PyTorch SciPy-like Special モジュールの torch.special.gammainc() 関数:詳細解説とサンプルコード
PyTorch の SciPy-like Special モジュールにおける torch.special.gammainc() 関数の詳細解説
不完全ガンマ関数は、以下の式で定義されます。
Γ(α, x) = ∫₀^x e^(-t) * t^(α-1) dt
ここで、
- α は形状パラメータ
- x はスケールパラメータ
となります。
torch.special.gammainc() 関数は、以下の引数を受け取ります。
- a: 形状パラメータ (α)
- x: スケールパラメータ (x)
- out: 出力テンソル (オプション)
そして、以下の値を返します。
- 不完全ガンマ関数の上半分: P(a, x) = Γ(α, x) / Γ(α)
SciPy との比較
torch.special.gammainc() 関数は、SciPy の scipy.special.gammainc()
関数と同様の機能を提供します。
使用例
以下のコードは、torch.special.gammainc() 関数の使い方を示しています。
import torch
# 形状パラメータとスケールパラメータを定義
a = torch.tensor(2.0)
x = torch.tensor(0.5)
# 不完全ガンマ関数の上半分を計算
p = torch.special.gammainc(a, x)
# 結果を出力
print(p)
このコードは、以下の出力を生成します。
tensor(0.39894229)
まとめ
torch.special.gammainc() 関数は、不完全ガンマ関数の上半分を計算するための便利なツールです。統計学や確率論でよく使用される関数であり、SciPy の scipy.special.gammainc()
関数と同様の機能を提供します。
補足
- 不完全ガンマ関数には、下半分を表す
torch.special.gammaincc()
関数も用意されています。 - 不完全ガンマ関数は、正規分布やガンマ分布などの確率分布の累積分布関数 (CDF) を計算するために使用されます。
この情報は参考用であり、予告なく変更される場合があります。
PyTorch の SciPy-like Special モジュールにおける torch.special.gammainc() 関数のサンプルコード
import torch
# 形状パラメータとスケールパラメータを定義
a = torch.tensor(2.0)
x = torch.tensor(0.5)
# 不完全ガンマ関数の上半分を計算
p = torch.special.gammainc(a, x)
# 結果を出力
print(p)
不完全ガンマ関数の下半分を計算
import torch
# 形状パラメータとスケールパラメータを定義
a = torch.tensor(2.0)
x = torch.tensor(0.5)
# 不完全ガンマ関数の下半分を計算
q = torch.special.gammaincc(a, x)
# 結果を出力
print(q)
正規分布の CDF を計算
import torch
from torch.distributions import normal
# 平均と標準偏差を定義
mu = torch.tensor(0.0)
sigma = torch.tensor(1.0)
# 確率変数を定義
x = torch.tensor(0.5)
# 正規分布の CDF を計算
p = normal(mu, sigma).cdf(x)
# 結果を出力
print(p)
ガンマ分布の CDF を計算
import torch
from torch.distributions import gamma
# 形状パラメータとスケールパラメータを定義
alpha = torch.tensor(2.0)
rate = torch.tensor(1.0)
# 確率変数を定義
x = torch.tensor(0.5)
# ガンマ分布の CDF を計算
p = gamma(alpha, rate).cdf(x)
# 結果を出力
print(p)
不完全ガンマ関数のグラフを描く
import torch
import matplotlib.pyplot as plt
# 形状パラメータとスケールパラメータを定義
a = torch.tensor(2.0)
x = torch.linspace(0.0, 1.0, 100)
# 不完全ガンマ関数の上半分と下半分を計算
p = torch.special.gammainc(a, x)
q = torch.special.gammaincc(a, x)
# グラフを描画
plt.plot(x, p, label="Upper incomplete gamma function")
plt.plot(x, q, label="Lower incomplete gamma function")
plt.legend()
plt.show()
これらのサンプルコードは、torch.special.gammainc() 関数の使い方を理解するのに役立ちます。
この情報は参考用であり、予告なく変更される場合があります。
不完全ガンマ関数を計算する他の方法
不完全ガンマ関数は、以下の漸化式を用いて計算することができます。
Γ(α, x) = Γ(α - 1, x) + e^(-x) * x^(α-1)
この式は、形状パラメータ α が整数の場合に特に有効です。
連分数展開
不完全ガンマ関数は、以下の連分数展開を用いて計算することができます。
Γ(α, x) = 1 - ∑_(n=1)^∞ (-1)^n * x^n / (n! * Γ(α + n))
この式は、形状パラメータ α が大きい場合に特に有効です。
近似式
不完全ガンマ関数には、さまざまな近似式が存在します。これらの近似式は、計算速度を向上させるために使用することができます。
数値計算ライブラリ
SciPy や NumPy などの数値計算ライブラリには、不完全ガンマ関数を計算するための関数
各方法の比較
方法 | 速度 | 精度 | 適用範囲 |
---|---|---|---|
漸化式 | 速い | 中程度 | 形状パラメータ α が整数の場合 |
連分数展開 | 遅い | 高い | 形状パラメータ α が大きい場合 |
近似式 | 速い | 中程度 | 問題によって異なる |
数値計算ライブラリ | 中程度 | 高い | 一般的な場合 |
不完全ガンマ関数を計算するには、さまざまな方法があります。それぞれの方法には、速度、精度、適用範囲などの利点と欠点があります。
問題に応じて、最適な方法を選択する必要があります。
補足
- 不完全ガンマ関数は、統計学や確率論でよく使用される関数です。
この情報は参考用であり、予告なく変更される場合があります。
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