CMakeでiOSアプリ開発:IOS_INSTALL_COMBINEDとその他の方法を徹底比較
CMake の "Properties: Targets" における "IOS_INSTALL_COMBINED" の詳細解説
IOS_INSTALL_COMBINED
は、CMake のターゲットプロパティであり、iOS デバイスとシミュレータ用のコードを組み合わせて、ユニバーサルバイナリと呼ばれる単一のライブラリを生成するかどうかを制御します。これは、複数のアーキテクチャをサポートする iOS アプリケーションを開発する場合に役立ちます。
動作
IOS_INSTALL_COMBINED
が TRUE
に設定されている場合、CMake は以下の処理を実行します。
- デバイスとシミュレータ用のターゲットを別々にビルドします。
- 生成されたライブラリをマージして、単一のユニバーサルバイナリを作成します。
- ユニバーサルバイナリを指定されたインストールディレクトリにインストールします。
利点
IOS_INSTALL_COMBINED
を使用することで、以下の利点が得られます。
- 配布が簡略化される: アプリケーションを配布する際に、デバイスとシミュレータ用のバイナリを個別に配布する必要がなくなります。
- ストレージスペースの節約: ユニバーサルバイナリは、個別のバイナリよりも少ないストレージスペースを必要とします。
制限事項
IOS_INSTALL_COMBINED
には、以下の制限事項があります。
- Xcode 14 以降ではサポートされていない: Xcode 14 では、新しいビルドシステムが導入され、
IOS_INSTALL_COMBINED
プロパティは非推奨となりました。 - すべてのアーキテクチャをサポートするわけではない: ユニバーサルバイナリは、サポートされているすべてのアーキテクチャを含む必要があります。
代替手段
IOS_INSTALL_COMBINED
の代わりに、以下の方法を使用することができます。
- XCFramework を使用する: XCFramework は、複数のアーキテクチャをサポートする iOS フレームワークをパッケージ化するための新しい形式です。
- 複数のバイナリを配布する: デバイスとシミュレータ用のバイナリを個別に配布することができます。
使用例
以下の例は、IOS_INSTALL_COMBINED
を使用してユニバーサルバイナリを生成する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.5)
project(MyProject)
set(CMAKE_XCODE_ATTRIBUTE_ONLY_ACTIVE_ARCH NO)
set(CMAKE_IOS_ARCHITECTURES arm64;x86_64)
add_executable(MyTarget MyTarget.c)
target_link_libraries(MyTarget MyLib)
target_properties(MyTarget PROPERTIES IOS_INSTALL_COMBINED TRUE)
install(TARGETS MyTarget DESTINATION lib)
この例では、MyTarget
というターゲットが作成され、MyTarget.c
ファイルと MyLib
ライブラリにリンクされています。IOS_INSTALL_COMBINED
プロパティが TRUE
に設定されているため、CMake はデバイスとシミュレータ用のコードを組み合わせて、lib
ディレクトリにユニバーサルバイナリを生成します。
注意事項
IOS_INSTALL_COMBINED
は、Xcode 14 以降では非推奨となっていることに注意してください。新しいプロジェクトの場合は、XCFramework を使用する方が推奨されます。
様々なプログラミング言語のサンプルコード
まず、どのような種類のサンプルコードをお探しでしょうか? 以下のようなカテゴリーから選ぶことができます。
- 特定の言語: C++, Java, Python, JavaScript, Go, Ruby, Swift, PHP, ... など
- 用途: ウェブ開発、ゲーム開発、データ分析、機械学習、アルゴリズム、システムプログラミング、... など
- 難易度: 初心者向け、中級者向け、上級者向け
- その他: 特定のライブラリやフレームワークを使ったコード、有名なアルゴリズムの実装例、デザインパターンを使ったコード、... など
具体的な希望があれば、より的確なサンプルコードを紹介することができます。
もし、特にカテゴリーが決まっていない場合は、以下のリソースが参考になるかもしれません。
- 書籍:
- 書籍は、特定の言語やトピックについて深く学びたい場合に役立ちます。
- 書店やオンライン書店で探すことができます。
上記以外にも、様々なリソースがありますので、ぜひ色々試してみてください。
CMake で "IOS_INSTALL_COMBINED" 以外の方法でユニバーサルバイナリを生成する方法
手動でマージする
以下の手順で、デバイスとシミュレータ用のライブラリを手動でマージすることができます。
lipo
ツールを使用して、生成されたライブラリをマージします。- マージされたライブラリを指定されたインストールディレクトリにインストールします。
この方法は、比較的シンプルですが、時間がかかったり、エラーが発生しやすいという欠点があります。
例
# デバイス用のターゲットをビルド
xcodebuild -target MyTarget -configuration Release
# シミュレータ用のターゲットをビルド
xcodebuild -target MyTarget -configuration Release -sdk iphonesimulator
# ライブラリをマージ
lipo -create -output MyUniversalLib libMyTarget-ios.a libMyTarget-simulator.a
# ユニバーサルバイナリをインストール
install -d lib
install MyUniversalLib lib
XCFramework を使用する
XCFramework は、複数のアーキテクチャをサポートする iOS フレームワークをパッケージ化するための新しい形式です。IOS_INSTALL_COMBINED
プロパティよりも、XCFramework を使用する方が、より新しい方法であり、推奨されます。
XCFramework を使用するには、以下の手順を実行する必要があります。
- プロジェクトを Xcode で開き、「File」 > 「New」 > 「Project」を選択します。
- 「Framework」テンプレートを選択します。
- フレームワークの名前を入力します。
- 「Next」をクリックします。
- ターゲットアーキテクチャを選択します。
- 「Finish」をクリックします。
- ソースコードとリソースを追加します。
- フレームワークをビルドします。
- フレームワークをエクスポートします。
XCFramework をエクスポートするには、「Product」 > 「Export」を選択します。エクスポートされたフレームワークは、他のプロジェクトで使用することができます。
複数のバイナリを配布する
最もシンプルで確実な方法は、デバイスとシミュレータ用のバイナリを個別に配布することです。この方法は、最も古い方法ですが、依然として有効な方法です。
バイナリを個別に配布するには、以下の手順を実行する必要があります。
- 生成されたバイナリをそれぞれの配布チャネルに配布します。
この方法は、最も簡単ですが、アプリのサイズが大きくなるという欠点があります。
"IOS_INSTALL_COMBINED" 以外にも、CMake でユニバーサルバイナリを生成する方法がいくつかあります。それぞれの方法には、利点と欠点がありますので、プロジェクトのニーズに合わせて最適な方法を選択してください。
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