Qt GUI プログラミング:オフスクリーンサーフェスの画面変更を検知する QOffscreenSurface::screenChanged() シグナル

2024-04-02

Qt GUI の QOffscreenSurface::screenChanged() プログラミング解説

概要

  1. setScreen() 関数を使用して、オフスクリーンサーフェスの画面を明示的に変更した場合
  2. オフスクリーンサーフェスの関連付けられているウィンドウの画面が削除された場合

詳細

オフスクリーンサーフェスとは

オフスクリーンサーフェス は、Qt GUI で提供されるレンダリング用の仮想的な画面領域です。通常のウィンドウとは異なり、画面に直接表示されることはなく、主に OpenGL などのグラフィックス API と連携して、テクスチャやフレームバッファオブジェクトなどのレンダリングリソースを作成するために使用されます。

QOffscreenSurface::screenChanged() シグナル

QOffscreenSurface::screenChanged() シグナルは、オフスクリーンサーフェスの画面変更を捕捉するために使用されます。このシグナルは、以下の情報を引数として渡します。

  • QScreen 型のポインタ:変更後の画面オブジェクト

QOffscreenSurface::screenChanged() シグナルを処理することで、以下のことができます。

  • 画面変更後のレンダリング処理の調整
  • オフスクリーンサーフェスに関連付けられたウィンドウの再配置

具体的なコード例

#include <QtGUI>

class MyOffscreenSurface : public QOffscreenSurface {
  Q_OBJECT
public:
  MyOffscreenSurface() {
    // シグナルとスロットの接続
    connect(this, &QOffscreenSurface::screenChanged, this, &MyOffscreenSurface::onScreenChanged);
  }

private slots:
  void onScreenChanged(QScreen *newScreen) {
    // 画面変更後の処理
    // 例:レンダリング設定の更新
    // 例:ウィンドウの再配置
  }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // オフスクリーンサーフェスの作成
  MyOffscreenSurface surface;

  // 画面変更のシグナル処理
  surface.show();

  return app.exec();
}

上記のコード例では、MyOffscreenSurface クラスを継承したオフスクリーンサーフェスを作成し、screenChanged() シグナルと onScreenChanged() スロットを接続しています。onScreenChanged() スロットは、画面変更後の処理を実装します。



Qt GUI の QOffscreenSurface::screenChanged() サンプルコード集

画面変更後のレンダリング設定の更新

void MyOffscreenSurface::onScreenChanged(QScreen *newScreen) {
  // 新しい画面の DPI を取得
  const qreal dpi = newScreen->logicalDpi();

  // レンダリング設定を更新
  m_renderer->setDpi(dpi);
}

オフスクリーンサーフェスに関連付けられたウィンドウの再配置

void MyOffscreenSurface::onScreenChanged(QScreen *newScreen) {
  // オフスクリーンサーフェスに関連付けられたウィンドウを取得
  QWidget *window = this->window();

  // 新しい画面の矩形を取得
  const QRect rect = newScreen->geometry();

  // ウィンドウを新しい画面に再配置
  window->setGeometry(rect);
}

このコード例では、画面変更後にオフスクリーンサーフェスに関連付けられたウィンドウを、新しい画面の矩形に合わせて再配置しています。

マルチスクリーン環境でのレンダリング

void MyOffscreenSurface::onScreenChanged(QScreen *newScreen) {
  // 新しい画面のリストを取得
  const QList<QScreen *> screens = QGuiApplication::screens();

  // 各画面に対してレンダリング処理を行う
  for (QScreen *screen : screens) {
    // 画面の DPI を取得
    const qreal dpi = screen->logicalDpi();

    // レンダリング設定を更新
    m_renderer->setDpi(dpi);

    // 画面に合わせたレンダリング処理
    ...
  }
}

このコード例では、マルチスクリーン環境における画面変更に対応するために、QGuiApplication::screens() 関数を使用してすべての画面を取得し、各画面に対して個別にレンダリング処理を行っています。

QScreen クラスのその他の機能

QScreen クラスは、画面に関する様々な情報を提供します。screenChanged() シグナル処理の中で、以下の情報を取得することができます。

  • 画面の解像度
  • 画面の色深度
  • 画面のピクセルフォーマット
  • 画面の回転角度
  • 画面の物理的なサイズ

これらの情報は、レンダリング処理やウィンドウレイアウトの調整などに役立ちます。



QOffscreenSurface::screenChanged() シグナルの代替方法

QScreen::geometryChanged() シグナル

QScreen クラスは、geometryChanged() シグナルを提供します。このシグナルは、画面のジオメトリ(解像度、位置など)が変更されたときに発生します。

void MyObserver::onGeometryChanged(const QRect &newGeometry) {
  // 画面変更後の処理
}

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画面オブザーバーの作成
  MyObserver observer;

  // 画面変更シグナルとスロットの接続
  QGuiApplication::screens().first()->geometryChanged.connect(&observer, &MyObserver::onGeometryChanged);

  // オフスクリーンサーフェスの作成
  MyOffscreenSurface surface;

  surface.show();

  return app.exec();
}

上記のコード例では、QScreen::geometryChanged() シグナルを使用して、画面変更を検知しています。

QWindow::screenChanged() シグナル

QWindow クラスは、screenChanged() シグナルを提供します。このシグナルは、ウィンドウが関連付けられた画面が変更されたときに発生します。

void MyWindow::onScreenChanged(QScreen *newScreen) {
  // 画面変更後の処理
}

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィンドウの作成
  MyWindow window;

  // 画面変更シグナルとスロットの接続
  window.screenChanged.connect(&window, &MyWindow::onScreenChanged);

  // オフスクリーンサーフェスの作成
  MyOffscreenSurface surface;

  // ウィンドウにオフスクリーンサーフェスを設定
  window.setSurface(&surface);

  window.show();

  return app.exec();
}

上記のコード例では、QWindow::screenChanged() シグナルを使用して、画面変更を検知しています。

QScreenWatcher クラス

QScreenWatcher クラスは、画面の追加、削除、変更を監視するためのクラスです。

void MyWatcher::onScreenAdded(QScreen *newScreen) {
  // 画面追加時の処理
}

void MyWatcher::onScreenRemoved(QScreen *removedScreen) {
  // 画面削除時の処理
}

void MyWatcher::onScreenChanged(QScreen *screen) {
  // 画面変更時の処理
}

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // 画面ウォッチャーの作成
  MyWatcher watcher;

  // 画面変更イベントの接続
  watcher.screenAdded.connect(&watcher, &MyWatcher::onScreenAdded);
  watcher.screenRemoved.connect(&watcher, &MyWatcher::onScreenRemoved);
  watcher.screenChanged.connect(&watcher, &MyWatcher::onScreenChanged);

  // オフスクリーンサーフェスの作成
  MyOffscreenSurface surface;

  surface.show();

  return app.exec();
}

上記のコード例では、QScreenWatcher クラスを使用して、画面変更を監視しています。




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