Qt GUI アプリケーションにおける QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() のサンプルコード

Qt GUIにおける QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() の解説

QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() は、Qt GUI アプリケーションにおいて、アクセシビリティ機能を利用するテキスト選択イベントの処理に役立つ関数です。この関数は、テキスト編集コントロールなどのオブジェクトでテキストを選択する際に、アクセシビリティツールに通知するために使用されます。

この関数の重要性

視覚障碍者などのユーザーは、画面上のテキストを読むためにスクリーンリーダーなどのアクセシビリティツールを使用します。これらのツールは、QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() などのイベントを通じて、アプリケーションの状態を把握し、ユーザーに情報を提供します。

この関数の使い方

QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() は、以下の引数を受け取ります。

• start: 選択範囲の開始位置
• end: 選択範囲の終了位置

これらの引数は、テキスト編集コントロール内の文字のインデックスとして指定されます。

例

以下のコードは、QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() を使って、テキスト編集コントロール内のテキストを選択する例です。

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QAccessibleTextSelectionEvent event(textEdit, textEdit->selectionStart(), textEdit->selectionEnd());
  QApplication::sendEvent(textEdit, &event);
}

このコードでは、textEdit というテキスト編集コントロールの選択範囲が変更された際に、on_textEdit_selectionChanged() というスロットが呼び出されます。このスロットでは、QAccessibleTextSelectionEvent オブジェクトを作成し、選択範囲の開始位置と終了位置を設定します。最後に、QApplication::sendEvent() 関数を使って、このイベントをテキスト編集コントロールに送信します。

補足

• QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() は、Qt 5 以降で使用できます。
• この関数は、テキスト編集コントロール以外にも、QTextTable などの他のテキストベースのオブジェクトでも使用できます。

Qt GUIにおける QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() のサンプルコード

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QAccessibleTextSelectionEvent event(textEdit, textEdit->selectionStart(), textEdit->selectionEnd());
  QApplication::sendEvent(textEdit, &event);
}

このコードは、textEdit というテキスト編集コントロールの選択範囲が変更された際に、on_textEdit_selectionChanged() というスロットが呼び出されます。このスロットでは、QAccessibleTextSelectionEvent オブジェクトを作成し、選択範囲の開始位置と終了位置を設定します。最後に、QApplication::sendEvent() 関数を使って、このイベントをテキスト編集コントロールに送信します。

テーブルセルを選択する

void on_tableWidget_cellClicked(int row, int column)
{
  QAccessibleTextSelectionEvent event(tableWidget, tableWidget->selectionModel()->selection().first().topLeft(), tableWidget->selectionModel()->selection().first().bottomRight());
  QApplication::sendEvent(tableWidget, &event);
}

このコードは、tableWidget というテーブルウィジェットのセルがクリックされた際に、on_tableWidget_cellClicked() というスロットが呼び出されます。このスロットでは、QAccessibleTextSelectionEvent オブジェクトを作成し、選択されたセルの左上のセルと右下のセルのインデックスを設定します。最後に、QApplication::sendEvent() 関数を使って、このイベントをテーブルウィジェットに送信します。

複数行を選択する

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QAccessibleTextSelectionEvent event(textEdit);
  for (QTextBlock block : textEdit->document()->blocks()) {
    if (block.selection().isValid()) {
      event.addSelection(block.selection().start(), block.selection().end());
    }
  }
  QApplication::sendEvent(textEdit, &event);
}

このコードは、textEdit というテキスト編集コントロールの選択範囲が変更された際に、on_textEdit_selectionChanged() というスロットが呼び出されます。このスロットでは、QAccessibleTextSelectionEvent オブジェクトを作成し、すべての選択されたテキストブロックの範囲を追加します。最後に、QApplication::sendEvent() 関数を使って、このイベントをテキスト編集コントロールに送信します。

テキストを選択して、そのテキストを音声で読み上げる

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QAccessibleTextSelectionEvent event(textEdit, textEdit->selectionStart(), textEdit->selectionEnd());
  QApplication::sendEvent(textEdit, &event);

  // スクリーンリーダーにテキストを読み上げるように通知する
  QAccessible::speak(textEdit->selection().text());
}

このコードは、textEdit というテキスト編集コントロールの選択範囲が変更された際に、on_textEdit_selectionChanged() というスロットが呼び出されます。このスロットでは、QAccessibleTextSelectionEvent オブジェクトを作成し、選択範囲の開始位置と終了位置を設定します。最後に、QApplication::sendEvent() 関数を使って、このイベントをテキスト編集コントロールに送信します。その後、QAccessible::speak() 関数を使って、スクリーンリーダーに選択されたテキストを読み上げるように通知します。

**これらのサンプルコードは、Qt GUI アプリケーション

Qt GUIにおける QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() の代替方法

QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() の代わりに、QAccessible::setTextSelection() 関数を使用して、テキストを選択することができます。この関数は、以下の引数を受け取ります。

• object: テキストを選択するオブジェクト

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QAccessible::setTextSelection(textEdit, textEdit->selectionStart(), textEdit->selectionEnd());
}

QTextCursor クラスを使用して、テキストを選択することもできます。QTextCursor オブジェクトは、テキスト編集コントロール内のカーソルを表します。

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  QTextCursor cursor(textEdit);
  cursor.setPosition(textEdit->selectionStart());
  cursor.movePosition(QTextCursor::End, QTextCursor::KeepAnchor);
  textEdit->setTextCursor(cursor);
}

QTextBlock::setSelection() を使用する

QTextBlock クラスを使用して、テキストブロックを選択することもできます。QTextBlock オブジェクトは、テキスト編集コントロール内の1行を表します。

void on_textEdit_selectionChanged()
{
  for (QTextBlock block : textEdit->document()->blocks()) {
    if (block.selection().isValid()) {
      block.setSelection(block.selection().start(), block.selection().end());
    }
  }
}

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。

• QAccessibleTextSelectionEvent::setSelection() は、アクセシビリティツールとの互換性が高いという利点がありますが、他の方法よりも複雑です。
• QAccessible::setTextSelection() は、シンプルで使いやすいという利点がありますが、アクセシビリティツールとの互換性が低いという欠点があります。
• QTextCursor は、柔軟性が高いという利点がありますが、他の方法よりも複雑です。
• QTextBlock::setSelection() は、効率的なという利点がありますが、他の方法よりも機能が限定されています。

どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。