サーバーとJavaScript APIで利用可能なClear-Site-Dataヘッダー
HTTPヘッダーのClear-Site-Data:ブラウザの記憶を消去する仕組み
プログラミングでの利用
Clear-Site-Dataは、サーバー側の設定とクライアント側のJavaScript APIの両方で利用できます。
サーバー側の設定では、以下の方法でClear-Site-Dataヘッダーをレスポンスに追加できます。
- Apache
Header set Clear-Site-Data "cookie,storage"
- Nginx
add_header Clear-Site-Data "cookie,storage";
JavaScript APIでは、Headers
オブジェクトを使用してClear-Site-Dataヘッダーを設定できます。
const headers = new Headers();
headers.append("Clear-Site-Data", "cookie,storage");
fetch("/", { headers });
消去できるデータの種類
Clear-Site-Dataヘッダーには、以下のディレクティブを指定して、消去するデータの種類を指定できます。
- "cookie": クッキー
- "storage": ローカルストレージとセッションストレージ
- "cache": サービスワーカーのキャッシュ
- "executionContexts": サービスワーカーの実行コンテキスト
- "mediaKeys": 暗号化されたメディアキー
- "images": 画像
- "fonts": フォント
- "scripts": スクリプト
- "stylesheets": スタイルシート
- "trackers": トラッキングデータ
ワイルドカード
すべての種類のデータを消去したい場合は、ワイルドカード (*
) を使用できます。
Clear-Site-Data: *
注意点
- Clear-Site-Dataヘッダーは、ユーザーのプライバシーに影響を与えるため、慎重に使用してください。
- 一部のブラウザでは、すべてのディレクティブに対応していない場合があります。
- Clear-Site-Dataヘッダーは、リロード後にのみ適用されます。
Clear-Site-Dataヘッダーのサンプルコード
Apache
# クッキーとローカルストレージを消去
Header set Clear-Site-Data "cookie,storage"
# 特定のオリジンのみ消去
Header set Clear-Site-Data "cookie,storage" if request.uri =~ ^/example\.com/
# ワイルドカードを使用してすべてのデータを消去
Header set Clear-Site-Data "*"
Nginx
# クッキーとローカルストレージを消去
add_header Clear-Site-Data "cookie,storage";
# 特定のオリジンのみ消去
if ($request_uri ~ ^/example\.com/) {
add_header Clear-Site-Data "cookie,storage";
}
# ワイルドカードを使用してすべてのデータを消去
add_header Clear-Site-Data "*";
JavaScript API
// クッキーとローカルストレージを消去
const headers = new Headers();
headers.append("Clear-Site-Data", "cookie,storage");
fetch("/", { headers });
// 特定のオリジンのみ消去
const url = new URL("/", location.href);
url.hostname = "example.com";
const headers = new Headers();
headers.append("Clear-Site-Data", "cookie,storage");
fetch(url.toString(), { headers });
// ワイルドカードを使用してすべてのデータを消去
const headers = new Headers();
headers.append("Clear-Site-Data", "*");
fetch("/", { headers });
その他のサンプル
- 特定のサービスワーカーのキャッシュのみ消去
navigator.serviceWorker.getRegistrations().then(registrations => {
registrations.forEach(registration => {
registration.unregister();
});
});
- 画像キャッシュのみ消去
caches.open("images").then(cache => {
cache.keys().then(keys => {
keys.forEach(key => {
cache.delete(key);
});
});
});
Clear-Site-Dataヘッダーの代替方法
ブラウザの設定
多くのブラウザでは、設定画面から閲覧履歴、キャッシュ、クッキーなどのデータを消去することができます。
プライバシーモード
多くのブラウザには、プライバシーモードと呼ばれる機能が搭載されています。プライバシーモードで閲覧すると、閲覧履歴やクッキーなどのデータが保存されません。
拡張機能
ブラウザの拡張機能を使用して、特定のサイトのデータを消去することができます。
JavaScript APIを使用して、ブラウザのデータを消去することができます。
各方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Clear-Site-Dataヘッダー | サーバー側で設定できる | 古いブラウザでは対応していない |
ブラウザの設定 | ユーザーが簡単に操作できる | 設定画面を開く必要がある |
プライバシーモード | 履歴が残らない | すべてのサイトで利用できるわけではない |
拡張機能 | 特定のサイトに特化して設定できる | 拡張機能を探す必要がある |
JavaScript API | プログラムで制御できる | 開発知識が必要 |
Feature-Policy: usb ヘッダーのサンプルコード
Feature-Policy: usb は、Webページが USB デバイスにアクセスすることを許可するか制御する HTTP ヘッダーです。これは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを保護するために使用されます。設定方法Feature-Policy: usb ヘッダーは、以下の形式で設定できます。
Sec-CH-UA-Model ヘッダーの活用:ユーザーエクスペリエンスの向上
ユーザーエージェント文字列よりも詳細な情報を提供ブラウザベンダーとモデル名バージョン情報プラットフォーム情報ブランド情報 (一部のブラウザでは非公開)ユーザーのブラウザをより正確に特定より適切なコンテンツと機能を提供パフォーマンスの向上プライバシーの保護 (一部のブラウザではブランド情報が非公開)
COOPを実装する方法
COOP は以下の設定が可能です。same-origin: 閲覧コンテキストを同一オリジン文書に限定します。つまり、クロスオリジン文書は同じ閲覧コンテキストに読み込まれません。unsafe-none: COOP による分離を回避します。これは、COOP を設定しない場合と同じ動作です。
HSTS ヘッダーを設定するその他の方法:Cloudflare、Web アプリケーションフレームワーク
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