eMbedded Visual StudioでWINCE C++プロジェクトをデバッグする
CMakeの変数とWINCEプログラミング
CMake変数は、ビルドプロセス中に設定できる値です。これらの変数は、プロジェクトのソースコード、コンパイラオプション、出力ファイルの場所など、さまざまなビルド設定を制御するために使用できます。
WINCEプログラミングにおけるCMake変数
WINCEプログラミングにおいて、いくつかの重要なCMake変数が存在します。
TARGET_PLATFORM
この変数は、ターゲットとするプラットフォームを指定します。WINCEの場合、"WINCE"または"Windows CE"に設定します。
WINCE_VERSION
この変数は、ターゲットとするWINCEのバージョンを指定します。例:
set(WINCE_VERSION 7.0)
_WIN32_WINNT
この変数は、WINCE APIのバージョンを指定します。例:
set(_WIN32_WINNT 0x501)
ARM
この変数は、ARMアーキテクチャ向けのビルドを指定します。例:
if(ARM)
set(CMAKE_C_FLAGS "${CMAKE_C_FLAGS} -marm")
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -marm")
endif()
MIPS
この変数は、MIPSアーキテクチャ向けのビルドを指定します。例:
if(MIPS)
set(CMAKE_C_FLAGS "${CMAKE_C_FLAGS} -mips32")
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -mips32")
endif()
X86
この変数は、x86アーキテクチャ向けのビルドを指定します。例:
if(X86)
set(CMAKE_C_FLAGS "${CMAKE_C_FLAGS} -m32")
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -m32")
endif()
CMakeLists.txtファイルでの変数の設定
これらの変数は、CMakeLists.txtファイル内で設定できます。例:
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
if(ARM)
set(CMAKE_C_FLAGS "${CMAKE_C_FLAGS} -marm")
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -marm")
endif()
...
add_executable(my_app main.cpp)
CMake変数は、WINCE向けのC++プロジェクトのビルド設定を管理するのに役立ちます。上記の重要な変数を理解することで、効率的なビルドプロセスを構築することができます。
関連キーワード
- CMake
- WINCE
- C++
- ビルド
- 変数
- CMakeLists.txt
CMakeとWINCEを使用したサンプルコード
Hello World
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
add_executable(hello_world main.cpp)
target_link_libraries(hello_world coredll)
ファイル操作
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
add_executable(file_ops main.cpp)
target_link_libraries(file_ops coredll)
シリアル通信
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
add_executable(serial_comm main.cpp)
target_link_libraries(serial_comm coredll)
ソケット通信
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
add_executable(socket_comm main.cpp)
target_link_libraries(socket_comm coredll ws2_32)
マルチスレッド
set(TARGET_PLATFORM "WINCE")
set(WINCE_VERSION 7.0)
set(_WIN32_WINNT 0x501)
add_executable(multi_thread main.cpp)
target_link_libraries(multi_thread coredll)
これらのサンプルコードは、基本的な機能を示すためのものです。実際のプロジェクトでは、必要に応じてコードを変更する必要があります。
関連キーワード
- Hello World
- ファイル操作
- シリアル通信
- ソケット通信
- マルチスレッド
Visual Studioは、Microsoftが提供する統合開発環境(IDE)です。Visual Studioには、WINCE向けのプロジェクトテンプレートが用意されており、簡単にプロジェクトを作成することができます。
eMbedded Visual Studioは、Visual Studioの拡張版です。eMbedded Visual Studioには、WINCE向けのデバッガやプロファイラなどの機能が追加されています。
Platform Builderは、Microsoftが提供するコマンドラインツールです。Platform Builderを使用して、WINCEプロジェクトをビルドしたり、デバッグしたりすることができます。
NMakeは、Microsoftが提供するメイクツールです。NMakeを使用して、WINCEプロジェクトをビルドすることができます。
これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。プロジェクトの規模や要件に応じて、最適な方法を選択する必要があります。
関連キーワード
- Visual Studio
- eMbedded Visual Studio
- Platform Builder
- NMake
CMakeでXcodeプロジェクトを極める! "Properties: Source Files"と"XCODE_LAST_KNOWN_FILE_TYPE"の達人になるためのテクニック
この情報は、Xcode がファイルを開いたり、編集したり、ビルドしたりする際にどのように扱うかを決定するために使用されます。Properties: Source Files は、CMakeLists. txt ファイルで設定できます。 以下の例は、main
【初心者向け】CMakeでWindows Phoneアプリ開発を始めるためのWINDOWS_PHONE変数ガイド
概要CMakeのWINDOWS_PHONE変数は、Windows Phoneアプリケーション開発時に重要な役割を果たします。この変数は、ビルドプロセスを構成し、特定のプラットフォーム向けに最適化されたコードを生成するために使用されます。詳細
CMakeの環境変数:LD_LIBRARY_PATH、CPATH、CMAKE_PREFIX_PATHの役割と設定方法
CMAKE_PREFIX_PATHの概要CMAKE_PREFIX_PATHは、find_package()、find_program()、find_library()、find_file()、**find_path()**などのコマンドが、必要なライブラリやヘッダーファイルなどを検索する際に使用するディレクトリを指定します。これは、複数のディレクトリに分散してインストールされたライブラリやヘッダーファイルを、一括して検索できるようにするためのものです。
【初心者向け】CMakeでAndroid NDKツールチェーンのバージョンを指定する方法
"CMAKE_ANDROID_NDK_TOOLCHAIN_VERSION" は、CMake で Android 用 NDK (Native Development Kit) を用いたクロスコンパイルを行う際に、使用するツールチェーンのバージョンを指定するための変数です。これは CMake 3.7 以降で導入されました。
フレームワーク地獄はもうおしまい!CMakeFindFrameworksモジュールでMac OS X開発を快適に
CMakeFindFrameworksモジュールは、Mac OS X上で動作するCMakeプロジェクトにおいて、必要なフレームワークを自動的に検出するための便利なツールです。このモジュールを使うことで、フレームワークのヘッダーファイルやライブラリファイルを個別に探す必要がなくなり、プロジェクトの設定を簡潔に保つことができます。
CMakeでVS_IOT_EXTENSIONS_VERSIONを使用する際のトラブルシューティング
VS_IOT_EXTENSIONS_VERSION は、CMake のターゲットプロパティで、Visual Studio ソリューションに含める Windows 10 IoT 拡張のバージョンを指定します。設定方法バージョンは、4 つの数字で構成される文字列で指定します。例:
CMakeでiOSアプリ開発:IOS_INSTALL_COMBINEDとその他の方法を徹底比較
IOS_INSTALL_COMBINED は、CMake のターゲットプロパティであり、iOS デバイスとシミュレータ用のコードを組み合わせて、ユニバーサルバイナリと呼ばれる単一のライブラリを生成するかどうかを制御します。これは、複数のアーキテクチャをサポートする iOS アプリケーションを開発する場合に役立ちます。