C++11/14/17/20/23をCMakeで使う!各標準のサンプルコード付き
CMakeにおけるCMAKE_CXX_STANDARD変数の詳細解説
CMakeのCMAKE_CXX_STANDARD
変数は、プロジェクトで使用されるC++言語の標準規格を指定するために使用されます。これは、コンパイラにどの言語機能が利用可能であるかを伝える重要な役割を果たします。
設定方法
CMAKE_CXX_STANDARD
変数は、以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txtファイル内で直接設定する。
cmake
コマンドラインオプションで設定する。- GUIベースのCMakeツールで設定する。
例
# CMakeLists.txtファイル内で設定する
set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)
# cmakeコマンドラインオプションで設定する
cmake -DCMAKE_CXX_STANDARD=17 ..
# GUIベースのCMakeツールで設定する
# ツールによって設定方法は異なるため、ドキュメントを参照してください。
利用可能な値
CMAKE_CXX_STANDARD
変数には、以下の値を設定できます。
98
: C++9811
: C++1114
: C++1417
: C++1720
: C++2023
: C++23
注意事項
- 設定する値は、コンパイラがサポートしている必要があります。
- 設定した値がコンパイラでサポートされていない場合、ビルドエラーが発生する可能性があります。
- プロジェクト全体で統一されたC++言語標準を使用することを推奨します。
補足
CMAKE_CXX_STANDARD
変数以外にも、C++言語の機能を制御するための変数がいくつか用意されています。詳細は、CMakeドキュメントを参照してください。- C++言語標準は定期的に更新されています。最新の情報を確認するようにしてください。
この解説が、CMakeにおけるCMAKE_CXX_STANDARD変数の理解に役立てば幸いです。
CMAKE_CXX_STANDARD を使ったサンプルコード
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_CXX_STANDARD 11)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_worldstdc++fs)
# main.cppファイル
#include <iostream>
#include <filesystem>
int main() {
std::filesystem::path path = "/tmp/hello_world";
if (std::filesystem::exists(path)) {
std::cout << "The path " << path << " exists." << std::endl;
} else {
std::cout << "The path " << path << " does not exist." << std::endl;
}
return 0;
}
C++14の機能を使用するサンプルコード
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_CXX_STANDARD 14)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_worldstdc++fs)
# main.cppファイル
#include <iostream>
#include <filesystem>
int main() {
std::filesystem::path path = "/tmp/hello_world";
if (std::filesystem::exists(path)) {
std::cout << "The path " << path << " exists." << std::endl;
} else {
std::cout << "The path " << path << " does not exist." << std::endl;
}
// C++14のラムダ式を使用
std::for_each(std::filesystem::directory_iterator(path),
[](const std::filesystem::directory_entry& entry) {
std::cout << entry.path() << std::endl;
});
return 0;
}
C++17の機能を使用するサンプルコード
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_CXX_STANDARD 17)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_worldstdc++fs)
# main.cppファイル
#include <iostream>
#include <filesystem>
int main() {
std::filesystem::path path = "/tmp/hello_world";
if (std::filesystem::exists(path)) {
std::cout << "The path " << path << " exists." << std::endl;
} else {
std::cout << "The path " << path << " does not exist." << std::endl;
}
// C++17のstd::filesystem::copy_ifを使用
std::filesystem::copy_if(std::filesystem::directory_iterator(path),
std::filesystem::directory_iterator(),
[](const std::filesystem::directory_entry& entry) {
return entry.is_regular_file();
},
"/tmp/destination");
return 0;
}
C++20の機能を使用するサンプルコード
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_CXX_STANDARD 20)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_worldstdc++fs)
# main.cppファイル
#include <iostream>
#include <filesystem>
int main() {
std::filesystem::path path = "/tmp/hello_world";
if (std::filesystem::exists(path)) {
std::cout << "The path " << path << " exists." << std::endl;
} else {
std::cout << "The path " << path << " does not exist." << std::endl;
}
// C++20のranges::for_eachを使用
ranges::for_each(std::filesystem::directory_iterator(path),
[](const std::filesystem::directory_entry& entry) {
std::cout << entry.path() << std::endl;
});
return 0;
}
C++23の機能を使用するサンプルコード
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_CXX_STANDARD 23)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_worldstdc++fs)
# main.cppファイル
#include <iostream>
#include <filesystem>
int main() {
std::filesystem::path path = "/tmp/hello_world";
if
CMAKE_CXX_STANDARD を設定するその他の方法
- cmake コマンドラインオプション
cmake -DCMAKE_CXX_STANDARD=17 ..
-
GUI ベースの CMake ツール
- CMake GUI
- CLion
- Qt Creator
各方法の詳細
-
cmake コマンドラインオプション
cmake
コマンドを実行する際に、-DCMAKE_CXX_STANDARD
オプションを指定することで、CMAKE_CXX_STANDARD
変数を設定できます。cmake -DCMAKE_CXX_STANDARD=17 ..
このオプションは、CMakeLists.txtファイルよりも優先されます。
-
GUI ベースの CMake ツールを使用する場合は、ツールによって設定方法は異なります。詳細は、ツールのドキュメントを参照してください。
注意事項
- 設定方法は、使用している CMake のバージョンや環境によって異なる場合があります。
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