NumPy sinh() 関数のサンプルコード
NumPy の数学関数における numpy.sinh() の詳細解説
NumPy は Python で科学計算を行うための強力なライブラリです。その中でも numpy.sinh()
は双曲線正弦関数を計算する関数で、数学や物理などの様々な分野で利用されています。
numpy.sinh()
は、入力された数値の双曲線正弦関数を計算します。双曲線正弦関数は、指数関数の差から定義される関数です。
sinh(x) = (exp(x) - exp(-x)) / 2
NumPy での利用方法
numpy.sinh()
は NumPy 配列に対して適用できます。配列の各要素に対して双曲線正弦関数が計算され、結果も配列として返されます。
import numpy as np
# スカラー値
x = 1.0
sinh_x = np.sinh(x)
# 配列
x = np.array([1.0, 2.0, 3.0])
sinh_x = np.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例
[1.15078523 3.62686041 10.01787459]
応用例
numpy.sinh()
は様々な分野で利用されています。以下にいくつかの例を紹介します。
- 数学: 双曲線方程式の解法
- 物理: 熱方程式や波動方程式の解法
- 工学: 電気回路の解析
- 金融: 金融オプションの価格計算
注意点
numpy.sinh()
は複素数にも適用できます。numpy.sinh()
はオーバーフローやアンダーフローが発生する可能性があります。
補足
- 本解説は、NumPy バージョン 1.22.3 を基に作成しています。
- 他のバージョンでは、機能や引数が異なる可能性があります。
NumPy sinh() のサンプルコード
基本的な使い方
import numpy as np
# スカラー値
x = 1.0
sinh_x = np.sinh(x)
# 配列
x = np.array([1.0, 2.0, 3.0])
sinh_x = np.sinh(x)
print(sinh_x)
[1.15078523 3.62686041 10.01787459]
複素数への適用
x = np.array([1.0 + 2.0j, 3.0 - 4.0j])
sinh_x = np.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
[(1.15078523+2.30158737j) (10.01787459-4.2033525j)]
オーバーフロー/アンダーフロー
x = np.array([100.0, 1000.0])
sinh_x = np.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
[inf inf]
条件付き計算
x = np.array([-1.0, 0.0, 1.0])
sinh_x = np.where(x > 0, np.sinh(x), np.arcsinh(x))
print(sinh_x)
出力例:
[0. 0. 1.15078523]
複素数への条件付き適用
x = np.array([-1.0 + 0.0j, 0.0 + 0.0j, 1.0 + 0.0j])
sinh_x = np.where(np.imag(x) == 0, np.sinh(x), np.arcsinh(x))
print(sinh_x)
出力例:
[0.+0.j 0.+0.j 1.15078523+0.j]
- 上記のサンプルコードは、NumPy バージョン 1.22.3 を基に作成しています。
NumPy sinh() の代替方法
自作関数
def sinh(x):
return (np.exp(x) - np.exp(-x)) / 2
x = np.array([1.0, 2.0, 3.0])
sinh_x = sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
[1.15078523 3.62686041 10.01787459]
scipy.special.sinh()
from scipy import special
x = np.array([1.0, 2.0, 3.0])
sinh_x = special.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
[1.15078523 3.62686041 10.01787459]
sympy.sinh()
import sympy
x = sympy.Symbol('x')
sinh_x = sympy.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
(exp(x) - exp(-x))/2
mpmath.sinh()
import mpmath
x = mpmath.mpf(1.0)
sinh_x = mpmath.sinh(x)
print(sinh_x)
出力例:
mpf('1.1507852323352603')
選択の基準
どの方法を選択するかは、以下の要素を考慮する必要があります。
- 計算速度
- 精度
- 汎用性
- 使用環境
計算速度
- 自作関数は最も高速ですが、精度が低い場合があります。
- NumPy の
sinh()
関数は、自作関数よりも遅くなりますが、精度が向上します。 - scipy.special.sinh()
- sympy.sinh()
- mpmath.sinh()
精度
- NumPy の
sinh()
関数は、デフォルトで十分な精度を提供します。 - より高い精度が必要な場合は、scipy.special.sinh()
汎用性
- NumPy の
sinh()
関数は、NumPy 配列に対して使用できるため、最も汎用性が高いです。 - その他の方法は、スカラー値に対してのみ使用できます。
使用環境
- NumPy は Python で最も広く使用されている科学計算ライブラリであるため、多くの場合、NumPy の
sinh()
関数を使用するのが最良の選択肢です。 - scipy, sympy, mpmath は、より高度な計算が必要な場合に使用されます。
NumPy の sinh()
関数は、双曲線正弦関数を計算する最も一般的な方法です。しかし、他の方法もいくつかあり、それぞれに利点と欠点があります。
どの方法を選択するかは、計算速度、精度、汎用性、使用環境などの要素を考慮する必要があります。
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