Android向けCMakeでRTTIを有効・無効にする方法
CMakeにおけるCMAKE_ANDROID_RTTI変数の詳細解説
CMAKE_ANDROID_RTTI
は、CMakeにおける変数の一つで、Android向けにNDKを使用してクロスコンパイルする際に、RTTI(Run-Time Type Information)の有効・無効を指定するために使用されます。
デフォルト値はON
です。つまり、RTTIはデフォルトで有効になっています。
設定方法
CMAKE_ANDROID_RTTI
変数は、以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txtファイル内で直接設定する
cmake
コマンドラインオプションで設定する
例
CMakeLists.txtファイルでの設定
set(CMAKE_ANDROID_RTTI OFF)
cmakeコマンドラインオプションでの設定
cmake -DCMAKE_ANDROID_RTTI=OFF ..
RTTIとは
RTTIは、実行時にプログラムの型情報を取得するための機能です。RTTIを使用することで、プログラムの型情報を動的に検査したり、型の変換を行ったりすることができます。
RTTIの有効・無効による影響
RTTIを有効にすると、プログラムサイズが大きくなり、実行速度が遅くなります。一方、RTTIを無効にすると、プログラムサイズと実行速度が向上しますが、RTTIを使用する機能は使用できなくなります。
RTTIの有効・無効は、プログラムの要件に応じて判断する必要があります。RTTIを使用する機能が必要であれば、RTTIを有効にする必要があります。一方、RTTIを使用する機能が不要であれば、RTTIを無効にしてプログラムサイズと実行速度を向上させることができます。
補足情報
CMAKE_ANDROID_RTTI
変数は、Android NDKバージョン3.20以降で使用できます。CMAKE_ANDROID_RTTI
変数を設定する前に、CMAKE_ANDROID_NDK
変数が設定されていることを確認する必要があります。CMAKE_ANDROID_RTTI
変数を設定すると、CMAKE_CXX_FLAGS
変数に-frtti
フラグが追加されます。
CMakeにおけるCMAKE_ANDROID_RTTI変数のサンプルコード
サンプルコード1:CMakeLists.txtファイルでRTTIを無効にする
cmake_minimum_required(VERSION 3.20)
set(CMAKE_ANDROID_NDK /path/to/android-ndk)
set(CMAKE_ANDROID_RTTI OFF)
add_executable(hello_world
hello_world.cpp)
target_link_libraries(hello_world
log)
サンプルコード2:cmakeコマンドラインオプションでRTTIを無効にする
cmake -DCMAKE_ANDROID_NDK=/path/to/android-ndk -DCMAKE_ANDROID_RTTI=OFF ..
サンプルコード3:RTTIを使用して型の情報を取得する
#include <iostream>
#include <typeinfo>
using namespace std;
int main() {
int a = 10;
double b = 3.14;
cout << "The type of a is " << typeid(a).name() << endl;
cout << "The type of b is " << typeid(b).name() << endl;
return 0;
}
CMAKE_ANDROID_RTTI変数の設定方法
CMakeLists.txtファイルで直接設定する
set(CMAKE_ANDROID_RTTI ON)
cmakeコマンドラインオプションで設定する
cmake -DCMAKE_ANDROID_RTTI=ON ..
CMAKE GUIを使用する場合は、以下の手順でCMAKE_ANDROID_RTTI
変数を設定できます。
- CMake GUIを起動し、プロジェクトを開きます。
- "Cache"タブを選択します。
- "Variable"フィールドに
CMAKE_ANDROID_RTTI
と入力します。 - "Value"フィールドで、
ON
またはOFF
を選択します。 - "Apply"ボタンをクリックします。
その他の方法
上記の3つの方法以外にも、以下の方法でCMAKE_ANDROID_RTTI
変数を設定できます。
- 環境変数を使用する
- CMakeスクリプトを使用する
環境変数を使用するには、CMAKE_ANDROID_RTTI
という名前の環境変数を設定する必要があります。環境変数の値は、ON
またはOFF
です。
CMakeスクリプトを使用するには、set()
コマンドを使用してCMAKE_ANDROID_RTTI
変数を設定する必要があります。
設定方法の比較
以下の表は、各設定方法の比較です。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
CMakeLists.txtファイルで直接設定する | 簡単 | プロジェクトファイルを変更する必要がある |
cmakeコマンドラインオプションで設定する | コマンドラインから設定できる | 毎回コマンドラインオプションで指定する必要がある |
CMAKE GUIを使用する | GUIで設定できる | CMAKE GUIをインストールする必要がある |
環境変数を使用する | 設定が簡単 | 環境変数が他のプログラムによって変更される可能性がある |
CMakeスクリプトを使用する | 柔軟性がある | CMakeスクリプトを書く必要がある |
どの方法を選択するべきかは、開発環境やプロジェクトの要件によって異なります。
- 簡単な方法を求めている場合は、CMakeLists.txtファイルで直接設定する方法を選択するのがおすすめです。
- コマンドラインから設定したい場合は、cmakeコマンドラインオプションで設定する方法を選択するのがおすすめです。
- GUIで設定したい場合は、CMAKE GUIを使用する方法を選択するのがおすすめです。
- 柔軟性が必要な場合は、環境変数を使用する方法またはCMakeスクリプトを使用する方法を選択するのがおすすめです。
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