pandasで多次元インデックスをフラット化する方法:to_flat_index メソッド徹底解説
pandas.Index.to_flat_index
メソッドは、多次元インデックスを持つ pandas
データフレームを、1次元インデックスに変換します。これは、データフレームを CSV ファイルなどのフラットな形式で保存したい場合や、多次元インデックスによる複雑な処理を避けたい場合に役立ちます。
メソッドの動作
to_flat_index
メソッドは、以下の引数を受け取ります。
- names: 生成されるフラットインデックスの名前のリスト。デフォルトでは、元のインデックス名のリストになります。
- drop_level: True の場合、元のインデックスからレベルを削除します。デフォルトでは False です。
メソッドは以下の処理を行います。
- 指定されたレベルを削除します。
- 残りのレベルを結合して、1次元インデックスを作成します。
- 作成されたインデックスに、
names
で指定された名前を割り当てます。
以下のサンプルコードは、to_flat_index
メソッドの使い方を示しています。
import pandas as pd
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# 1次元インデックスへの変換
flat_index = df.index.to_flat_index()
# 結果
print(flat_index)
# Index(['a1', 'b2', 'c3'], dtype='object')
この例では、df
データフレームは ['a', 'b', 'c']
と [1, 2, 3]
の2つのレベルを持つ多次元インデックスを持っています。to_flat_index
メソッドは、これらのレベルを結合して、['a1', 'b2', 'c3']
という1次元インデックスを作成します。
メソッドの利点
- データフレームをフラットな形式で保存しやすくなる。
- 多次元インデックスによる複雑な処理を避けられる。
- データフレームの構造を簡略化できる。
メソッドの欠点
- 元のインデックス情報が失われる。
- 複雑なインデックス構造を持つデータフレームには不向き。
to_flat_index
メソッドは、DataFrame.stack
メソッドと似ていますが、stack
メソッドは列もフラット化します。to_flat_index
メソッドは、DataFrame.reset_index
メソッドと似ていますが、reset_index
メソッドはインデックスを列に変換します。
pandas.Index.to_flat_index メソッドのサンプルコード集
サンプルコード 1: 多次元インデックスを持つデータフレームを1次元インデックスに変換する
import pandas as pd
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# 1次元インデックスへの変換
flat_index = df.index.to_flat_index()
# 結果
print(flat_index)
# Index(['a1', 'b2', 'c3'], dtype='object')
サンプルコード 2: 特定のレベルを削除して1次元インデックスに変換する
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# レベル '1' を削除して1次元インデックスに変換
flat_index = df.index.to_flat_index(drop_level=1)
# 結果
print(flat_index)
# Index(['a', 'b', 'c'], dtype='object')
この例では、to_flat_index
メソッドの drop_level
引数に True
を指定することで、レベル 1
を削除して1次元インデックスを作成しています。
サンプルコード 3: 名前付きインデックスを持つデータフレームを1次元インデックスに変換する
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]], columns=['X', 'Y'])
# 名前付きインデックスへの変換
flat_index = df.index.to_flat_index(names=['level1', 'level2'])
# 結果
print(flat_index)
# MultiIndex(levels=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]],
# codes=[[0, 1, 2], [0, 1, 2]],
# names=['level1', 'level2'])
この例では、to_flat_index
メソッドの names
引数にリストを渡すことで、名前付きインデックスを作成しています。
サンプルコード 4: インデックスと列を同時にフラット化する
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# インデックスと列を同時にフラット化
df = df.stack()
# 結果
print(df)
# level_1 level_2
# 0 a 1
# b 4
# c 7
# 1 a 2
# b 5
# c 8
# 2 a 3
# b 6
# c 9
この例では、to_flat_index
メソッドではなく stack
メソッドを使用することで、インデックスと列を同時にフラット化しています。
サンプルコード 5: 複数階層の多次元インデックスを持つデータフレームを1次元インデックスに変換する
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3], ['x', 'y', 'z']])
# 複数階層のインデックスを結合して1次元インデックスに変換
flat_index = df.index.to_flat_index()
# 結果
print(flat_index)
# Index(['a1x', 'b2y', '
pandas.Index.to_flat_index メソッド以外の方法
DataFrame.stack
メソッドは、列をインデックスに追加し、データフレームをフラット化します。
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# 列とインデックスを結合してフラット化
df = df.stack()
# 結果
print(df)
# level_1 level_2
# 0 a 1
# b 4
# c 7
# 1 a 2
# b 5
# c 8
# 2 a 3
# b 6
# c 9
この方法は、インデックスと列を同時にフラット化したい場合に便利です。
DataFrame.reset_index
メソッドは、インデックスを列に変換します。
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# インデックスを列に変換
df = df.reset_index()
# 結果
print(df)
# level_1 level_2 A B
# 0 a 1 1 4
# 1 b 2 2 5
# 2 c 3 3 6
この方法は、インデックスを列として扱いやすくしたい場合に便利です。
forループを使用して、インデックスの各レベルを結合することで、1次元インデックスを作成することもできます。
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# forループを使用して1次元インデックスを作成
flat_index = []
for i in range(df.shape[0]):
flat_index.append('-'.join([str(df.index[i][0]), str(df.index[i][1])]))
# 結果
print(flat_index)
# ['a-1', 'b-2', 'c-3']
この方法は、柔軟性がありますが、他の方法よりもコード量が多くなります。
自作関数
上記の方法を組み合わせて、自作関数を作成することもできます。
def to_flat_index(df, names=None):
"""
多次元インデックスを持つデータフレームを1次元インデックスに変換する
Args:
df: データフレーム
names: 生成されるフラットインデックスの名前のリスト
Returns:
1次元インデックス
"""
if names is None:
names = [f'level{i+1}' for i in range(df.index.nlevels)]
if df.index.nlevels == 1:
return df.index
return pd.Index([f'{i[0]}-{i[1]}' for i in df.index.values], names=names)
# サンプルデータフレーム
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]}, index=[['a', 'b', 'c'], [1, 2, 3]])
# 自作関数を使用して1次元インデックスを作成
flat_index = to_flat_index(df)
# 結果
print(flat_index)
# Index(['a-1', 'b-2', 'c-3'], dtype='object')
この方法は、複雑なインデックス構造を持つデータフレームを扱う場合に便利です。
どの方法を選択するかは、データフレームの構造と目的によって異なります。
- インデックスと列を同時にフラット化したい場合は、
DataFrame.stack
メソッドを使用します。 - インデックスを列として扱いやすくしたい場合は、`DataFrame.reset
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