Qt GUI で QQuaternion::slerp() 関数を使って球面線形補間を行う
Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数解説
QQuaternion::slerp()
関数は、2つの四元数 q1
と q2
の間の球面線形補間(Slerp)を行い、その中間点となる四元数を生成します。これは、3D アニメーションやカメラ回転などの処理において、滑らかな動きを実現するために使用されます。
詳細
QQuaternion::slerp()
関数は以下の式に基づいて計算されます。
QQuaternion slerp(const QQuaternion &q1, const QQuaternion &q2, float t) {
// 境界条件:t <= 0.0f の場合は q1 を、t >= 1.0f の場合は q2 を返す
if (t <= 0.0f) return q1;
if (t >= 1.0f) return q2;
// q1 と q2 の間の角度を計算
float dot = q1.x() * q2.x() + q1.y() * q2.y() + q1.z() * q2.z() + q1.w() * q2.w();
// θ = acos(dot)
float theta = acosf(dot);
// 補間パラメータを計算
float sinTheta = sinf(theta);
float t1 = sinf((1.0f - t) * theta) / sinTheta;
float t2 = sinf(t * theta) / sinTheta;
// 球面線形補間を実行
return QQuaternion(t1 * q1.x() + t2 * q2.x(),
t1 * q1.y() + t2 * q2.y(),
t1 * q1.z() + t2 * q2.z(),
t1 * q1.w() + t2 * q2.w());
}
パラメータ
q1
: 補間の始点となる四元数t
: 補間パラメータ。0.0f から 1.0f までの範囲で指定し、0.0f はq1
を、1.0f はq2
を意味します。
戻り値
q1
と q2
の間の球面線形補間によって生成された四元数
コード例
// 2つの四元数 q1 と q2 を定義
QQuaternion q1(1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f);
QQuaternion q2(0.0f, 1.0f, 0.0f, 0.0f);
// 補間パラメータ t を設定
float t = 0.5f;
// slerp() 関数を使用して中間点となる四元数を生成
QQuaternion q = QQuaternion::slerp(q1, q2, t);
// 生成された四元数を出力
qDebug() << q.x() << q.y() << q.z() << q.w();
このコード例では、q1
と q2
の間の補間パラメータ t
を 0.5f に設定することで、2つの四元数のちょうど中間点となる四元数を生成しています。
補足
QQuaternion::slerp()
関数は、四元数のノルムが 1 であることを保証しません。ノルムが 1 である必要がある場合は、normalized()
関数を使用して結果を正規化해야します。QQuaternion::slerp()
関数は、四元数の回転軸を考慮しません。回転軸を考慮した球面線形補間を行う場合は、QSlerp()
関数を使用する必要があります。
Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数を使ったサンプルコード
3D オブジェクトの回転アニメーション
#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>
#include <Qt3DRender/qmesh.h>
#include <Qt3DRender/qmaterial.h>
#include <Qt3DRender/qtechnique.h>
#include <Qt3DRender/qeffect.h>
#include <Qt3DRender/qrenderpass.h>
#include <Qt3DInput/qmouseevent.h>
class MainWindow : public QMainWindow
{
Q_OBJECT
public:
MainWindow()
{
// シーンを作成
m_scene = new Qt3DScene();
// カメラを作成
m_camera = new Qt3DCamera(m_scene);
m_camera->setPosition(QVector3D(0, 0, 5));
m_camera->setViewDirection(QVector3D(0, 0, -1));
// オブジェクトを作成
m_object = new Qt3DObject(m_scene);
// メッシュを作成
m_mesh = new Qt3DMesh(m_object);
m_mesh->setSource(QUrl(":/model.obj"));
// マテリアルを作成
m_material = new Qt3DMaterial(m_object);
m_material->setDiffuse(QColor(128, 128, 128));
// テクニックを作成
m_technique = new Qt3DTechnique(m_material);
// エフェクトを作成
m_effect = new Qt3DEffect(m_technique);
m_effect->setVertexShaderCode(":/shader.vert");
m_effect->setFragmentShaderCode(":/shader.frag");
// レンダパスを作成
m_renderPass = new Qt3DRenderPass(m_technique);
m_renderPass->setClearColor(QColor(0, 0, 0));
// シーンにオブジェクトを追加
m_scene->addItem(m_camera);
m_scene->addItem(m_object);
// ウィジェットを作成
m_widget = new Qt3DWidget(this);
m_widget->setAcceptDrops(false);
m_widget->setCamera(m_camera);
m_widget->setScene(m_scene);
// タイマーを設定
m_timer = new QTimer(this);
m_timer->setInterval(16);
connect(m_timer, &QTimer::timeout, this, &MainWindow::update);
// ウィジェットを表示
m_widget->show();
// タイマーを開始
m_timer->start();
}
void update()
{
// 回転角度を計算
float angle = m_timer->elapsed() * 0.001f;
// 四元数を生成
QQuaternion rotation = QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), angle);
// オブジェクトの回転を更新
m_object->setRotation(rotation);
}
private:
Qt3DScene *m_scene;
Qt3DCamera *m_camera;
Qt3DObject *m_object;
Qt3DMesh *m_mesh;
Qt3DMaterial *m_material;
Qt3DTechnique *m_technique;
Qt3DEffect *m_effect;
Qt3DRenderPass *m_renderPass;
Qt3DWidget *m_widget;
QTimer *m_timer;
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
MainWindow window;
window.show();
return app.exec();
}
カメラの回転アニメーション
#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>
Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数以外で滑らかな動きを実現する方法
QAnimation を使用
#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>
#include <Qt3DAnimation/qpropertyanimation.h>
class MainWindow : public QMainWindow
{
Q_OBJECT
public:
MainWindow()
{
// シーンを作成
m_scene = new Qt3DScene();
// カメラを作成
m_camera = new Qt3DCamera(m_scene);
m_camera->setPosition(QVector3D(0, 0, 5));
m_camera->setViewDirection(QVector3D(0, 0, -1));
// アニメーションを作成
m_animation = new QPropertyAnimation(m_camera, "rotation");
m_animation->setDuration(1000);
m_animation->setStartValue(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), 0));
m_animation->setEndValue(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), 360));
// アニメーションを開始
m_animation->start();
// ウィジェットを作成
m_widget = new Qt3DWidget(this);
m_widget->setAcceptDrops(false);
m_widget->setCamera(m_camera);
m_widget->setScene(m_scene);
// ウィジェットを表示
m_widget->show();
}
private:
Qt3DScene *m_scene;
Qt3DCamera *m_camera;
Qt3DAnimation::QPropertyAnimation *m_animation;
Qt3DWidget *m_widget;
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
MainWindow window;
window.show();
return app.exec();
}
このコードは、カメラを 360 度回転させるアニメーションを実装します。QPropertyAnimation
クラスを使用して、rotation
プロパティを時間をかけて変化させています。
Qt3D 애니메이션 フレームワークを使用
Qt3D には、アニメーションを作成するためのフレームワークが用意されています。このフレームワークを使用すると、より複雑なアニメーションを作成することができます。
詳細は以下のドキュメントを参照してください。
独自のコードを使用
上記の方法以外にも、独自のコードを使用して滑らかな動きを実現することができます。例えば、ベジェ曲線やスプライン曲線を使用して、オブジェクトの移動パスを定義することができます。
この方法は、より自由度の高いアニメーションを作成することができますが、より複雑なコードを書く必要もあります。
どの方法を選択するべきかは、アニメーションの複雑さや要件によって異なります。
- シンプルなアニメーションの場合は、
QAnimation
クラスを使用するのが最も簡単です。 - より複雑なアニメーションの場合は、Qt3D 애니메이션 フレームワークを使用することを検討してください。
- 非常に自由度の高いアニメーションを作成したい場合は、独自のコードを使用することができます。
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