Django admin の ModelAdmin.save_formset() メソッドを徹底解説
Django admin.ModelAdmin.save_formset() 解説
django.contrib.admin
の ModelAdmin
クラスには、save_formset()
というメソッドがあります。これは、インライン編集フォームセットの保存処理を担当します。
インライン編集フォームセットとは
Django admin では、モデルと関連するモデルをまとめて編集できる機能があります。これをインライン編集と呼びます。インライン編集で扱うフォームセットを、インライン編集フォームセットと呼びます。
save_formset()
メソッドは、インライン編集フォームセットのデータを受け取り、以下の処理を行います。
- 各フォームの検証
- 有効なフォームのデータに基づいて、関連するモデルの保存
- 無効なフォームのエラーメッセージ表示
save_formset()
メソッドは以下の引数を受け取ります。
request
: HTTP リクエストオブジェクトformset
: インライン編集フォームセットchange
: 編集対象のモデルインスタンス- kwargs: 追加のキーワード引数
save_formset()
メソッドは、以下の順序で処理を行います。
- フォームセットの各フォームを検証します。
- すべてのフォームが有効であれば、以下の処理を行います。
- フォームデータに基づいて、関連するモデルインスタンスを作成または更新します。
- モデルインスタンスを保存します。
- フォームセットに無効なフォームがあれば、以下の処理を行います。
- エラーメッセージをユーザーに表示します。
- モデルインスタンスは保存されません。
save_formset() のオーバーライド
save_formset()
メソッドは、ModelAdmin クラスでオーバーライドすることができます。オーバーライドすることで、保存処理のカスタマイズを行うことができます。
例
以下の例は、save_formset()
メソッドをオーバーライドして、保存前にカスタム処理を行う例です。
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
# 保存前にカスタム処理を行う
for form in formset.forms:
if form.cleaned_data['my_field'] == 'foo':
form.cleaned_data['my_field'] = 'bar'
# 元の save_formset() メソッドを呼び出す
super().save_formset(request, formset, change, **kwargs)
django.contrib.admin.ModelAdmin.save_formset()
メソッドは、インライン編集フォームセットの保存処理を担当します。このメソッドを理解することで、インライン編集機能のカスタマイズを行うことができます。
Django admin.ModelAdmin.save_formset() サンプルコード集
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
# 保存前にカスタム処理を行う
for form in formset.forms:
if form.cleaned_data['my_field'] == 'foo':
form.cleaned_data['my_field'] = 'bar'
# 元の save_formset() メソッドを呼び出す
super().save_formset(request, formset, change, **kwargs)
関連モデルをさらに編集する
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
# 保存処理
super().save_formset(request, formset, change, **kwargs)
# 関連モデルをさらに編集
for obj in formset.saved_objects:
obj.my_field = 'bar'
obj.save()
特定のフォームのみ保存する
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
# 特定のフォームのみ保存
for form in formset.forms:
if form.cleaned_data['my_field'] == 'foo':
form.save()
# その他のフォームは保存しない
フォームエラー時の処理
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
try:
# 保存処理
super().save_formset(request, formset, change, **kwargs)
except ValidationError as e:
# フォームエラー時の処理
messages.error(request, str(e))
ログ出力
class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
def save_formset(self, request, formset, change, **kwargs):
# ログ出力
logger.info('Saving formset: %s', formset)
# 保存処理
super().save_formset(request, formset, change, **kwargs)
上記のサンプルコードはあくまでも例です。実際のユースケースに合わせて、自由にカスタマイズしてください。
Django admin.ModelAdmin.save_formset() 以外の方法
- 複雑なカスタマイズが必要な場合
- 保存処理をより細かく制御したい場合
フォームセットを直接操作する
save_formset()
メソッドを使用せずに、フォームセットを直接操作することで、より細かい制御が可能になります。
formset = inline_formset_factory(parent_model, child_model, ...)
# フォームの検証
for form in formset.forms:
form.is_valid()
# 有効なフォームのデータに基づいて、関連するモデルインスタンスを作成または更新
for form in formset.cleaned_forms:
obj = form.save()
# モデルインスタンスを保存
for obj in formset.saved_objects:
obj.save()
# 無効なフォームのエラーメッセージ表示
for form in formset.errors:
messages.error(request, form.errors)
カスタムビューを作成する
ModelAdmin
クラスの代わりに、カスタムビューを作成することで、保存処理を完全にカスタマイズすることができます。
def my_view(request, pk):
# 親モデルのインスタンスを取得
parent_model = get_object_or_404(ParentModel, pk=pk)
# フォームセットを作成
formset = inline_formset_factory(parent_model, child_model, ...)
# フォームの処理
if request.method == 'POST':
formset = inline_formset_factory(parent_model, child_model, data=request.POST)
if formset.is_valid():
# 保存処理
...
# リダイレクト
return HttpResponseRedirect(...)
# テンプレートをレンダリング
return render(request, 'my_template.html', {'formset': formset})
django.contrib.admin.ModelAdmin.save_formset()
メソッドは、多くの場合、インライン編集フォームセットの保存処理を行う便利な方法です。しかし、複雑なカスタマイズが必要な場合や、保存処理をより細かく制御したい場合は、他の方法を検討する必要があります。
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Django forms.BoundField.form に関する参考資料
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urls.ResolverMatch.kwargs を使用したサンプルコード
urls. ResolverMatch. kwargs は、以下のような用途で使用されます。特定のリソースへのアクセス:フィルタリング:カスタムロジックの実行: kwargs を使用して、URL に基づいて異なる処理を実行することができます。