PyTorch Tensor の matrix_power メソッドで正方行列の累乗計算をマスターしよう!
PyTorch Tensor の torch.Tensor.matrix_power メソッド
メソッドの概要
torch.Tensor.matrix_power(n) -> Tensor
引数
n
(int): 累乗指数。負の値の場合、逆行列を累乗します。
戻り値
- 入力テンソルの
n
乗を計算したテンソル
使用例
import torch
# 3x3 の正方行列を作成
A = torch.randn(3, 3)
# A の 2 乗を計算
A_squared = torch.matrix_power(A, 2)
# 逆行列の 3 乗を計算
A_inv_cubed = torch.matrix_power(A.inverse(), 3)
# 出力
print(A_squared)
print(A_inv_cubed)
詳細
torch.Tensor.matrix_power
は、Schur 法と呼ばれるアルゴリズムを使用して計算されます。- 大規模な行列に対しては、
torch.linalg.eigvalsh
やtorch.linalg.eig
などの固有値・固有ベクトル計算と組み合わせることで、より効率的に累乗計算を行うことができます。 - 負の累乗指数の場合、逆行列が存在しない場合はエラーが発生します。
補足
torch.Tensor.pow
メソッドは、要素ごとの累乗計算を行います。torch.Tensor.dot
メソッドは、2 つのベクトルの内積を計算します。
torch.Tensor.matrix_power メソッドのサンプルコード
行列の累乗
import torch
# ランダムな 3x3 行列を作成
A = torch.randn(3, 3)
# A の 2 乗、3 乗、4 乗を計算
A_squared = torch.matrix_power(A, 2)
A_cubed = torch.matrix_power(A, 3)
A_4th = torch.matrix_power(A, 4)
# 出力
print(f"A の 2 乗:\n{A_squared}")
print(f"A の 3 乗:\n{A_cubed}")
print(f"A の 4 乗:\n{A_4th}")
逆行列の累乗
import torch
# ランダムな 3x3 行列を作成
A = torch.randn(3, 3)
# A の逆行列の 2 乗、3 乗を計算
A_inv_squared = torch.matrix_power(A.inverse(), 2)
A_inv_cubed = torch.matrix_power(A.inverse(), 3)
# 出力
print(f"A の逆行列の 2 乗:\n{A_inv_squared}")
print(f"A の逆行列の 3 乗:\n{A_inv_cubed}")
対角行列の累乗
import torch
# 対角行列を作成
D = torch.diag(torch.tensor([1, 2, 3]))
# D の 2 乗、3 乗を計算
D_squared = torch.matrix_power(D, 2)
D_cubed = torch.matrix_power(D, 3)
# 出力
print(f"D の 2 乗:\n{D_squared}")
print(f"D の 3 乗:\n{D_cubed}")
特殊行列の累乗
import torch
# 転置行列を作成
P = torch.randn(3, 3).t()
# P の 2 乗、3 乗を計算
P_squared = torch.matrix_power(P, 2)
P_cubed = torch.matrix_power(P, 3)
# 出力
print(f"P の 2 乗:\n{P_squared}")
print(f"P の 3 乗:\n{P_cubed}")
複素行列の累乗
import torch
# 複素行列を作成
C = torch.randn(3, 3, dtype=torch.complex128)
# C の 2 乗、3 乗を計算
C_squared = torch.matrix_power(C, 2)
C_cubed = torch.matrix_power(C, 3)
# 出力
print(f"C の 2 乗:\n{C_squared}")
print(f"C の 3 乗:\n{C_cubed}")
バッチ処理
import torch
# バッチサイズ 3 の 3x3 行列を作成
A = torch.randn(3, 3, 3)
# A の 2 乗を計算
A_squared = torch.matrix_power(A, 2)
# 出力
print(f"A の 2 乗:\n{A_squared}")
torch.Tensor.matrix_power メソッド以外の累乗計算方法
ループによる繰り返し
def matrix_power_loop(A, n):
"""
ループによる累乗計算
Args:
A: 入力行列
n: 累乗指数
Returns:
累乗結果
"""
result = torch.eye(A.size(0), dtype=A.dtype, device=A.device)
for _ in range(n):
result = torch.matmul(result, A)
return result
# 例
A = torch.randn(3, 3)
n = 2
A_squared_loop = matrix_power_loop(A, n)
print(f"ループによる A の 2 乗:\n{A_squared_loop}")
固有値・固有ベクトルによる計算
def matrix_power_eig(A, n):
"""
固有値・固有ベクトルによる累乗計算
Args:
A: 入力行列
n: 累乗指数
Returns:
累乗結果
"""
eigvals, eigvecs = torch.linalg.eig(A)
diag_pow = torch.diag(eigvals ** n)
return torch.matmul(torch.matmul(eigvecs, diag_pow), eigvecs.inverse())
# 例
A = torch.randn(3, 3)
n = 2
A_squared_eig = matrix_power_eig(A, n)
print(f"固有値・固有ベクトルによる A の 2 乗:\n{A_squared_eig}")
これらのライブラリには、行列の累乗計算を含む様々な行列演算のための関数を提供しています。
torch.Tensor.matrix_power
メソッド以外にも、ループによる繰り返し、固有値・固有ベクトルによる計算、ライブラリの利用など、様々な方法で正方行列の累乗計算を行うことができます。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、計算速度、メモリ使用量、プログラミングの複雑さなどを考慮して最適な方法を選択する必要があります。
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