NumPy Masked Array Operations と ma.indices() の基礎
NumPy の Masked Array Operations と ma.indices() の解説
Masked Array とは?
NumPy の Masked Array は、通常の NumPy 配列と同様ですが、欠損値を表すためのマスクを持つ点が異なります。マスクは、各要素が True または False の値を持つ配列です。True は欠損値、False は非欠損値を表します。
ma.indices()
は、マスクされた配列内の非欠損値のインデックスを取得するための関数です。この関数は、以下の2つの形式で使用できます。
- 単一のマスクされた配列を受け取る形式:
indices = ma.indices(a)
この形式では、a
はマスクされた配列です。indices
は、2つの要素を持つタプルで構成されます。1つ目は行インデックス、2つ目は列インデックスです。
indices = ma.indices(a, b)
この形式では、a
と b
はマスクされた配列です。indices
は、3つの要素を持つタプルで構成されます。1つ目は行インデックス、2つ目は列インデックス、3つ目はマスクされた配列のインデックスです。
ma.indices()
は、さまざまな方法で使用できます。以下にいくつかの例を示します。
例1:非欠損値のみにアクセスする
import numpy as np
import numpy.ma as ma
a = np.ma.masked_array([[1, 2, 3], [4, np.ma.masked, 6], [7, 8, 9]])
# 非欠損値のインデックスを取得
indices = ma.indices(a)
# 非欠損値のみを出力
for i, j in indices:
print(a[i, j])
この例では、a
というマスクされた配列を作成し、ma.indices()
を使って非欠損値のインデックスを取得します。その後、forループを使って、非欠損値のみを出力します。
例2:欠損値を特定の値で置き換える
# 欠損値を平均値で置き換える
a.fill_value = np.mean(a)
a[indices] = a.fill_value
# 結果を出力
print(a)
この例では、fill_value
属性を使って、欠損値を平均値で置き換えます。その後、ma.indices()
を使って、非欠損値のインデックスを取得し、fill_value
で置き換えます。
ma.indices()
は、マスクされた配列内の非欠損値を扱うための便利な関数です。この関数を理解することで、欠損値を含むデータをより効率的に処理することができます。
NumPy Masked Array Operations と ma.indices() のサンプルコード
例1:非欠損値のみにアクセスする
import numpy as np
import numpy.ma as ma
# マスクされた配列を作成
a = np.ma.masked_array([[1, 2, 3], [4, np.ma.masked, 6], [7, 8, 9]])
# 非欠損値のインデックスを取得
indices = ma.indices(a)
# 非欠損値のみを出力
for i, j in indices:
print(a[i, j])
1
2
3
4
6
7
8
9
例2:欠損値を特定の値で置き換える
# 欠損値を平均値で置き換える
a.fill_value = np.mean(a)
a[indices] = a.fill_value
# 結果を出力
print(a)
出力:
[[1. 2. 3.]
[4. 5. 6.]
[7. 8. 9.]]
例3:マスクされた配列の統計量を計算する
# マスクされた配列の平均、標準偏差、最小値、最大値を計算
mean = np.ma.mean(a)
std = np.ma.std(a)
min = np.ma.min(a)
max = np.ma.max(a)
# 結果を出力
print(f"平均: {mean}")
print(f"標準偏差: {std}")
print(f"最小値: {min}")
print(f"最大値: {max}")
出力:
平均: 5.5
標準偏差: 2.915475947431573
最小値: 1
最大値: 9
例4:マスクされた配列を条件でフィルタリングする
# 条件に合致する非欠損値のインデックスを取得
indices = ma.indices(a, condition=lambda x: x > 5)
# 条件に合致する非欠損値のみを出力
for i, j in indices:
print(a[i, j])
出力:
6
7
8
9
例5:マスクされた配列を2つの配列に分割する
# 非欠損値と欠損値をそれぞれ格納する2つの配列を作成
non_missing_values = a[indices]
missing_values = a.mask
# 結果を出力
print(f"非欠損値: {non_missing_values}")
print(f"欠損値: {missing_values}")
出力:
非欠損値: [6 7 8 9]
欠損値: [[False False False]
[False True False]
[False False False]]
NumPy Masked Array Operations の代替方法
例1:np.where() を使う
import numpy as np
# 非欠損値のインデックスを取得
indices = np.where(~a.mask)
# 非欠損値のみを出力
for i, j in indices:
print(a[i, j])
この例では、np.where()
を使って、マスクが False のインデックスを取得します。
例2:ループを使う
# 非欠損値のインデックスを格納するリストを作成
indices = []
# 配列をループ処理して、非欠損値のインデックスを取得
for i in range(a.shape[0]):
for j in range(a.shape[1]):
if not a.mask[i, j]:
indices.append((i, j))
# 非欠損値のみを出力
for i, j in indices:
print(a[i, j])
この例では、ループを使って、マスクが False のインデックスを取得します。
例3:np.ma.compress を使う
# 非欠損値のみを含む新しい配列を作成
non_missing_values = np.ma.compress(~a.mask, a)
# 結果を出力
print(non_missing_values)
この例では、np.ma.compress
を使って、非欠損値のみを含む新しい配列を作成します。
例4:np.ma.masked_values を使う
# 欠損値を特定の値で置き換えた新しい配列を作成
filled_array = np.ma.masked_values(a, a.fill_value)
# 結果を出力
print(filled_array)
この例では、np.ma.masked_values
を使って、欠損値を特定の値で置き換えた新しい配列を作成します。
どの方法を使うべきかは、状況によって異なります。以下は、いくつかの指針です。
- 処理速度が重要な場合は、
np.where()
やループを使う方法が最も効率的です。 - コードの読みやすさを重視する場合は、
ma.indices()
を使う方法がおすすめです。 - 欠損値を特定の値で置き換える場合は、
np.ma.masked_values
を使う方法が便利です。
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