Qt WidgetsにおけるQWidget::releaseShortcut()徹底解説
Qt WidgetsにおけるQWidget::releaseShortcut()解説
QWidget::releaseShortcut()関数は、ウィジェットが使用しているショートカットキーを解放します。これは、ウィジェットが破棄されたり、もうショートカットキーを使用しなくなった場合に必要です。
使用例
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// ショートカットキーの設定
widget.setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
// ...
// ショートカットキーの解放
widget.releaseShortcut();
引数
この関数は引数を取らず、現在のウィジェットが使用しているすべてのショートカットキーを解放します。
戻り値
この関数は何も返しません。
注意点
- QWidget::releaseShortcut()は、ウィジェットがまだ表示されている場合でも、ショートカットキーを解放します。
- ウィジェットが別のウィジェットに属している場合、その親ウィジェットもショートカットキーを使用している可能性があります。その場合は、親ウィジェットの
releaseShortcut()
も呼び出す必要があります。 - ショートカットキーを解放した後、そのキーは他のウィジェットで使用可能になります。
補足
- QWidget::releaseShortcut()は、Qt 5.0以降で使用できます。
- Qt 4.xでは、
QWidget::removeShortcut()
という同様の関数がありました。
- QWidget::releaseShortcut()以外にも、ショートカットキーを管理する方法はいくつかあります。詳細は、Qt Widgetsドキュメントの「ショートカットキー」の章を参照してください。
- 回答は分かりやすく丁寧に行うよう努めております。
- より詳細な情報が必要な場合は、参考資料を参照してください。
QWidget::releaseShortcut() のサンプルコード
ショートカットキーを設定して解放する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// ショートカットキーの設定
widget.setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
// ...
// ショートカットキーの解放
widget.releaseShortcut();
return app.exec();
}
ウィジェット破棄時にショートカットキーを解放する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
class MyWidget : public QWidget {
Q_OBJECT
public:
MyWidget() {
// ショートカットキーの設定
setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_B);
}
~MyWidget() override {
// ショートカットキーの解放
releaseShortcut();
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
MyWidget widget;
// ...
// ウィジェット破棄
widget.close();
return app.exec();
}
親ウィジェットのショートカットキーも解放する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
class MyWidget : public QWidget {
Q_OBJECT
public:
MyWidget() {
// ショートカットキーの設定
setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_C);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 親ウィジェット作成
QWidget parentWidget;
// 子ウィジェット作成
MyWidget childWidget;
// 子ウィジェットを親ウィジェットに追加
parentWidget.layout()->addWidget(&childWidget);
// ...
// 子ウィジェット破棄
childWidget.close();
// 親ウィジェットのショートカットキーも解放
parentWidget.releaseShortcut();
return app.exec();
}
複数のショートカットキーを設定して解放する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// 複数のショートカットキーの設定
widget.setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
widget.setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_B);
// ...
// ショートカットキーの解放
widget.releaseShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
widget.releaseShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_B);
return app.exec();
}
- 上記のコードはあくまでもサンプルです。実際の使用例に合わせてコードを変更してください。
- ショートカットキーの設定方法や解放方法は、Qt Widgetsドキュメントを参照してください。
QWidget::releaseShortcut() 以外のショートカットキーの管理方法
QShortcut クラスは、ショートカットキーを管理するための専用クラスです。 QWidget::releaseShortcut()よりも柔軟な設定が可能で、複数のウィジェットに同じショートカットキーを設定したり、コンテキストに応じたショートカットキーを設定したりすることができます。
例:
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QShortcut>
#include <QtWidgets/QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// ショートカットキーの設定
QShortcut *shortcut = new QShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A, &widget);
QObject::connect(shortcut, &QShortcut::activated, []() {
// ショートカットキーが押された時の処理
});
// ...
// ショートカットキーの解放
delete shortcut;
return app.exec();
}
QAction クラスを使用する
QAction クラスは、メニュー項目やツールバーボタンなどのアクションを表すクラスです。ショートカットキーを設定するだけでなく、アイコンやテキストを設定することもできます。
例:
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QAction>
#include <QtWidgets/QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// アクションの作成
QAction *action = new QAction(&widget);
action->setText("Ctrl+A");
action->setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
QObject::connect(action, &QAction::triggered, []() {
// ショートカットキーが押された時の処理
});
// ...
// アクションの破棄
delete action;
return app.exec();
}
Qt::KeySequence 型を使用して、ショートカットキーを直接設定することもできます。ただし、この方法は他の方法よりも複雑で、初心者にはおすすめできません。
例:
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QWidget widget;
// ショートカットキーの設定
widget.setShortcut(Qt::Key_Ctrl | Qt::Key_A);
// ...
// ショートカットキーの解除
widget.setShortcut(Qt::KeySequence());
return app.exec();
}
どの方法を使用するべきかは、要件によって異なります。以下は、それぞれの方法のメリットとデメリットです。
QWidget::releaseShortcut()
メリット:
- シンプルで使いやすい
デメリット:
- 柔軟性に欠ける
- 複数のウィジェットに同じショートカットキーを設定できない
QShortcut クラス
メリット:
- 柔軟性に富んでいる
- コンテキストに応じたショートカットキーを設定できる
デメリット:
- QWidget::releaseShortcut()よりも複雑
QAction クラス
メリット:
- ショートカットキーだけでなく、アイコンやテキストも設定できる
デメリット:
- QShortcut クラスよりも複雑
Qt::KeySequence を直接使用する
メリット:
- 最も細かい制御が可能
デメリット:
- 複雑で初心者にはおすすめできない
一般的には、QWidget::releaseShortcut() で十分な場合が多いです。しかし、より柔軟な設定が必要な場合は、QShortcut クラス や QAction クラス を使用することを検討してください。
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