Qt WidgetsにおけるQWidget::mapFrom()関数

2024-04-03

Qt WidgetsにおけるQWidget::mapFrom()関数

QWidget::mapFrom()関数は、別のウィジェットの座標を現在のウィジェットの座標に変換するために使用されます。これは、異なるウィジェット間で座標情報を共有したり、ドラッグアンドドロップ操作を実装したりする際に役立ちます。

引数

  • sourceWidget : 座標を変換したいウィジェットへのポインタ
  • point : 変換したい座標

戻り値

  • 変換された座標を表すQPointオブジェクト

QWidget *sourceWidget = ...;
QPoint point = ...;

// sourceWidgetの座標を現在のウィジェットの座標に変換
QPoint convertedPoint = mapFrom(sourceWidget, point);

詳細

  • mapFrom()関数は、ウィジェット間の親子関係を考慮して座標変換を行います。
  • 変換される座標は、ウィジェットの左上隅を原点とするローカル座標です。

関連関数

  • QWidget::mapTo() : 現在のウィジェットの座標を別のウィジェットの座標に変換します。
  • QGraphicsView::mapFromScene() : シーン座標をビュー座標に変換します。
  • 上記の説明はQt 5に基づいています。Qt 6では、一部のAPIが変更されている可能性があります。
  • コード例はあくまでも参考です。実際のコードは、使用しているQtのバージョンやアプリケーションの要件に合わせて変更する必要があります。
  • 不明な点があれば、Qtフォーラムやその他のサポートリソースを利用してください。


QWidget::mapFrom()関数のサンプルコード

ドラッグアンドドロップ

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT
public:
  MyWidget(QWidget *parent = nullptr) : QWidget(parent) {
    // ドラッグアンドドロップの有効化
    setAcceptDrops(true);
  }

protected:
  void dragEnterEvent(QDragEnterEvent *event) override {
    // ドラッグされたデータの取得
    const QMimeData *mimeData = event->mimeData();

    // テキストデータのみ受け付ける
    if (mimeData->hasText()) {
      event->acceptProposedAction();
    } else {
      event->ignore();
    }
  }

  void dropEvent(QDropEvent *event) override {
    // ドラッグされたデータの取得
    const QMimeData *mimeData = event->mimeData();

    // テキストデータのみ処理する
    if (mimeData->hasText()) {
      // ドロップされた座標を取得
      QPoint dropPoint = event->pos();

      // 座標変換
      QPoint convertedPoint = mapFrom(event->sourceWidget(), dropPoint);

      // テキストデータの処理
      QString text = mimeData->text();

      // ...

      event->acceptProposedAction();
    } else {
      event->ignore();
    }
  }
};

ウィジェット間の座標変換

QWidget *sourceWidget = ...;
QWidget *destinationWidget = ...;

// sourceWidgetの座標をdestinationWidgetの座標に変換
QPoint convertedPoint = destinationWidget->mapFrom(sourceWidget, point);

// ...

QGraphicsViewを使った座標変換

QGraphicsView *view = ...;
QGraphicsScene *scene = ...;

// ビュー座標をシーン座標に変換
QPoint scenePoint = view->mapFromScene(point);

// シーン座標をビュー座標に変換
QPoint viewPoint = view->mapToScene(point);

// ...

不明な点があれば、Qtフォーラムやその他のサポートリソースを利用してください。



QWidget::mapFrom()関数の代替方法

QPoint::toLocal()関数は、別のウィジェットの座標を現在のウィジェットの座標に変換するために使用できます。QWidget::mapFrom()関数と同様に、ウィジェット間の親子関係を考慮して座標変換を行います。

QWidget *sourceWidget = ...;
QPoint point = ...;

// sourceWidgetの座標を現在のウィジェットの座標に変換
QPoint convertedPoint = point.toLocal(sourceWidget);

QMatrix::map()関数は、任意の点を変換するために使用できます。QWidget::mapFrom()関数と異なり、ウィジェット間の親子関係は考慮されません。

QWidget *sourceWidget = ...;
QPoint point = ...;

// 変換行列の作成
QMatrix matrix;
matrix.translate(sourceWidget->pos());

// 座標変換
QPoint convertedPoint = matrix.map(point);

QWidget::geometry()関数は、ウィジェットの矩形領域を取得するために使用できます。この矩形領域を使用して、別のウィジェットの座標を現在のウィジェットの座標に変換することができます。

QWidget *sourceWidget = ...;
QPoint point = ...;

// sourceWidgetの矩形領域を取得
QRect rect = sourceWidget->geometry();

// sourceWidgetの座標を現在のウィジェットの座標に変換
QPoint convertedPoint = point - rect.topLeft();
  • 親子関係にあるウィジェット間の座標変換を行う場合は、QWidget::mapFrom()関数またはQPoint::toLocal()関数が最も簡単です。
  • 親子関係にないウィジェット間の座標変換を行う場合は、QMatrix::map()関数を使用できます。
  • より複雑な座標変換を行う場合は、QWidget::geometry()関数を使用して、独自の変換ロジックを実装する必要があります。

上記の方法はあくまでも参考です。実際のコードは使用しているQtのバージョンやアプリケーションの要件に合わせて変更する必要があります。

不明な点があれば、Qtフォーラムやその他のサポートリソースを利用してください。




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