Qt WidgetsでqDrawWinButton()を使ってWindows風のボタンを描画する方法

Qt WidgetsにおけるqDrawWinButton()関数

qDrawWinButton()関数は、Qt WidgetsフレームワークにおけるWindows風のボタンを描画するための関数です。この関数は、ボタンの状態やスタイルに応じて、適切なボタン画像を描画します。

引数

• paintDevice: 描画対象となるデバイス。通常は、ウィジェットのpaintEvent()イベントハンドラ内で渡されるQPainterオブジェクトです。
• rect: ボタンを描画する矩形領域。
• buttonState: ボタンの状態を表すフラグ。以下の値を組み合わせることができます。
  • Qt::Flat: ボタンを平坦なスタイルで描画します。
  • Qt::Raised: ボタンを立体的に描画します。
  • Qt::Sunken: ボタンを押下されたように描画します。
  • Qt::DownArrow: ボタンに下向き矢印を描画します。
• textAlignment: ボタン内のテキストの配置を表すフラグ。以下の値を指定できます。
  • Qt::AlignLeft: テキストを左側に配置します。
  • Qt::AlignHCenter: テキストを水平方向に中央に配置します。
• text: ボタン内に表示するテキスト。

戻り値

なし

コード例

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text);
}

補足

• qDrawWinButton()関数は、Windows風のボタンを描画する関数です。他のプラットフォームでは、異なるスタイルのボタンを描画する関数を使用する必要があります。
• ボタンのスタイルは、Qt::ButtonStyle型を使用して設定できます。
• ボタンの画像をカスタマイズしたい場合は、qDrawWinButton()関数ではなく、QStyleクラスのdrawControl()メソッドを使用する必要があります。

Qt WidgetsにおけるqDrawWinButton()関数のサンプルコード

基本的なボタン

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text);
}

立体的なボタン

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Raised;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text);
}

下向き矢印付きボタン

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised | Qt::DownArrow;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text);
}

左揃えボタン

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignLeft;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text);
}

画像付きボタン

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);

  // ボタンを描画する矩形領域
  QRect rect(10, 10, 100, 30);

  // ボタンの状態
  Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised;

  // ボタン内のテキストの配置
  Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

  // ボタンのテキスト
  QString text = "ボタン";

  // ボタン画像
  QPixmap pixmap("image.png");

  // ボタンを描画
  qDrawWinButton(&painter, rect, buttonState, textAlignment, text, pixmap);
}

Qt Widgetsでボタンを描画する他の方法

QPushButtonを使う

概要

QPushButtonクラスは、Qt Widgetsフレームワークで提供されているボタンウィジェットです。このクラスを使用すると、さまざまなスタイルのボタンを簡単に作成することができます。

コード例

QPushButton *button = new QPushButton("ボタン", this);

// ボタンのサイズを設定
button->resize(100, 30);

// ボタンを表示
button->show();

補足

• QPushButtonクラスには、さまざまなスタイルを設定するプロパティが用意されています。
• ボタンに画像を設定することもできます。
• ボタンをクリックしたときの処理を、clicked()シグナルに接続して実装することができます。

QStyle::drawControl()を使う

概要

QStyleクラスのdrawControl()メソッドは、さまざまなウィジェットを描画するための関数です。この関数をを使用すると、ボタンを含むさまざまなウィジェットをカスタマイズすることができます。

コード例

QPainter painter(this);

// ボタンを描画する矩形領域
QRect rect(10, 10, 100, 30);

// ボタンの状態
Qt::ButtonState buttonState = Qt::Flat | Qt::Raised;

// ボタン内のテキストの配置
Qt::Alignment textAlignment = Qt::AlignCenter;

// ボタンのテキスト
QString text = "ボタン";

// ボタンを描画
painter.drawControl(QStyle::CT_PushButton, rect, buttonState, textAlignment, text);

補足

• QStyle::drawControl()メソッドは、さまざまなオプションを受け取り、ボタンの外観を細かくカスタマイズすることができます。
• この方法は、より高度なカスタマイズが必要な場合に役立ちます。

カスタムウィジェットを使う

概要

上記の方法で満足できない場合は、カスタムウィジェットを作成して、ボタンを描画することができます。この方法は、最も自由度の高い方法ですが、最も複雑な方法でもあります。

コード例

class MyButton : public QWidget {
  public:
    MyButton(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
      // ボタンの初期化
    }

  protected:
    void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
      // ボタンを描画
    }
};

// ...

MyButton *button = new MyButton(this);

// ボタンのサイズを設定
button->resize(100, 30);

// ボタンを表示
button->show();

補足

• カスタムウィジェットを作成するには、QWidgetクラスを継承する必要があります。
• paintEvent()イベントハンドラをオーバーライドして、ボタンを描画するコードを実装する必要があります。

Qt Widgetsでボタンを描画するには、いくつかの方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、目的に合った方法を選択する必要があります。

• 簡単なボタンを作成したい場合は、QPushButtonクラスを使用するのがおすすめです。
• より高度なカスタマイズが必要な場合は、QStyle::drawControl()メソッドを使用することができます。
• 最も自由度の高い方法を求める場合は、カスタムウィジェットを作成することができます。