NumPy record.trace() 関数とは?
NumPy の Standard array subclasses における record.trace() の解説
Standard array subclasses とは
NumPy では、ndarray
オブジェクト以外にも、record
型など、いくつかの種類の配列を扱うことができます。これらの配列は "Standard array subclasses" と呼ばれ、それぞれ異なる特性を持っています。
record
型配列は、構造体のようなデータ構造を持つ配列です。各要素は、複数の属性を持つレコードとして表現されます。
record.trace()
は、record
型配列の対角要素の合計を計算します。対角要素とは、行と列のインデックスが一致する要素のことです。
record.trace()
は、以下の形式で呼び出すことができます。
record.trace(axis1=None, axis2=None, dtype=None, out=None)
axis1
: 対角要素の合計を計算する軸を指定します。デフォルトはNone
で、全ての軸の対角要素の合計を計算します。axis2
:axis1
と共に、対角要素の合計を計算する軸を指定します。デフォルトはNone
で、axis1
と同じ軸を使用します。dtype
: 結果のデータ型を指定します。デフォルトはNone
で、入力配列のデータ型と同じになります。out
: 結果を格納する配列を指定します。デフォルトはNone
で、新しい配列が作成されます。
record.trace() の例
以下の例では、record
型配列の対角要素の合計を計算しています。
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 対角要素の合計を計算
trace = data.trace()
# 結果の出力
print(trace)
この例では、trace
は 7.0
になります。
まとめ
record.trace()
は、record
型配列の対角要素の合計を計算する便利な関数です。Standard array subclasses を扱う際には、ぜひ活用してみてください。
補足
record.trace()
は、NumPy 1.17 以降で使用できます。
NumPy record.trace() のサンプルコード
複数の軸の対角要素の合計を計算する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float), ('z', complex)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5, 3j), (4, 5.5, 6j)], dtype=record_type)
# 軸1と軸2の対角要素の合計を計算
trace = data.trace(axis1=0, axis2=1)
# 結果の出力
print(trace)
結果のデータ型を指定する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 結果のデータ型を float64 に指定
trace = data.trace(dtype=np.float64)
# 結果の出力
print(trace)
この例では、trace
は 7.0
になります。
結果を格納する配列を指定する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 結果を格納する配列
out = np.zeros((), dtype=np.float64)
# 結果を格納する配列を指定
data.trace(out=out)
# 結果の出力
print(out)
この例では、out
は 7.0
になります。
その他
record.trace()
は、np.trace()
と同様に、対角要素以外の要素も計算することができます。詳細は、NumPy の公式ドキュメントを参照してください。record.trace()
は、record
型配列だけでなく、ndarray
オブジェクトにも使用できます。
NumPy record.trace() の代替方法
ループを使用する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 対角要素の合計を計算
trace = 0
for i in range(data.shape[0]):
trace += data[i, i]
# 結果の出力
print(trace)
この例では、trace
は 7.0
になります。
NumPy の einsum() 関数を使用する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 対角要素の合計を計算
trace = np.einsum('ii', data)
# 結果の出力
print(trace)
この例では、trace
は 7.0
になります。
NumPy の diagonal() 関数を使用する
import numpy as np
# 構造体型の定義
record_type = np.dtype([('x', int), ('y', float)])
# 配列の作成
data = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=record_type)
# 対角要素の合計を計算
trace = np.diagonal(data).sum()
# 結果の出力
print(trace)
この例では、trace
は 7.0
になります。
record.trace()
は、record
型配列の対角要素の合計を計算する便利な関数ですが、ループ、einsum()
関数、diagonal()
関数など、他にもいくつかの方法があります。
- 速度が重要な場合は、
einsum()
関数を使用するのが最良の方法です。 - 読みやすさを重視する場合は、ループを使用するのが良いでしょう。
- 柔軟性を重視する場合は、
diagonal()
関数を使用するのが良いでしょう。
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