CMakeの達人になるための秘訣!CMP0100ポリシーを使いこなして開発効率をアップ
CMake ポリシー CMP0100 の詳細解説
このポリシーが解決する問題
CMake では、ターゲットの PUBLIC インターフェースに追加されたヘッダーファイルは、そのターゲットに依存する他のターゲットからも直接インクルードできるようになっています。しかし、この仕組みにはいくつかの問題がありました。
- ヘッダーファイルの重複: 複数のターゲットで同じヘッダーファイルが PUBLIC インターフェースに追加されると、そのヘッダーファイルが重複してインクルードされる可能性があります。
- ヘッダーファイルの依存関係: ヘッダーファイル同士に依存関係がある場合、その依存関係が正しく解決されない可能性があります。
CMP0100 ポリシーは、これらの問題を解決するために導入されました。このポリシーは以下の動作をします。
- ヘッダーファイルの重複排除: 同じヘッダーファイルが複数のターゲットで PUBLIC インターフェースに追加されても、重複してインクルードされることはありません。
- ヘッダーファイルの依存関係の解決: ヘッダーファイル同士の依存関係が正しく解決されます。
CMP0100 ポリシーは以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txt ファイル
cmake_policy(CMP0100 NEW)
- コマンドライン
cmake -DCMP0100=NEW ..
CMP0100 ポリシーは、CMake バージョン 3.13 以降でのみ使用できます。古いバージョンの CMake を使用している場合は、このポリシーを使用できません。
また、CMP0100 ポリシーを有効にすると、既存のコードの動作が変わる可能性があります。そのため、このポリシーを有効にする前に、コードをよく確認する必要があります。
CMP0100 ポリシーは、以下の様な場合に使用できます。
- ヘッダーファイルの重複を避けたい場合
- ヘッダーファイルの依存関係を正しく解決したい場合
- 上記の説明は、CMP0100 ポリシーの基本的な動作についてのみ説明しています。詳細については、上記の参考資料を参照してください。
- CMP0100 ポリシーの使用には、いくつかの注意点があります。詳細は、上記の注意点を参照してください。
CMake ポリシー CMP0100 のサンプルコード
ヘッダーファイルの重複排除
# ターゲット A
add_library(A INTERFACE)
target_sources(A INTERFACE
"a.h"
)
# ターゲット B
add_library(B INTERFACE)
target_sources(B INTERFACE
"a.h"
)
# ターゲット C
add_library(C INTERFACE)
target_sources(C INTERFACE
"a.h"
"b.h"
)
# ヘッダーファイル "a.h" は重複してインクルードされない
target_link_libraries(C A B)
ヘッダーファイルの依存関係の解決
# ターゲット A
add_library(A INTERFACE)
target_sources(A INTERFACE
"a.h"
)
# ターゲット B
add_library(B INTERFACE)
target_sources(B INTERFACE
"b.h"
"a.h"
)
# ヘッダーファイル "b.h" は "a.h" に依存するため、
# ターゲット C は "a.h" もインクルードする
target_link_libraries(C A B)
ポリシーの有効化
cmake_policy(CMP0100 NEW)
# 上記のサンプルコードをここに記述
CMake でヘッダーファイルのインクルードパスを指定する他の方法
ヘッダーファイルのインストール
ヘッダーファイルをシステムヘッダーファイルと同じ場所にインストールすれば、include_directories
コマンドを使用せずにインクルードできます。
install(FILES a.h DESTINATION include)
ターゲットの PUBLIC インターフェースにヘッダーファイルを追加すると、そのターゲットに依存する他のターゲットからも直接インクルードできるようになります。
add_library(A INTERFACE)
target_sources(A INTERFACE
"a.h"
)
# ターゲット B はターゲット A のヘッダーファイル "a.h" を直接インクルードできる
add_executable(B
"b.cpp"
)
target_link_libraries(B A)
target_include_directories
コマンドを使用して、特定のターゲットのみにインクルードパスを指定できます。
add_library(A INTERFACE)
target_sources(A INTERFACE
"a.h"
)
target_include_directories(A PUBLIC
"/path/to/include"
)
# ターゲット B はターゲット A のヘッダーファイル "a.h" を直接インクルードできる
add_executable(B
"b.cpp"
)
target_link_libraries(B A)
CMAKE_MODULE_PATH
変数を使用して、CMake モジュールの検索パスを指定できます。CMake モジュールは、ヘッダーファイルのインクルードパスを指定するために使用できます。
set(CMAKE_MODULE_PATH "/path/to/modules")
find_package(MyModule)
# MyModule モジュールはヘッダーファイル "my.h" をインストールする
include_directories(${MyModule_INCLUDE_DIRS})
# ターゲット B は MyModule モジュールのヘッダーファイル "my.h" を直接インクルードできる
add_executable(B
"b.cpp"
)
target_link_libraries(B MyModule)
add_custom_command
コマンドを使用して、独自のインクルードパス設定を行うことができます。
add_custom_command(
TARGET A
POST_BUILD
COMMAND echo "#include <a.h>" > a.inc
)
# ターゲット B は "a.inc" を介してヘッダーファイル "a.h" をインクルードできる
add_executable(B
"b.cpp"
"a.inc"
)
target_link_libraries(B A)
どの方法を使用するべきかは、プロジェクトの状況によって異なります。一般的には、include_directories
コマンドを使用するのが最も簡単で効率的な方法です。しかし、他の方法の方が適している場合もあります。
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