Qt GUI のフォント DPI 取得:QFontMetrics::fontDpi() の詳細解説とサンプルコード

2024-04-16

Qt GUI における QFontMetrics::fontDpi() の詳細解説

QFontMetrics::fontDpi() の主な役割は以下の通りです。

  • フォントのサイズとスケーリング: DPI 情報は、フォントを画面に適切なサイズで表示するために必要不可欠です。異なる DPI の画面でフォントを表示する場合、DPI 情報に基づいてフォントをスケーリングすることで、一貫した表示を実現することができます。
  • フォントの鮮明度: DPI 情報は、フォントの鮮明度を評価するためにも使用されます。DPI が高いほど、フォントはより鮮明に表示されます。
  • テキストレイアウト: テキストレイアウトを行う際、DPI 情報は行間や文字間などの調整に役立ちます。

QFontMetrics::fontDpi() の使い方は非常に簡単です。以下のコード例のように、QFontMetrics オブジェクトから直接呼び出すことができます。

QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

int dpi = fm.fontDpi();

上記のコード例では、"Arial" フォントのサイズを 12 ポイントに設定し、QFontMetrics オブジェクトを作成しています。その後、QFontMetrics::fontDpi() メソッドを呼び出して、フォントの DPI を取得しています。

QFontMetrics::fontDpi() の注意点

QFontMetrics::fontDpi() は、論理 DPI を返します。論理 DPI は、オペレーティングシステムによって設定される仮想的な DPI です。実際の画面 DPI は、論理 DPI と異なる場合があります。

実際の画面 DPI を取得するには、QScreen::physicalDotPerInch() 関数を使用する必要があります。

QScreen* screen = QGuiApplication::primaryScreen();
int physicalDpi = screen->physicalDotPerInch();

QFontMetrics::fontDpi() は、様々な場面で役立ちます。以下に、いくつか例を挙げます。

  • DPI に応じたフォントサイズの調整: 異なる DPI の画面でフォントを表示する場合、QFontMetrics::fontDpi() を使用してフォントサイズを調整することができます。
  • 高 DPI ディスプレイへの対応: 高 DPI ディスプレイでは、フォントがより小さく表示されるため、QFontMetrics::fontDpi() を使用してフォントサイズを調整する必要があります。
  • テキストレイアウトの最適化: テキストレイアウトを行う際、QFontMetrics::fontDpi() を使用して行間や文字間を調整することができます。

QFontMetrics::fontDpi() は、Qt GUI における重要な関数であり、フォント情報取得に不可欠です。この関数を理解することで、フォントを適切に表示し、様々なデバイスに対応したアプリケーション開発が可能になります。



Qt GUI における QFontMetrics::fontDpi() のサンプルコード

サンプルコード 1: フォントサイズの調整

このサンプルコードでは、QFontMetrics::fontDpi() を使用して、異なる DPI の画面でフォントサイズを調整する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hello, Qt!");
  label.setFont(QFont("Arial", 12));

  // 論理 DPIを取得
  int logicalDpi = QFontMetrics(label.font()).fontDpi();

  // 画面 DPI を取得
  QScreen* screen = QGuiApplication::primaryScreen();
  int physicalDpi = screen->physicalDotPerInch();

  // 論理 DPI と画面 DPI の比を計算
  double scaleFactor = (double)physicalDpi / logicalDpi;

  // フォントサイズをスケーリング
  int fontSize = (int)(label.font().pointSize() * scaleFactor);
  label.setFont(QFont(label.font().family(), fontSize));

  label.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、まず QFontMetrics::fontDpi() を使用してフォントの論理 DPI を取得します。次に、QScreen::physicalDotPerInch() を使用して画面の DPI を取得します。その後、論理 DPI と画面 DPI の比を計算し、その比を使用してフォントサイズをスケーリングします。最後に、スケーリングされたフォントサイズをラベルに設定します。

サンプルコード 2: 高 DPI ディスプレイへの対応

このサンプルコードでは、QFontMetrics::fontDpi() を使用して、高 DPI ディスプレイに対応する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hello, Qt!");
  label.setFont(QFont("Arial", 12));

  // 画面 DPI を取得
  QScreen* screen = QGuiApplication::primaryScreen();
  int physicalDpi = screen->physicalDotPerInch();

  // 高 DPI ディスプレイかどうかを判定
  bool isHighDpi = physicalDpi > 150;

  if (isHighDpi) {
    // フォントサイズをスケーリング
    int fontSize = (int)(label.font().pointSize() * 1.5);
    label.setFont(QFont(label.font().family(), fontSize));
  }

  label.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、まず QScreen::physicalDotPerInch() を使用して画面の DPI を取得します。次に、画面 DPI が 150 を超えているかどうかを判定します。150 を超えている場合は、高 DPI ディスプレイとみなして、QFontMetrics::fontDpi() を使用せずにフォントサイズを 1.5 倍にスケーリングします。

サンプルコード 3: テキストレイアウトの最適化

このサンプルコードでは、QFontMetrics::fontDpi() を使用して、テキストレイアウトを最適化する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label("Hello, Qt!\nThis is a long sentence that needs to be wrapped.");
  label.setFont(QFont("Arial", 12));
  label.setWordWrap(true);

  // 論理 DPI を取得
  int logicalDpi = QFontMetrics(label.font()).fontDpi();

  // 画面 DPI を取得
  QScreen* screen = QGuiApplication::primaryScreen();
  int physicalDpi = screen->physicalDotPerInch();

  // 論理 DPI と画面 DPI の比を計算
  double scaleFactor = (double)physicalDpi / logicalDpi;

  // 行間と文字間をスケーリング
  int lineHeight = (int)(label.fontMetrics().height() * scaleFactor);
  label.setLineWidth(lineHeight);
  label.setMinimumHeight(lineHeight * 4);

  label.show();

  return app.exec();
}

このコードでは、まず QFontMetrics::fontDpi() を使用してフォントの論理 DPI を取得します。次に、QScreen::physicalDotPerInch() を使用



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