Qt GUI のコンテキストメニューをマスターしよう! QContextMenuEvent::reason() の使い方
Qt GUI の QContextMenuEvent::reason() の解説
QContextMenuEvent::Reason の概要
QContextMenuEvent::reason() は、以下の理由を表す列挙型 QContextMenuEvent::Reason を返します。
- Mouse: マウスボタンがクリックされたときにメニューが表示されたことを示します。
- Keyboard: キーボードショートカットを使用してメニューが表示されたことを示します。
- Other: 上記以外の方法でメニューが表示されたことを示します。
各理由の詳細
1 Mouse
QContextMenuEvent::Reason::Mouse は、以下のいずれかの状況で発生します。
- マウスボタンを右クリックした。
- マウスボタンを長押しした。
- タッチスクリーンデバイスでメニューボタンをタップした。
QContextMenuEvent::pos() と QContextMenuEvent::globalPos() を使用して、マウスカーソルまたはタッチポイントの位置を取得できます。
2 Keyboard
QContextMenuEvent::Reason::Keyboard は、以下のいずれかのキーを押したときに発生します。
- Shift + F10
- Menu キー
- Application キー + ContextMenu キー
QContextMenuEvent::modifiers() を使用して、押された修飾キーを取得できます。
3 Other
QContextMenuEvent::Reason::Other は、以下のいずれかの状況で発生します。
- プログラムコードによってメニューが直接表示された。
- ウィジェット固有のコンテキストメニューが表示された。
QContextMenuEvent::reason() が QContextMenuEvent::Reason::Other を返す場合、イベントオブジェクトには理由に関する追加情報が含まれない可能性があります。
QContextMenuEvent::reason() の使い方
QContextMenuEvent::reason() は、コンテキストメニューを表示する理由に基づいて、メニューの内容を動的に変更するために使用できます。
例えば、以下のコードは、マウスでメニューが表示された場合は通常のメニューを表示し、キーボードでメニューが表示された場合はヘルプメニューを表示します。
void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Mouse) {
// 通常のメニューを表示
} else if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Keyboard) {
// ヘルプメニューを表示
}
}
まとめ
QContextMenuEvent::reason() は、Qt GUI アプリケーションでコンテキストメニューイベントが発生した理由を特定するために使用できる関数です。この関数は、イベントオブジェクトに含まれる情報に基づいて、メニューがどのように表示されたのかを判断することができます。
QContextMenuEvent::reason() のサンプルコード
メニューの内容を動的に変更する
void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Mouse) {
// 通常のメニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");
menu.exec(event->globalPos());
} else if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Keyboard) {
// ヘルプメニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("ヘルプ");
menu.exec(event->globalPos());
}
}
メニューを表示する場所を制御する
void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Mouse) {
// マウスカーソルの位置にメニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");
menu.exec(event->globalPos());
} else if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Keyboard) {
// ウィジェットの中央にメニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("ヘルプ");
menu.exec(rect().center());
}
}
修飾キーを取得する
void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Keyboard) {
// 押された修飾キーを取得
Qt::KeyboardModifiers modifiers = event->modifiers();
if (modifiers & Qt::ShiftModifier) {
// Shift キーが押されている
}
if (modifiers & Qt::ControlModifier) {
// Ctrl キーが押されている
}
}
}
イベントオブジェクトからその他の情報を取得する
void MyWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
// イベントが発生したウィジェットを取得
QWidget *widget = event->widget();
// イベントが発生したスクリーン座標を取得
QPoint globalPos = event->globalPos();
// イベントが発生したウィジェット内での座標を取得
QPoint pos = event->pos();
// メニューを表示する前に処理を行う
if (event->reason() == QContextMenuEvent::Reason::Mouse) {
// ...
}
}
QContextMenuEvent::reason() 以外の方法
ウィジェット固有のコンテキストメニュー
ウィジェットクラスによっては、独自のコンテキストメニューを表示する機能が提供されている場合があります。
例えば、QTableWidget クラスは、以下の方法でコンテキストメニューを表示することができます。
void QTableWidget::contextMenuEvent(QContextMenuEvent *event) {
// 独自のコンテキストメニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("行を挿入");
menu.addAction("行を削除");
menu.exec(event->globalPos());
}
プログラムコードから直接メニューを表示する
QMenu::exec() 関数を使用して、プログラムコードから直接コンテキストメニューを表示することができます。
void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent *event) {
if (event->button() == Qt::RightButton) {
// プログラムコードから直接メニューを表示
QMenu menu(this);
menu.addAction("アクション1");
menu.addAction("アクション2");
menu.exec(event->globalPos());
}
}
イベントフィルタを使用する
QEventFilter::eventFilter() 関数を使用して、コンテキストメニューイベントを処理することができます。
bool MyEventFilter::eventFilter(QObject *object, QEvent *event) {
if (event->type() == QEvent::ContextMenu) {
// イベントを処理
return true;
}
return false;
}
その他の方法
上記以外にも、以下のような方法でコンテキストメニューを表示することができます。
- Qt Designer を使用して、コンテキストメニューをデザインする。
- QAction クラスを使用して、メニュー項目を定義する。
- QStyle クラスを使用して、メニューのスタイルを設定する。
QContextMenuEvent::reason() は、コンテキストメニューを表示する理由を特定する便利な関数です。しかし、他の方法も存在するため、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。
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