PyTorch Distributed Checkpoint: LoadPlanner.set_up_planner()による詳細解説
PyTorchにおける分散チェックポイントとtorch.distributed.checkpoint.LoadPlanner.set_up_planner()の解説
LoadPlanner.set_up_planner()
は、分散チェックポイントの読み込みプロセスを計画するために使用されます。この関数は、以下の情報を設定します。
- 読み込むべきチェックポイントファイル
- 各GPUに割り当てるべきチェックポイントデータ
- 読み込み操作の順序
これらの設定は、チェックポイントファイルの読み込み時間を最小限に抑え、効率的な復元を実現するために重要です。
LoadPlanner.set_up_planner()
は以下の引数を受け取ります。
path
: チェックポイントファイルのパスchunks
: チェックポイントファイルを分割するチャンク数min_chunk_size
: 各チャンクの最小サイズstrategy
: 読み込み戦略
strategy
引数は、以下のいずれかの値を設定できます。
"load_all"
: すべてのチェックポイントデータを一度に読み込みます。"load_streamed"
: チェックポイントデータをストリーミング方式で読み込みます。
LoadPlanner.set_up_planner()の例
from torch.distributed.checkpoint import LoadPlanner
path = "/path/to/checkpoint.ckpt"
chunks = 10
min_chunk_size = 1024
max_chunk_size = 4096
strategy = "load_streamed"
planner = LoadPlanner(path, chunks, min_chunk_size, max_chunk_size, strategy)
planner.set_up_planner()
# モデルの復元
...
torch.distributed.checkpoint.LoadPlanner.set_up_planner()
は、PyTorchにおける分散チェックポイントの読み込みプロセスを効率的に管理するための関数です。この関数は、チェックポイントファイルの読み込み時間を最小限に抑え、効率的な復元を実現するために役立ちます。
PyTorch分散チェックポイントのサンプルコード
シンプルな例
from torch.distributed.checkpoint import Checkpoint, LoadPlanner
# モデルの定義
model = ...
# チェックポイントの作成
checkpoint = Checkpoint(model)
# チェックポイントの保存
checkpoint.save("/path/to/checkpoint.ckpt")
# モデルの復元
planner = LoadPlanner("/path/to/checkpoint.ckpt")
planner.set_up_planner()
# モデルの復元
...
チャンク化による効率的な読み込み
from torch.distributed.checkpoint import Checkpoint, LoadPlanner
# モデルの定義
model = ...
# チェックポイントの作成
checkpoint = Checkpoint(model)
# チェックポイントの保存
checkpoint.save("/path/to/checkpoint.ckpt", chunks=10)
# モデルの復元
planner = LoadPlanner("/path/to/checkpoint.ckpt")
planner.set_up_planner()
# モデルの復元
...
ストリーミング読み込みによるメモリ使用量の削減
from torch.distributed.checkpoint import Checkpoint, LoadPlanner
# モデルの定義
model = ...
# チェックポイントの作成
checkpoint = Checkpoint(model)
# チェックポイントの保存
checkpoint.save("/path/to/checkpoint.ckpt", chunks=10, strategy="load_streamed")
# モデルの復元
planner = LoadPlanner("/path/to/checkpoint.ckpt")
planner.set_up_planner()
# モデルの復元
...
マルチGPU環境での分散チェックポイント
from torch.distributed.checkpoint import Checkpoint, LoadPlanner
# モデルの定義
model = ...
# 分散環境の設定
...
# チェックポイントの作成
checkpoint = Checkpoint(model)
# チェックポイントの保存
checkpoint.save("/path/to/checkpoint.ckpt", distributed=True)
# モデルの復元
planner = LoadPlanner("/path/to/checkpoint.ckpt")
planner.set_up_planner()
# モデルの復元
...
PyTorch分散チェックポイントのその他の方法
torch.save()とtorch.load()
- すべてのチェックポイントデータを一度に読み込む必要がある
- 複数のGPU間でデータを転送する必要がある
独自の分散チェックポイント実装を開発することもできます。この方法は、以下の点で柔軟性がありますが、複雑な作業となります。
- チェックポイントファイルのフォーマットを自由に設計できる
- 独自の読み込みロジックを実装できる
サードパーティライブラリ
Hugging Face Transformersなどのサードパーティライブラリには、分散チェックポイント機能が組み込まれている場合があります。これらのライブラリを使用すれば、独自のコードを書くことなく、分散チェックポイント機能を利用できます。
- 必要な機能
- 開発時間
- パフォーマンス
シンプルなユースケースであれば、torch.save()
とtorch.load()
を使用するのが最も簡単です。
パフォーマンス重視の場合は、torch.distributed.checkpoint
モジュールを使用するか、独自の分散チェックポイント実装を開発することを検討してください。
柔軟性重視
柔軟性を重視する場合は、独自の分散チェックポイント実装を開発することを検討してください。
サードパーティライブラリの利用
Hugging Face Transformersなどのサードパーティライブラリに、必要な機能がすでに含まれている場合は、そのライブラリを使用することを検討してください。
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