FindwxWindowsモジュールでwxWidgetsを簡単に使う

2024-04-02

CMake モジュール FindwxWindows の詳細解説

FindwxWindows は、CMake のモジュールの一つで、wxWidgets ライブラリをプロジェクトに簡単に統合するために使用されます。wxWidgets は、クロスプラットフォームの GUI ツールキットであり、Windows、Mac OS X、Linux などの様々なプラットフォームで動作する GUI アプリケーション開発を可能にします。

FindwxWindows モジュールは以下の機能を提供します。

  • wxWidgets ライブラリの自動検出
  • ライブラリのバージョン情報の取得
  • ヘッダーファイルとライブラリファイルの検索パス設定
  • 必要なコンパイラフラグの設定
  • プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに設定を自動的に追加

使い方

FindwxWindows モジュールを使用するには、以下の手順が必要です。

  1. プロジェクトの CMakeLists.txt ファイルに find_package コマンドを追加します。
find_package(wxWindows REQUIRED)
  1. 必要に応じて、wxWidgets_CONFIG_USE_XXX などのオプション変数を設定します。
set(wxWidgets_CONFIG_USE_GL 1)
  1. wxWidgets モジュールによって設定された変数を使用します。
include_directories(${WXWINDOWS_INCLUDE_DIR})
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${WXWINDOWS_LIBRARIES})

詳細

FindwxWindows モジュールは、wxWidgets ライブラリのバージョンとプラットフォームに応じて、様々な方法で検索を行います。詳細は、以下の CMake ドキュメントを参照してください。

補足

  • FindwxWindows モジュールは、CMake バージョン 3.0 以降で利用可能です。
  • CMake バージョン 3.0 以降では、FindwxWindows モジュールよりも FindwxWidgets モジュールを使用することを推奨します。
  • FindwxWindows モジュールは、wxWidgets ライブラリの開発バージョンを検出できない場合があります。


CMake モジュール FindwxWindows を使ったサンプルコード

シンプルなサンプル

cmake_minimum_required(VERSION 3.0)

find_package(wxWindows REQUIRED)

add_executable(hello_world main.cpp)

include_directories(${WXWINDOWS_INCLUDE_DIR})
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${WXWINDOWS_LIBRARIES})

# シンプルな GUI アプリケーションのコード
...

wxWidgets の機能を使ったサンプル

cmake_minimum_required(VERSION 3.0)

find_package(wxWindows REQUIRED)

add_executable(hello_world main.cpp)

include_directories(${WXWINDOWS_INCLUDE_DIR})
target_link_libraries(${PROJECT_NAME} ${WXWINDOWS_LIBRARIES})

# wxWidgets の機能を使ったコード
...

wxFrame *frame = new wxFrame(NULL, wxID_ANY, "Hello World");
wxPanel *panel = new wxPanel(frame);

wxButton *button = new wxButton(panel, wxID_ANY, "Click me!");

// ボタンクリック時のイベント処理
void OnButtonClick(wxCommandEvent &event) {
  wxMessageBox("Hello, World!", "wxWidgets", wxOK | wxICON_INFORMATION);
}

button->Bind(wxEVT_BUTTON, OnButtonClick);

frame->Show();

複数の wxWidgets ライブラリバージョンを扱うサンプル

cmake_minimum_required(VERSION 3.0)

# wxWidgets 3.1 を検索
find_package(wxWindows 3.1 REQUIRED)

# wxWidgets 3.2 を検索
find_package(wxWindows 3.2)

# 必要に応じて、異なるバージョンの wxWidgets ライブラリを使い分ける
...

if(wxWindows_FOUND)
  # wxWidgets 3.1 を使用する
  ...
else()
  # wxWidgets 3.2 を使用する
  ...
endif()


CMake で wxWidgets を使うその他の方法

手動設定

FindwxWindows モジュールを使わずに、wxWidgets ライブラリを手動で設定することもできます。

  1. wxWidgets ライブラリのヘッダーファイルとライブラリファイルのパスを指定します。
  2. 必要なコンパイラフラグを設定します。

詳細は、以下の CMake ドキュメントを参照してください。

外部プロジェクトファイルを使う

wxWidgets ライブラリ用の CMake プロジェクトファイルが用意されている場合があります。その場合は、そのプロジェクトファイルを直接使用することができます。

詳細は、wxWidgets ライブラリの配布物に含まれるドキュメントを参照してください。

wxWidgets の CMake オプションを使う

wxWidgets ライブラリは、CMake でビルドするためのオプションを提供しています。これらのオプションを使用して、wxWidgets ライブラリのビルドとプロジェクトへの統合をカスタマイズすることができます。

詳細は、wxWidgets ライブラリの配布物に含まれるドキュメントを参照してください。

各方法の比較

方法メリットデメリット
FindwxWindows モジュール簡単、自動検出バージョンによっては検出できない場合がある
手動設定柔軟性が高い設定が複雑になる
外部プロジェクトファイルを使う設定が簡単プロジェクトファイルが用意されていない場合がある
wxWidgets の CMake オプションを使う細かいカスタマイズが可能設定が複雑になる

どの方法を使うべきかは、プロジェクトの要件と開発者の経験によって異なります。

初心者 の場合は、FindwxWindows モジュールを使うのがおすすめです。

経験豊富な開発者 の場合は、手動設定や外部プロジェクトファイルを使うことで、より柔軟な設定が可能になります。




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