torch.Tensor.narrow メソッドで PyTorch Tensor の一部を切り取る
PyTorch Tensor の torch.Tensor.narrow メソッド解説
メソッドの概要
torch.Tensor.narrow(dim, start, length)
dim
: 部分集合を取得したい次元start
: 部分集合の開始インデックスlength
: 部分集合の長さ
メソッドの動作
narrow
メソッドは、元の Tensor と同じストレージを共有する新しい Tensor を返します。つまり、元の Tensor を変更すると、新しい Tensor も変更されます。
メソッドの例
# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)
# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(1, 1, 2)
print(tensor_narrowed)
# 出力:
# tensor([[ 6 7 8 9]
# [10 11 12 13]])
この例では、tensor
は 2 x 3 x 4 の Tensor です。narrow
メソッドを使用して、1番目の次元(行)で 2番目から4番目までの行を取得しています。
メソッドの応用例
narrow
メソッドは、さまざまな場面で使用できます。
- 画像処理: 画像の一部を切り取る
- 自然言語処理: 文の一部を抽出
- 機械学習: データセットの一部を選択
narrow
メソッドには、start
と length
の代わりに、indices
という引数を使用して、部分集合を取得することもできます。indices
は、取得したい要素のインデックスを含む Tensor です。
詳細は、PyTorch の公式ドキュメントを参照してください。
補足
関連するメソッド
torch.Tensor.slice
: 特定の次元における単一の要素を取得torch.Tensor.chunk
: Tensor を複数の部分に分割
注意事項
start
とlength
は、Tensor のサイズを超えてはいけません。indices
は、Tensor の要素数を超えてはいけません。
PyTorch Tensor の torch.Tensor.narrow メソッドのサンプルコード
画像処理
import torch
from PIL import Image
# 画像を読み込み、Tensor に変換
image = Image.open("image.jpg").convert("RGB")
tensor = torch.from_numpy(np.array(image))
# 画像の左半分を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(2, 0, tensor.size(2) // 2)
# 画像を保存
Image.fromarray(tensor_narrowed.numpy()).save("image_left.jpg")
自然言語処理
import torch
# 文を単語に分割
words = ["This", "is", "a", "sentence", "."]
# Tensor に変換
tensor = torch.tensor(words)
# 2番目から4番目までの単語を取得
tensor_narrowed = tensor.narrow(0, 1, 3)
# 文を再構築
sentence = " ".join(tensor_narrowed.tolist())
print(sentence)
# 出力:
# is a sentence
機械学習
import torch
# データセットを作成
data = torch.arange(100).view(10, 10)
# 5番目から10番目までの行を取得
tensor_narrowed = data.narrow(0, 4, 6)
# データセットを分割
train_data = tensor_narrowed[:5]
test_data = tensor_narrowed[5:]
# モデルを訓練
# ...
# モデルを評価
# ...
高度な使い方
詳細は、PyTorch の公式ドキュメントを参照してください。
PyTorch Tensor の一部を切り取る他の方法
スライシング
# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)
# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor[1:3]
print(tensor_narrowed)
# 出力:
# tensor([[ 6 7 8 9]
# [10 11 12 13]])
インデックス
# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)
# 1番目の次元(行)で、2番目と4番目の行を取得
tensor_narrowed = tensor[[1, 3]]
print(tensor_narrowed)
# 出力:
# tensor([[ 6 7 8 9]
# [18 19 20 21]])
.view メソッド
# 3次元 Tensor を作成
tensor = torch.arange(24).view(2, 3, 4)
# 1番目の次元(行)で、2番目から4番目までの行を取得
tensor_narrowed = tensor.view(1, -1, 4)[0]
print(tensor_narrowed)
# 出力:
# tensor([[ 6 7 8 9]
# [10 11 12 13]])
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。
- スライシングは、最も簡潔な方法ですが、複数の次元を同時に指定することはできません。
- インデックスは、複数の次元を同時に指定することができますが、コードが冗長になることがあります。
.view
メソッドは、最も柔軟な方法ですが、コードが複雑になることがあります。
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