QKeyEvent *event)
{
if (event->key() == Qt::Key_Enter) {
// 編集キーが押された
closePersistentEditor();
} else {
// 他のキー処理
}
}
QTableWidget::setItemDelegate()
関数を使用して、カスタムアイテムデリゲートを設定することができます。カスタムアイテムデリゲート内で、closePersistentEditor()
関数を呼び出すことで、永続エディタを閉じることができます。
class MyItemDelegate : public QItemDelegate
{
public:
void closeEditor(QWidget *editor, QAbstractItemDelegate::EndEditHint hint) override
{
// 永続エディタを閉じる
QTableWidget *table = qobject_cast<QTableWidget *>(editor->parent());
table->closePersistentEditor();
// 他の処理
}
};
// カスタムアイテムデリゲートを設定
table->setItemDelegate(new MyItemDelegate());
これらの方法は、QTableWidget::closePersistentEditor()
関数よりも柔軟性がありますが、より複雑な場合もあります。
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