Qt Widgetsアプリケーションでウィジェットのスタイルを制御する:QStyle::name()の詳細解説

2024-04-06

Qt WidgetsにおけるQStyle::name()の詳細解説

QStyle::name()は、さまざまな状況で使用できます。以下は、その用途の例です。

  • ウィジェットのスタイルを特定する
  • ウィジェットのスタイルを別のスタイルに変更する
  • スタイルシートを使用してウィジェットのスタイルをカスタマイズする
  • 特定のスタイルを持つウィジェットを検索する

QStyle::name()は、ウィジェットのスタイルの名前をQString形式で返します。スタイルの名前は、Qtによって定義された一連の標準スタイルの名前であることもあれば、アプリケーションによって定義されたカスタムスタイルの名前であることもあります。

QStyle::name()の例

// ウィジェットのスタイルの名前を取得
QString styleName = widget->style()->name();

// ウィジェットのスタイルを別のスタイルに変更
widget->setStyle(QStyleFactory::create("Fusion"));

// スタイルシートを使用してウィジェットのスタイルをカスタマイズ
widget->setStyleSheet("QPushButton#" + styleName + " { background-color: red; }");

// 特定のスタイルを持つウィジェットを検索
QList<QWidget *> widgets = QApplication::findChildren<QWidget *>(nullptr, styleName);

QStyle::name()は、スタイルシートで使用して、特定のスタイルを持つウィジェットを選択的にスタイル設定することができます。例えば、以下のスタイルシートは、"Fusion"スタイルを持つすべてのQPushButtonを赤色に設定します。

QPushButton#Fusion {
  background-color: red;
}

補足

  • QStyle::name()は、Qt Widgetsモジュールでのみ使用できます。
  • QStyle::name()は、ウィジェットのスタイルが変更された後に呼び出さないと、正しくない結果を返す可能性があります。


QStyle::name() のサンプルコード

// ウィジェットのスタイルの名前を取得
QString styleName = widget->style()->name();

// スタイルの名前を出力
qDebug() << "スタイルの名前:" << styleName;

例2:ウィジェットのスタイルを別のスタイルに変更する

// ウィジェットのスタイルを "Fusion" スタイルに変更
widget->setStyle(QStyleFactory::create("Fusion"));

// スタイルの名前を出力
qDebug() << "スタイルの名前:" << widget->style()->name();

例3:スタイルシートを使用してウィジェットのスタイルをカスタマイズする

// ウィジェットのスタイルを "Fusion" スタイルに変更
widget->setStyle(QStyleFactory::create("Fusion"));

// スタイルシートを使用して、"Fusion" スタイルを持つすべての QPushButton を赤色に設定
widget->setStyleSheet("QPushButton#Fusion { background-color: red; }");

// ウィジェットを表示
widget->show();

例4:特定のスタイルを持つウィジェットを検索する

// "Fusion" スタイルを持つすべての QPushButton を検索
QList<QWidget *> widgets = QApplication::findChildren<QWidget *>(nullptr, "Fusion");

// 検索結果を出力
qDebug() << "検索結果:" << widgets.size();

// 各ウィジェットの名前を出力
foreach (QWidget *widget, widgets) {
  qDebug() << widget->objectName();
}

例5:QComboBox のスタイルをカスタマイズする

// QComboBox のスタイルを取得
QStyle *style = QApplication::style();

// QComboBox のスタイルを "Fusion" スタイルに変更
style->setStyle(QStyle::Fusion);

// QComboBox のスタイルシートを設定
style->setStyleSheet("QComboBox { background-color: red; }");

// QComboBox を作成して表示
QComboBox *comboBox = new QComboBox();
comboBox->show();


QStyle::name() 以外の方法

QStyle::standardStyle() は、Qt によって定義された標準スタイルの名前を取得します。

// 標準スタイルの名前を取得
QString styleName = QStyle::standardStyle();

// スタイルの名前を出力
qDebug() << "スタイルの名前:" << styleName;

QStyle::polish() は、ウィジェットのスタイルを適用します。

// ウィジェットのスタイルを適用
widget->style()->polish(widget);

QStyle::drawPrimitive() は、ウィジェットの特定の部分を描画します。

// ウィジェットのフレームを描画
widget->style()->drawPrimitive(QStyle::PE_Frame, option, painter, widget);

QStyle::subControlRect() は、ウィジェットの特定の部分の矩形を取得します。

// ウィジェットのフレームの矩形を取得
QRect rect = widget->style()->subControlRect(QStyle::CC_ComboBox, option, widget);

QStyle::hitTestComplexControl() は、ウィジェットの特定の部分がヒットされたかどうかを判断します。

// ウィジェットのフレームがヒットされたかどうかを判断
Qt::HitTest::HitTestResult result = widget->style()->hitTestComplexControl(QStyle::CC_ComboBox, option, point, widget);



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