Qt Widgets: QAbstractSpinBox クラスでスピンボックス機能を実装する
Qt Widgets: QAbstractSpinBox クラス
QAbstractSpinBox クラスは、以下の機能を提供します。
- 値の表示と編集: スピンボックスには、現在の値を表示するテキストボックスと、値を増加・減少させるための上下ボタンがあります。
- 値の範囲: スピンボックスには、最小値と最大値を設定することができます。
- ステップサイズ: スピンボックスは、値を増加・減少させる際のステップサイズを設定することができます。
- プレフィックスとサフィックス: スピンボックスには、値の前後に表示される文字列を設定することができます。
- 読み取り専用モード: スピンボックスを、値の編集ができない読み取り専用モードにすることができます。
QAbstractSpinBox クラスを継承する主なクラスは以下の通りです。
- QSpinBox: 整数値を入力するためのスピンボックス
- QDoubleSpinBox: 浮動小数点数値を入力するためのスピンボックス
- QDateEdit: 日付を入力するためのスピンボックス
- QDateTimeEdit: 日付と時刻を入力するためのスピンボックス
QAbstractSpinBox クラスを使用するには、以下の手順が必要です。
- 必要なヘッダーファイルのインクルード:
#include <QtWidgets/QAbstractSpinBox>
- スピンボックスウィジェットの作成:
QSpinBox *spinBox = new QSpinBox();
- ウィジェットのプロパティの設定:
spinBox->setMinimum(0);
spinBox->setMaximum(100);
spinBox->setValue(50);
- ウィジェットの表示:
spinBox->show();
QAbstractSpinBox クラスのサンプルコード
整数値スピンボックス
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QSpinBox>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 整数値スピンボックスの作成
QSpinBox spinBox;
// 最小値と最大値の設定
spinBox.setMinimum(0);
spinBox.setMaximum(100);
// 初期値の設定
spinBox.setValue(50);
// ウィジェットの表示
spinBox.show();
return app.exec();
}
浮動小数点数値スピンボックス
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QDoubleSpinBox>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 浮動小数点数値スピンボックスの作成
QDoubleSpinBox spinBox;
// 最小値と最大値の設定
spinBox.setMinimum(0.0);
spinBox.setMaximum(100.0);
// 初期値の設定
spinBox.setValue(50.0);
// 小数点以下の桁数の設定
spinBox.setDecimals(2);
// ウィジェットの表示
spinBox.show();
return app.exec();
}
日付スピンボックス
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QDateEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 日付スピンボックスの作成
QDateEdit dateEdit;
// 最小値と最大値の設定
dateEdit.setMinimumDate(QDate::currentDate().addDays(-7));
dateEdit.setMaximumDate(QDate::currentDate().addDays(7));
// 初期値の設定
dateEdit.setDate(QDate::currentDate());
// カレンダー表示形式の設定
dateEdit.setDisplayFormat("yyyy年MM月dd日");
// ウィジェットの表示
dateEdit.show();
return app.exec();
}
時刻スピンボックス
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QTimeEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 時刻スピンボックスの作成
QTimeEdit timeEdit;
// 最小値と最大値の設定
timeEdit.setMinimumTime(QTime::currentTime().addSecs(-3600));
timeEdit.setMaximumTime(QTime::currentTime().addSecs(3600));
// 初期値の設定
timeEdit.setTime(QTime::currentTime());
// 時刻表示形式の設定
timeEdit.setDisplayFormat("hh:mm:ss");
// ウィジェットの表示
timeEdit.show();
return app.exec();
}
日付時刻スピンボックス
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QDateTimeEdit>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 日付時刻スピンボックスの作成
QDateTimeEdit dateTimeEdit;
// 最小値と最大値の設定
dateTimeEdit.setMinimumDateTime(QDateTime::currentDateTime().addDays(-7));
dateTimeEdit.setMaximumDateTime(QDateTime::currentDateTime().addDays(7));
// 初期値の設定
dateTimeEdit.setDateTime(QDateTime::currentDateTime());
// 日付時刻表示形式の設定
dateTimeEdit.setDisplayFormat("yyyy年MM月dd日 hh:mm:ss");
// ウィジェットの表示
dateTimeEdit.show();
return app.exec();
}
QAbstractSpinBox クラスのその他の使用方法
値の検証
// 整数値スピンボックスの作成
QSpinBox spinBox;
// 値の範囲を設定
spinBox.setRange(0, 100);
// 無効な値が入力された時の処理
spinBox.valueChanged.connect([&](int value) {
if (value < 0 || value > 100) {
// エラーメッセージを表示
QMessageBox::warning(this, "エラー", "無効な値です");
// 値を元に戻す
spinBox.setValue(spinBox.previousValue());
}
});
単位の設定
QAbstractSpinBox クラスは、値の単位を設定する機能を提供します。
// 浮動小数点数値スピンボックスの作成
QDoubleSpinBox spinBox;
// 単位の設定
spinBox.setSuffix(" m");
// 初期値の設定
spinBox.setValue(10.0);
ボタンの表示設定
QAbstractSpinBox クラスは、上下ボタンの表示設定機能を提供します。
// 整数値スピンボックスの作成
QSpinBox spinBox;
// 上下ボタンを非表示にする
spinBox.setButtonSymbols(QAbstractSpinBox::NoButtons);
スピンボックスのスタイル設定
QAbstractSpinBox クラスは、スピンボックスのスタイルを設定する機能を提供します。
// 整数値スピンボックスの作成
QSpinBox spinBox;
// フォントの設定
spinBox.setFont(QFont("Arial", 12));
// 背景色の設定
spinBox.setStyleSheet("background-color: #ff0000");
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