PyTorch Tensor の角度 torch.Tensor.angle で画像処理・音声処理・機械学習の問題を解決しよう!
PyTorch Tensor の角度 torch.Tensor.angle:詳細解説
torch.Tensor.angle
は、複素数テンソルの各要素の角度を計算します。結果は弧度法で表現されます。
数学的背景
複素数 z=x+yi の角度 θ は、以下の式で計算できます。
θ = arg(z) = atan2(y, x)
ここで、atan2
は 2 つの引数を受け取り、原点から点 (x,y) までの角度を返します。
PyTorch では、torch.Tensor.angle
メソッドを使用して、複素数テンソルの各要素の角度を計算できます。
入力
input
: 複素数テンソルの入力。
出力
output
: 弧度法で表現された角度を含むテンソル。
コード例
import torch
# 複素数テンソルの作成
input = torch.complex(1, 2)
# 角度の計算
angle = torch.angle(input)
# 結果の出力
print(angle)
出力
0.6632455532033671
詳細
torch.Tensor.angle
は、input
テンソルの各要素が複素数であることを前提としています。- 出力テンソルの形状は、入力テンソルの形状と同じです。
- 出力テンソルの要素は、弧度法で表現された角度です。
関連関数
torch.abs
: テンソルの各要素の絶対値を計算します。torch.phase
: テンソルの各要素の位相を計算します。torch.polar
: 複素数テンソルを大きさ (絶対値) と位相に分けて表現します。
応用例
- 画像処理: 画像のフーリエ変換結果の角度を計算することで、エッジの方向を抽出できます。
- 音声処理: 音声信号の複素数スペクトルから、音のピッチを抽出できます。
- 機械学習: 複素数データを用いた機械学習モデルの開発に利用できます。
補足
- 上記の説明は、PyTorch 1.9.0 をベースにしています。
- 他のバージョンでは、仕様が異なる場合があります。
PyTorch Tensor の角度 torch.Tensor.angle サンプルコード集
import torch
# 複素数テンソルの作成
input = torch.complex(1, 2)
# 角度の計算
angle = torch.angle(input)
# 結果の出力
print(angle)
出力
0.6632455532033671
画像処理:エッジ検出
import torch
from PIL import Image
# 画像の読み込み
img = Image.open('image.png').convert('L')
# 画像をテンソルに変換
img_tensor = torch.from_numpy(np.array(img))
# フーリエ変換
fft = torch.fft.fft2(img_tensor)
# 角度計算
angle = torch.angle(fft)
# エッジ画像の表示
import matplotlib.pyplot as plt
plt.imshow(angle.abs().numpy(), cmap='gray')
plt.show()
音声処理:ピッチ抽出
import torch
from scipy.io import wavfile
# 音声ファイルの読み込み
sample_rate, signal = wavfile.read('audio.wav')
# 音声信号をテンソルに変換
signal_tensor = torch.from_numpy(signal)
# フーリエ変換
fft = torch.fft.fft(signal_tensor)
# 角度計算
angle = torch.angle(fft)
# ピッチの計算
pitch = sample_rate * angle / (2 * np.pi)
# ピッチの表示
print(pitch)
機械学習:複素数データを用いた分類
import torch
import torch.nn as nn
# データセットの作成
# 複素数データのサンプル
# モデルの定義
class ComplexNet(nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
# 複素数データを受け入れる層
self.fc1 = nn.Linear(2, 10)
# 出力層
self.fc2 = nn.Linear(10, 2)
def forward(self, x):
# 複素数の絶対値と位相を計算
x_abs = torch.abs(x)
x_angle = torch.angle(x)
# 連結
x = torch.cat((x_abs, x_angle), dim=1)
# 順伝播
x = x.view(-1)
x = self.fc1(x)
x = torch.relu(x)
x = self.fc2(x)
return x
# モデルの訓練
# ...
# 予測
# ...
補足
- 上記のコードはサンプルです。実際の用途に合わせて変更する必要があります。
- 複素数データの処理には、専門知識が必要となる場合があります。
PyTorch Tensor の角度 torch.Tensor.angle の代替方法
atan2 関数
import torch
# 複素数テンソルの作成
input = torch.complex(1, 2)
# atan2 関数による角度計算
angle = torch.atan2(input.imag, input.real)
# 結果の出力
print(angle)
出力
0.6632455532033671
torch.polar 関数
import torch
# 複素数テンソルの作成
input = torch.complex(1, 2)
# 複素数テンソルの大きさ・位相への分解
r, angle = torch.polar(input)
# 結果の出力
print(angle)
出力
0.6632455532033671
自作関数
import torch
def angle(input):
"""
複素数テンソルの角度を計算する関数
Args:
input: 複素数テンソルの入力
Returns:
角度 (弧度法)
"""
return torch.atan2(input.imag, input.real)
# 複素数テンソルの作成
input = torch.complex(1, 2)
# 角度計算
angle = angle(input)
# 結果の出力
print(angle)
出力
0.6632455532033671
方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
torch.Tensor.angle | 簡潔 | バージョンによって仕様が異なる可能性がある |
atan2 関数 | 汎用性が高い | 複素数テンソルの型変換が必要 |
torch.polar 関数 | 大きさと位相を同時に取得できる | 計算コストが比較的高い |
自作関数 | 柔軟性が高い | コード量が増える |
最適な方法の選択
最適な方法は、用途や環境によって異なります。
- 簡潔さを求める場合は、
torch.Tensor.angle
を使用します。 - 汎用性が高い方法を求める場合は、
atan2
関数を使用します。 - 大きさと位相を同時に取得したい場合は、
torch.polar
関数を使用します。 - 柔軟性が高い方法を求める場合は、自作関数を使用します。
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