QGraphicsItemAnimation::shearList()の使い方
Qt WidgetsにおけるQGraphicsItemAnimation::shearList()解説
QGraphicsItemAnimation::shearList()
は、Qt Widgetsフレームワークでアニメーションを作成するために使用される関数です。この関数は、アイテムのせん断変換をアニメーション化するために使用されます。せん断変換は、アイテムを水平方向または垂直方向に傾ける効果を作成します。
関数シグネチャ
void QGraphicsItemAnimation::shearList(const QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>> &shearList);
引数
shearList
: アニメーション化するアイテムとせん断矩形のリスト
動作
shearList()
関数は、リスト内の各アイテムに対して、以下の処理を実行します。
- アイテムの現在の変換行列を取得します。
- せん断矩形に基づいて、せん断変換行列を作成します。
- 2つの行列を組み合わせて、新しい変換行列を作成します。
- アイテムの変換行列を新しい変換行列に設定します。
コード例
// アニメーションを作成する
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
// アニメーションの時間を設定する
animation->setDuration(1000);
// アイテムとせん断矩形のリストを作成する
QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>> shearList;
shearList << QPair<QGraphicsItem *, QRectF>(item1, QRectF(0, 0, 10, 10));
shearList << QPair<QGraphicsItem *, QRectF>(item2, QRectF(0, 0, -10, -10));
// アニメーションにリストを設定する
animation->shearList(shearList);
// アニメーションを開始する
animation->start();
その他の質問
- Qt Widgetsについて他に知りたいことはありますか?
- アニメーションについて他に知りたいことはありますか?
補足
QGraphicsItemAnimation
クラスは、Qt Widgetsフレームワークの他のアニメーション機能と組み合わせて使用することができます。QGraphicsItem::transform()
関数を使用して、アイテムの変換行列を直接設定することもできます。
Qt WidgetsにおけるQGraphicsItemAnimation::shearList()のサンプルコード
アイテムを水平方向に傾ける
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
// アニメーションの時間を設定する
animation->setDuration(1000);
// せん断矩形を作成する
QRectF shearRect(0, 0, 10, 0);
// アニメーションにリストを設定する
animation->shearList(QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>>({{item, shearRect}}));
// アニメーションを開始する
animation->start();
アイテムを垂直方向に傾ける
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
// アニメーションの時間を設定する
animation->setDuration(1000);
// せん断矩形を作成する
QRectF shearRect(0, 0, 0, 10);
// アニメーションにリストを設定する
animation->shearList(QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>>({{item, shearRect}}));
// アニメーションを開始する
animation->start();
このコードは、item
を垂直方向に10ピクセル傾けるアニメーションを作成します。
複数のアイテムを同時に傾ける
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsRectItem();
QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
// アニメーションの時間を設定する
animation->setDuration(1000);
// せん断矩形を作成する
QRectF shearRect1(0, 0, 10, 0);
QRectF shearRect2(0, 0, -10, 0);
// アニメーションにリストを設定する
animation->shearList(QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>>({{item1, shearRect1}, {item2, shearRect2}}));
// アニメーションを開始する
animation->start();
このコードは、item1
を水平方向に10ピクセル、item2
を水平方向に-10ピクセル傾けるアニメーションを作成します。
傾ける角度を時間とともに変化させる
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
QGraphicsItemAnimation *animation = new QGraphicsItemAnimation();
// アニメーションの時間を設定する
animation->setDuration(1000);
// イージングを設定する
animation->setEasingCurve(QEasingCurve::OutCubic);
// せん断矩形のリストを作成する
QList<QPair<QGraphicsItem *, QRectF>> shearList;
for (int i = 0; i < 100; ++i) {
QRectF shearRect(0, 0, i, 0);
shearList << QPair<QGraphicsItem *, QRectF>(item, shearRect);
}
// アニメーションにリストを設定する
animation->shearList(shearList);
// アニメーションを開始する
animation->start();
このコードは、item
を水平方向に0ピクセルから100ピクセルまで傾けるアニメーションを作成します。アニメーションは、時間とともに徐々に加速します。
複数のアニメーションを組み合わせる
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
QGraphicsItem
Qt Widgetsでアイテムを傾ける他の方法
QGraphicsItem::setTransform()
関数を使用して、アイテムの変換行列を直接設定することができます。この方法は、単純な傾斜アニメーションを作成する場合に便利です。
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// 変換行列を作成する
QTransform transform;
transform.shear(10, 0);
// アイテムの変換行列を設定する
item->setTransform(transform);
このコードは、item
を水平方向に10ピクセル傾けます。
QGraphicsItem::setShear()
関数を使用して、アイテムの水平方向と垂直方向のせん断量を設定することができます。この方法は、より複雑な傾斜アニメーションを作成する場合に便利です。
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// せん断量を設定する
item->setShear(10, 0);
このコードは、item
を水平方向に10ピクセル傾けます。
カスタムアニメーションクラスを作成する
QGraphicsItemAnimation
クラスは、基本的なアニメーション機能を提供しますが、より複雑なアニメーションを作成するには、カスタムアニメーションクラスを作成する必要があります。
カスタムアニメーションクラスを作成するには、以下の手順が必要です。
QAbstractAnimation
クラスから継承するクラスを作成します。updateState()
関数を実装します。この関数では、アニメーションの現在の状態に基づいて、アイテムの変換行列を更新します。start()
、stop()
、pause()
などのアニメーション制御関数を実装します。
以下のコードは、アイテムを水平方向に10ピクセル傾けるカスタムアニメーションクラスの例です。
class ShearAnimation : public QAbstractAnimation {
Q_OBJECT
public:
ShearAnimation(QGraphicsItem *item, QObject *parent = nullptr);
void start() override;
void stop() override;
void pause() override;
protected:
void updateState(float progress) override;
private:
QGraphicsItem *item_;
float shear_;
};
ShearAnimation::ShearAnimation(QGraphicsItem *item, QObject *parent) :
QAbstractAnimation(parent),
item_(item),
shear_(0) {
}
void ShearAnimation::start() {
shear_ = 0;
QAbstractAnimation::start();
}
void ShearAnimation::stop() {
shear_ = 0;
item_->setTransform(QTransform());
QAbstractAnimation::stop();
}
void ShearAnimation::pause() {
QAbstractAnimation::pause();
}
void ShearAnimation::updateState(float progress) {
shear_ = 10 * progress;
QTransform transform;
transform.shear(shear_, 0);
item_->setTransform(transform);
}
このコードを使用して、以下の方法でアニメーションを開始することができます。
// アイテムを作成する
QGraphicsItem *item = new QGraphicsRectItem();
// アニメーションを作成する
ShearAnimation *animation = new ShearAnimation(item);
// アニメーションを開始する
animation->start();
- 簡単な傾斜アニメーションの場合は、
QGraphicsItem::setTransform()
関数またはQGraphicsItem::setShear()
関数を使用するのが最も簡単です。 - より複雑な傾斜アニメーションの場合は、
QGraphicsItemAnimation::shearList()
関数またはカスタムアニメーションクラスを使用する必要があります。
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