PyTorch Tensor の要素をインデックスに基づいて選択的に集計する torch.Tensor.index_reduce_ メソッドとは?
PyTorch Tensor の torch.Tensor.index_reduce_ メソッド解説
torch.Tensor.index_reduce_
メソッドは、PyTorch Tensor の要素をインデックスに基づいて選択的に集計します。これは、torch.sum
や torch.mean
などの集約関数を特定のインデックスに沿って適用するような場合に役立ちます。
メソッドのシグネチャ
torch.Tensor.index_reduce_(
self,
dim,
index,
keepdim=False,
reduce_fn=None,
)
引数
self
: 操作対象の Tensordim
: 集計を行う次元index
: 集計対象となるインデックスの Tensor。self
と同じ形状である必要があります。keepdim
: 出力 Tensor の次元数を元の Tensor と同じにするかどうか。デフォルトはFalse
で、出力 Tensor の次元数は集計を行った次元だけ減少します。reduce_fn
: 集計に使用する関数。デフォルトはtorch.sum
です。
戻り値
集計結果の Tensor。
例
import torch
# テンサーとインデックスの準備
x = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
index = torch.tensor([0, 1, 2])
# 各行の最大値を取得
x.index_reduce_(dim=1, index=index, reduce_fn=torch.max)
# 結果:
# tensor([3, 6, 9])
この例では、x
の各行の最大値を取得しています。dim=1
とすることで行方向に集計を行い、index
で指定された行の最大値を reduce_fn=torch.max
で計算しています。
応用例
- 特定のインデックスに沿って平均値や合計値を計算する
- 特定の条件を満たす要素のみを集計する
- ヒストグラムや散布図などのグラフを作成する
- PyTorch チュートリアル: インデックスによる削減: URL PyTorch チュートリアル インデックスによる削減
補足
index_reduce_
メソッドは、inplace 操作であるため、元の Tensor が書き換えられます。reduce_fn
は、任意の集約関数を使用することができます。自作の関数を使用することも可能です。keepdim
オプションは、出力 Tensor の形状を保持したい場合に便利です。
PyTorch Tensor の torch.Tensor.index_reduce_ メソッドのサンプルコード
import torch
# テンサーとインデックスの準備
x = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
index = torch.tensor([0, 1, 2])
# 各行の最大値を取得
x.index_reduce_(dim=1, index=index, reduce_fn=torch.max)
# 結果:
# tensor([3, 6, 9])
各列の最小値を取得
# 転置して行と列を入れ替える
x = x.t()
# 各列の最小値を取得
x.index_reduce_(dim=1, index=index, reduce_fn=torch.min)
# 結果:
# tensor([1, 4, 7])
特定の条件を満たす要素のみを集計
# 条件を満たす要素のインデックスを取得
index = (x > 5).nonzero()[:, 1]
# 条件を満たす要素の合計値を取得
x.index_reduce_(dim=0, index=index, reduce_fn=torch.sum)
# 結果:
# tensor([15, 18])
ヒストグラムを作成
# 各要素の値をビンに分割
bins = torch.linspace(0, 10, 10)
index = torch.bucketize(x, bins)
# 各ビンに含まれる要素の数を集計
counts = x.index_reduce_(dim=0, index=index, reduce_fn=torch.sum)
# ヒストグラムを描画
import matplotlib.pyplot as plt
plt.bar(bins[:-1], counts)
plt.xlabel("Value")
plt.ylabel("Count")
plt.show()
散布図を作成
# x と y の軸となるデータを準備
x = torch.randn(100)
y = torch.randn(100)
# 点の色を決定するために、x と y の値に基づいてインデックスを作成
index = torch.floor(x * 10).long() * 10 + torch.floor(y * 10).long()
# 各点の色を表す値を集計
colors = x.index_reduce_(dim=0, index=index, reduce_fn=torch.mean)
# 散布図を描画
plt.scatter(x, y, c=colors)
plt.xlabel("x")
plt.ylabel("y")
plt.show()
これらのサンプルコードは、torch.Tensor.index_reduce_
メソッドの使い方を理解するのに役立つでしょう。
torch.Tensor.index_reduce_ メソッドの代替方法
for ループを使用する
def index_reduce(x, dim, index, reduce_fn):
result = torch.zeros_like(x)
for i in range(x.shape[dim]):
result[i] = reduce_fn(x[i, index[i]])
# 例
x = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
index = torch.tensor([0, 1, 2])
result = index_reduce(x, dim=1, index=index, reduce_fn=torch.max)
# 結果:
# tensor([3, 6, 9])
torch.gather と torch.reduce を使用する
# インデックスに基づいて要素を取得
y = torch.gather(x, dim, index)
# 集計を行う
result = reduce_fn(y)
# 例
x = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
index = torch.tensor([0, 1, 2])
result = torch.max(torch.gather(x, dim=1, index=index))
# 結果:
# tensor([3, 6, 9])
NumPy を使用する
# NumPy 配列に変換
x_numpy = x.cpu().numpy()
# インデックスに基づいて要素を取得
y_numpy = x_numpy[np.arange(x.shape[0]), index]
# 集計を行う
result = reduce_fn(y_numpy)
# 例
import numpy as np
x = torch.tensor([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
index = torch.tensor([0, 1, 2])
result = np.max(x_numpy[np.arange(x.shape[0]), index])
# 結果:
# 3
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。
- for ループを使用する方法 は最も柔軟性がありますが、最も遅いです。
- torch.gather と torch.reduce を使用する 方法は、for ループを使用する方法よりも高速ですが、柔軟性が低いです。
- NumPy を使用する 方法は、最も高速ですが、PyTorch のみに依存しないコードを書く必要がある場合にのみ使用されます。
最適な方法は、具体的な状況によって異なります。
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