CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング
CMake の if() コマンドについて
構文
if(<condition>)
# 条件が真の場合に実行される命令
...
endif()
条件式
if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。
- 変数の比較:
<variable> <operator> <value>
- コマンドの存在チェック:
COMMAND <command-name>
- ポリシーの確認:
POLICY <policy-id>
例
# 生成するバイナリの種類を判定
if(MSVC)
# Windows 用のバイナリを生成
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /MT")
else()
# Unix 系用のバイナリを生成
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -pthread")
endif()
# ライブラリの存在をチェック
if(EXISTS ${LIBRARY_A})
# ライブラリ A が存在する場合
target_link_libraries(my_target PUBLIC ${LIBRARY_A})
endif()
elseif()
コマンドとelse()
コマンドを使用して、複数の条件を処理することができます。endif()
コマンドは、if() コマンドのブロックの終わりを示すために使用されます。
補足
- 上記の説明は、CMake 3.29.0 の時点でのものです。古いバージョンの CMake では、構文や機能が異なる場合があります。
if() コマンドは、CMake で条件分岐を実現するための強力なツールです。このコマンドを理解することで、より複雑な CMake スクリプトを作成することができます。
CMake の if() コマンド サンプルコード
# 生成するバイナリの種類を判定
if(MSVC)
# Windows 用のバイナリを生成
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} /MT")
else()
# Unix 系用のバイナリを生成
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -pthread")
endif()
ライブラリの存在をチェック
# ライブラリの存在をチェック
if(EXISTS ${LIBRARY_A})
# ライブラリ A が存在する場合
target_link_libraries(my_target PUBLIC ${LIBRARY_A})
endif()
オペレーティングシステム (OS) を判定
# オペレーティングシステム (OS) を判定
if(UNIX)
# Unix 系 OS の場合
message(STATUS "Building on Unix")
...
elseif(WIN32)
# Windows の場合
message(STATUS "Building on Windows")
...
else()
# その他の OS の場合
message(STATUS "Building on unknown OS")
...
endif()
特定のコンパイラが使用されているかどうかをチェック
# 特定のコンパイラが使用されているかどうかをチェック
if(CMAKE_COMPILER_IS_GNUCXX)
# GCC コンパイラが使用されている場合
message(STATUS "Using GCC compiler")
...
elseif(CMAKE_COMPILER_IS_CLANG)
# Clang コンパイラが使用されている場合
message(STATUS "Using Clang compiler")
...
else()
# その他のコンパイラが使用されている場合
message(STATUS "Using unknown compiler")
...
endif()
C++ の標準規格バージョンを判定
# C++ の標準規格バージョンを判定
if(CMAKE_CXX_STANDARD LESS 11)
# C++11 以前の標準規格を使用している場合
message(STATUS "Using C++ standard before 11")
...
elseif(CMAKE_CXX_STANDARD EQUAL 11)
# C++11 標準規格を使用している場合
message(STATUS "Using C++11 standard")
...
else()
# C++14 以降の標準規格を使用している場合
message(STATUS "Using C++14 or later standard")
...
endif()
デバッグビルドかどうかをチェック
# デバッグビルドかどうかをチェック
if(CMAKE_BUILD_TYPE STREQUAL "Debug")
# デバッグビルドの場合
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -g")
...
else()
# リリースビルドの場合
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -O2")
...
endif()
キャッシュ変数の値を取得
# キャッシュ変数の値を取得
if(CACHE_VAR_EXISTS "MY_CACHE_VAR")
# キャッシュ変数 MY_CACHE_VAR が存在する場合
message(STATUS "MY_CACHE_VAR
CMake の if() コマンドの代替方法
ternary operator
set(my_var ${condition} ? "value_if_true" : "value_if_false")
list() コマンド
list(APPEND my_list ${condition} ? "item_if_true" : "item_if_false")
string() コマンド
string(APPEND my_string ${condition} ? "text_if_true" : "text_if_false")
cmake_minimum_required() コマンド
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
if(NOT CMAKE_VERSION_LESS 3.10)
# CMake 3.10 以降の場合
...
endif()
option() コマンド
option(MY_OPTION "Enable my option" ON)
if(MY_OPTION)
# オプションが有効の場合
...
endif()
if() コマンドを使用するべき場合
- 複雑な条件分岐を行う場合
- 複数の条件を組み合わせて処理する場合
- マクロや関数を呼び出す場合
代替方法を使用するべき場合
- コードを簡潔に記述したい場合
- 特定の機能を利用したい場合
if() コマンドは、CMake で条件分岐を実現するための強力なツールです。しかし、状況によっては他の代替方法の方が効率的な場合もあります。それぞれの方法の特徴を理解して、適切な方法を選択することが重要です。
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