CMakeのCTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION変数を使って警告メッセージを無視する方法
CMakeにおけるCTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION変数の詳細解説
変数の役割
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONは、正規表現のリストとして設定されます。テストの実行中に、CTestは各警告メッセージをこのリストと照合します。メッセージがリスト内のいずれかの正規表現に一致した場合、その警告は出力されません。
設定方法
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONは以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txtファイル
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"some_warning_message_pattern"
"another_warning_message_pattern"
)
- ctestコマンドラインオプション
ctest -D CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION="some_warning_message_pattern"
正規表現の書式
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONで使用される正規表現は、Perl互換の正規表現です。詳細は、PCRE: [無効な URL を削除しました]。
使用例
以下は、CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONを使用して特定の警告メッセージを無視する例です。
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"^.*warning.*$"
)
この設定により、テストの実行中に"warning"という文字列を含むすべての警告メッセージが無視されます。
注意点
- CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONは、テストスイート全体に適用されます。特定のテストケースでのみ警告メッセージを無視したい場合は、
ctest_test
コマンドのWARNING_EXCEPTION
オプションを使用する必要があります。 - 正規表現のパターンに誤りがあると、テスト結果が誤って解釈される可能性があります。
補足
- CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONは、CTest 2.8以降で使用可能です。
- CTest 3.15以降では、
ctest_test
コマンドのWARNING_EXCEPTION_PATTERNS
オプションを使用して、テストケースごとに異なる警告メッセージを無視することができます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONは、テストの実行中に不要な警告メッセージを抑制し、テスト結果の読みやすさを向上させるために役立ちます。設定方法は簡単で、正規表現を使用して特定の警告メッセージを無視することができます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTIONサンプルコード
特定の警告メッセージを無視する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"^.*warning.*$"
)
複数の警告メッセージを無視する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"^.*warning.*$"
"^.*deprecated.*$"
)
この設定により、テストの実行中に"warning"または"deprecated"という文字列を含むすべての警告メッセージが無視されます。
特定のファイルからの警告メッセージを無視する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"^.*my_file.cpp.*warning.*$"
)
この設定により、テストの実行中にmy_file.cpp
ファイルからのみ"warning"という文字列を含む警告メッセージが無視されます。
正規表現を使用して複雑なパターンを無視する
set(CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION
"^.*(function_name|class_name).*warning.*$"
)
この設定により、テストの実行中にfunction_name
またはclass_name
を含む関数またはクラスからのみ"warning"という文字列を含む警告メッセージが無視されます。
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION以外の方法
テストケースのコードを変更する
警告メッセージの原因となるコードを修正することで、警告メッセージ自体をなくすことができます。これが最も根本的な解決策ですが、コードの変更が難しい場合もあります。
コンパイラオプションを使用して、特定の警告メッセージを出力しないように設定することができます。例えば、GCCでは-Wno-warning-message
オプションを使用できます。
g++ -Wall -Wno-warning-message -o my_program my_program.cpp
この方法の利点は、特定の警告メッセージのみを抑制できることです。ただし、使用しているコンパイラによってオプションが異なるため、注意が必要です。
テストスイートの構成を変更する
CTestには、警告メッセージの出力レベルを設定するオプションがあります。ctest_configure
コマンドのWARNING_LEVEL
オプションを使用して、以下のレベルを設定することができます。
- 0: すべての警告メッセージを出力する
- 1: 致命的な警告メッセージのみを出力する
- 2: 致命的な警告メッセージとエラーメッセージを出力する
ctest_configure -D WARNING_LEVEL=1
この方法の利点は、テストスイート全体にわたって警告メッセージの出力レベルを統一できることです。ただし、特定の警告メッセージのみを抑制することはできません。
CTEST_CUSTOM_WARNING_EXCEPTION以外にも、テスト実行中に警告メッセージを抑制する方法はいくつかあります。状況に応じて適切な方法を選択してください。
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