Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::toLast()徹底解説
Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapper::toLast()解説
QDataWidgetMapper::toLast()は、Qt Widgets モジュールのデータモデルとウィジェット間のマッピングを扱うクラスQDataWidgetMapperのメソッドです。このメソッドは、マッピングされているデータモデル内の最後のレコードに関連付けられたウィジェットにフォーカスを移動します。
使用方法
QDataWidgetMapper::toLast()を使用するには、以下の手順が必要です。
- QDataWidgetMapperオブジェクトを作成します。
- マッピングするデータモデルを設定します。
- マッピングするウィジェットを設定します。
- toLast()メソッドを呼び出します。
例
以下のコードは、QDataWidgetMapper::toLast()を使用する例です。
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// データモデルの作成
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age");
// データの追加
model.appendRow(new QStandardItem("John"));
model.appendRow(new QStandardItem("Jane"));
// ウィジェットの作成
QLineEdit nameEdit;
QSpinBox ageEdit;
// データモデルとウィジェットのマッピング
QDataWidgetMapper mapper;
mapper.setModel(&model);
mapper.addMapping(&nameEdit, 0);
mapper.addMapping(&ageEdit, 1);
// 最後のレコードにフォーカスを移動
mapper.toLast();
// ウィジェットの表示
nameEdit.show();
ageEdit.show();
return app.exec();
}
このコードでは、まずQStandardItemModelというデータモデルを作成し、そこに2つのレコードを追加します。次に、QLineEditとQSpinBoxという2つのウィジェットを作成します。そして、QDataWidgetMapperオブジェクトを作成し、データモデルとウィジェットをマッピングします。最後に、toLast()メソッドを呼び出すことで、最後のレコードに関連付けられたウィジェットであるageEditにフォーカスを移動します。
QDataWidgetMapper::toLast()メソッドの詳細については、以下のQtドキュメントを参照してください。
補足
- QDataWidgetMapper::toLast()メソッドは、データモデル内にレコードがない場合は何もしません。
- QDataWidgetMapper::toLast()メソッドは、現在のレコードインデックスを最後のレコードインデックスに設定します。
- QDataWidgetMapper::toLast()メソッドは、currentChanged()シグナルを発行します。
QDataWidgetMapper::toLast()を使用したサンプルコード
複数のウィジェットを同時に更新
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// データモデルの作成
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age");
// データの追加
model.appendRow(new QStandardItem("John"));
model.appendRow(new QStandardItem("Jane"));
// ウィジェットの作成
QLineEdit nameEdit;
QSpinBox ageEdit;
QLabel statusLabel;
// データモデルとウィジェットのマッピング
QDataWidgetMapper mapper;
mapper.setModel(&model);
mapper.addMapping(&nameEdit, 0);
mapper.addMapping(&ageEdit, 1);
mapper.addMapping(&statusLabel, 2); // 追加: ステータスラベル
// 最後のレコードにフォーカスを移動
mapper.toLast();
// ウィジェットの表示
nameEdit.show();
ageEdit.show();
statusLabel.show();
return app.exec();
}
カスタマイズされた更新処理
#include <QtWidgets>
class MyMapper : public QDataWidgetMapper {
Q_OBJECT
public:
MyMapper(QWidget *parent = nullptr) : QDataWidgetMapper(parent) {}
protected:
void toLast() override {
QDataWidgetMapper::toLast();
// 最後のレコードにフォーカスを移動した後の処理
// 例:ステータスラベルにメッセージを表示
QLineEdit *nameEdit = qobject_cast<QLineEdit*>(mappedWidgetAt(0));
QLabel *statusLabel = qobject_cast<QLabel*>(mappedWidgetAt(2));
if (nameEdit && statusLabel) {
statusLabel->setText("最後のレコード:" + nameEdit->text());
}
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// データモデルの作成
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age");
// データの追加
model.appendRow(new QStandardItem("John"));
model.appendRow(new QStandardItem("Jane"));
// ウィジェットの作成
QLineEdit nameEdit;
QSpinBox ageEdit;
QLabel statusLabel;
// カスタマイズされたマッパーの作成
MyMapper mapper;
mapper.setModel(&model);
mapper.addMapping(&nameEdit, 0);
mapper.addMapping(&ageEdit, 1);
mapper.addMapping(&statusLabel, 2);
// 最後のレコードにフォーカスを移動
mapper.toLast();
// ウィジェットの表示
nameEdit.show();
ageEdit.show();
statusLabel.show();
return app.exec();
}
このコードでは、QDataWidgetMapper::toLast()
をカスタマイズして、最後のレコードにフォーカスを移動した後、追加の処理を実行します。この例では、statusLabel
に最後のレコードの名前を表示しています。
その他のサンプル
- ソートされたデータモデルの最後のレコードにフォーカスを移動する
- 特定の条件に合致する最初のレコードにフォーカスを移動する
- 現在のレコードインデックスに基づいて、ボタンの状態を更新する
これらのサンプルコードは、QDataWidgetMapper::toLast()メソッドの使い方を理解するのに役立ちます。
QDataWidgetMapper::toLast() 以外の方法
QAbstractItemModel::index() メソッド
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// データモデルの作成
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age");
// データの追加
model.appendRow(new QStandardItem("John"));
model.appendRow(new QStandardItem("Jane"));
// 最後のレコードのインデックスを取得
QModelIndex index = model.index(model.rowCount() - 1, 0);
// ウィジェットにフォーカスを移動
QItemDelegate *delegate = model.itemDelegate();
if (delegate) {
delegate->setFocus(index, Qt::FocusReason::OtherFocusReason);
}
return app.exec();
}
このコードでは、QAbstractItemModel::index()
メソッドを使用して、データモデル内の最後のレコードのインデックスを取得します。そして、QItemDelegate::setFocus()
メソッドを使用して、そのインデックスに関連付けられたウィジェットにフォーカスを移動します。
QListView::scrollToBottom() メソッド
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// データモデルの作成
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age");
// データの追加
model.appendRow(new QStandardItem("John"));
model.appendRow(new QStandardItem("Jane"));
// リストビューの作成
QListView listView;
listView.setModel(&model);
// リストビューを最後のレコードにスクロール
listView.scrollToBottom();
return app.exec();
}
このコードでは、QListView::scrollToBottom()
メソッドを使用して、リストビューを最後のレコードにスクロールします。
その他の方法
- QAbstractItemView::setCurrentIndex() メソッド
- QAbstractScrollArea::ensureVisible() メソッド
- カスタムコード
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
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