QDesktopServices::setUrlHandler()によるURLハンドラの設定

Qt GUIにおけるQDesktopServices::setUrlHandler()の詳細解説

QDesktopServices::setUrlHandler()は、Qt GUIアプリケーションで特定のURLスキームに対するハンドラを設定するための関数です。このハンドラは、URLがクリックされたときに実行される処理を定義します。

主な用途

• 特定のURLスキームをアプリケーション内で処理したい場合
• 独自のアプリケーションプロトコルを実装したい場合
• デフォルトのブラウザではなく、アプリケーション内でURLを開きたい場合

#include <QDesktopServices>
#include <QUrl>

void myHandler(const QUrl& url) {
  // ここにURL処理のコードを記述
  // 例：
  if (url.scheme() == "myapp") {
    // アプリケーション固有の処理を行う
  } else {
    // デフォルトのブラウザでURLを開く
    QDesktopServices::openUrl(url);
  }
}

int main(int argc, char** argv) {
  // "myapp"スキームに対するハンドラを設定
  QDesktopServices::setUrlHandler("myapp", &myHandler);

  // ...

  return 0;
}

詳細説明

• 引数
  • scheme: ハンドラを設定したいURLスキーム
  • receiver: ハンドラとして呼び出されるQObject
  • method: ハンドラとして呼び出されるQObjectのメンバー関数名
• 戻り値
  • 成功した場合: true
  • 失敗した場合: false
• 注意点
  • ハンドラを設定する前に、QDesktopServices::openUrl()で同じURLスキームを開こうとすると、ハンドラは呼び出されません。
  • ハンドラの中でQDesktopServices::openUrl()を呼び出すと、無限ループに陥る可能性がありますので注意が必要です。
  • ハンドラオブジェクトは、QDesktopServices::unsetUrlHandler()で削除する必要があります。

• QDesktopServices::setUrlHandler()は、Qt 5.0以降で使用できます。
• Qt 5.15以降では、QOpenUrlHandlerクラスを使用して、より柔軟なハンドラを設定することができます。

補足

• 上記のサンプルコードでは、myHandler()という名前のハンドラ関数を定義しています。この関数は、urlパラメータとして渡されたURLに基づいて処理を行います。
• QDesktopServices::openUrl()は、デフォルトのブラウザを使用してURLを開きます。

この解説が、Qt GUIにおけるQDesktopServices::setUrlHandler()の理解に役立てば幸いです。

Qt GUIにおけるQDesktopServices::setUrlHandler()のサンプルコード集

#include <QDesktopServices>
#include <QUrl>

void myHandler(const QUrl& url) {
  // ここにURL処理のコードを記述
  // 例：
  if (url.scheme() == "myapp") {
    // アプリケーション固有の処理を行う
  } else {
    // デフォルトのブラウザでURLを開く
    QDesktopServices::openUrl(url);
  }
}

int main(int argc, char** argv) {
  // "myapp"スキームに対するハンドラを設定
  QDesktopServices::setUrlHandler("myapp", &myHandler);

  // ...

  return 0;
}

独自のアプリケーションプロトコルを実装する

#include <QDesktopServices>
#include <QUrl>

void myHandler(const QUrl& url) {
  // ここにURL処理のコードを記述
  // 例：
  if (url.scheme() == "myapp") {
    if (url.path() == "/about") {
      // アプリケーションのバージョン情報を表示する
    } else if (url.path() == "/settings") {
      // アプリケーションの設定画面を開く
    } else {
      // 不明なURLの場合、エラーメッセージを表示する
    }
  } else {
    // デフォルトのブラウザでURLを開く
    QDesktopServices::openUrl(url);
  }
}

int main(int argc, char** argv) {
  // "myapp"スキームに対するハンドラを設定
  QDesktopServices::setUrlHandler("myapp", &myHandler);

  // ...

  return 0;
}

デフォルトのブラウザではなく、アプリケーション内でURLを開く

#include <QDesktopServices>
#include <QUrl>
#include <QMainWindow>

class MyMainWindow : public QMainWindow {
  Q_OBJECT
public:
  MyMainWindow() {
    // "myapp"スキームに対するハンドラを設定
    QDesktopServices::setUrlHandler("myapp", this, &MyMainWindow::handleUrl);
  }

private slots:
  void handleUrl(const QUrl& url) {
    // ここにURL処理のコードを記述
    // 例：
    if (url.scheme() == "myapp") {
      // アプリケーション固有の処理を行う
    } else {
      // デフォルトのブラウザでURLを開く
      QDesktopServices::openUrl(url);
    }
  }
};

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  MyMainWindow window;
  window.show();

  return app.exec();
}

QOpenUrlHandlerクラスを使用する

#include <Qt>
#include <QUrl>

class MyUrlHandler : public QOpenUrlHandler {
  Q_OBJECT
public:
  MyUrlHandler() {}

  bool openUrl(const QUrl& url) override {
    // ここにURL処理のコードを記述
    // 例：
    if (url.scheme() == "myapp") {
      // アプリケーション固有の処理を行う
      return true;
    }

    return false;
  }
};

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  // "myapp"スキームに対するハンドラを登録
  QOpenUrlHandler::registerHandler(new MyUrlHandler);

  // ...

  return app.exec();
}

その他

• 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを変更する必要があります。

**このサンプルコード集が、Qt GUIにおけるQDesktopServices::setUrlHandler()の理解

Qt GUIでURLハンドラを設定するその他の方法

QWebEngineSettings::setDefaultUrlSchemeHandler()は、特定のURLスキームに対するデフォルトのハンドラを設定します。この方法は、Qt WebEngineを使用している場合にのみ使用できます。

#include <QtWebEngine>

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  // "myapp"スキームに対するデフォルトハンドラを設定
  QWebEngineSettings::setDefaultUrlSchemeHandler("myapp", [](const QUrl& url) {
    // ここにURL処理のコードを記述
  });

  // ...

  return app.exec();
}

QAssocFileDialog::setHandler()は、特定のファイルタイプに対するデフォルトのアプリケーションを設定します。この方法は、ファイルを開くダイアログボックスでURLスキームを処理したい場合に便利です。

#include <Qt>

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  // "myapp"スキームに対するデフォルトアプリケーションを設定
  QAssocFileDialog::setHandler("myapp", "myapp.exe");

  // ...

  return app.exec();
}

Windowsレジストリ

Windowsでは、Windowsレジストリを使用してURLハンドラを設定することができます。この方法は、上級者向けです。

その他

上記以外にも、プラットフォーム固有の方法でURLハンドラを設定することができます。詳細は、プラットフォームのドキュメントを参照してください。