テストの出力内容を正規表現でチェック: FAIL_REGULAR_EXPRESSION と ASSERT_THAT の比較

2024-04-02

CMake の Properties: Tests における FAIL_REGULAR_EXPRESSION の詳細解説

FAIL_REGULAR_EXPRESSION は、CMake の Properties: Tests におけるテストプロパティの一つです。テストの標準出力または標準エラー出力に指定された正規表現がマッチした場合、テストを強制的に失敗させる機能を提供します。

設定方法

FAIL_REGULAR_EXPRESSION は、以下の方法で設定できます。

  • CMakeLists.txt ファイル内で add_test() コマンドの PROPERTIES オプションに指定する。
  • テスト対象のソースファイル内で ctest_test() マクロの FAIL_REGULAR_EXPRESSION オプションに指定する。

以下の例は、テストの標準出力に "Error" という文字列が含まれている場合、テストを失敗させる例です。

add_test(NAME MyTest
  COMMAND echo "This is a test"
  PROPERTIES
    FAIL_REGULAR_EXPRESSION "Error")

詳細

  • 複数の正規表現を指定したい場合は、 ; で区切って指定できます。
  • 正規表現は、PCRE (Perl Compatible Regular Expressions) の形式を使用します。
  • テストのタイムアウトやシステムレベルのテストエラーが発生した場合、FAIL_REGULAR_EXPRESSION は無視されます。
  • PASS_REGULAR_EXPRESSIONSKIP_REGULAR_EXPRESSION という同様のテストプロパティも存在します。

補足

  • FAIL_REGULAR_EXPRESSION は、テストの出力内容を詳細にチェックしたい場合に役立ちます。
  • テストの失敗原因を特定するためのデバッグツールとして活用できます。


CMake の Properties: Tests における FAIL_REGULAR_EXPRESSION のサンプルコード

add_test(NAME MyTest
  COMMAND echo "This is a test with an error"
  PROPERTIES
    FAIL_REGULAR_EXPRESSION "Error")

この例では、テストの標準出力に "Error" という文字列が含まれているため、テストは失敗します。

複数の正規表現を指定する

add_test(NAME MyTest
  COMMAND echo "This is a test with multiple errors"
  PROPERTIES
    FAIL_REGULAR_EXPRESSION "Error1|Error2")

この例では、テストの標準出力に "Error1" または "Error2" という文字列が含まれている場合、テストは失敗します。

#include <ctest.h>

void MyTest() {
  // テストコード
  printf("This is a test with an error\n");
}

CTEST_TEST(MyTest) {
  // テストの実行
  MyTest();

  // FAIL_REGULAR_EXPRESSION の設定
  ctest_test_set_property(CTEST_CURRENT_TEST, "FAIL_REGULAR_EXPRESSION", "Error");
}

この例では、テスト対象のソースファイル内で FAIL_REGULAR_EXPRESSION を設定しています。

テストのタイムアウト

add_test(NAME MyTest
  COMMAND echo "This is a test that will time out"
  TIMEOUT 1
  PROPERTIES
    FAIL_REGULAR_EXPRESSION "Error")

この例では、テストが 1 秒以内に完了しない場合、テストはタイムアウトとなり、失敗します。

システムレベルのテストエラー

add_test(NAME MyTest
  COMMAND echo "This is a test that will cause a system error"
  PROPERTIES
    FAIL_REGULAR_EXPRESSION "Error")

この例では、テストの実行中にシステムレベルのエラーが発生した場合、テストは失敗します。

補足

これらのサンプルコードはあくまでも参考です。実際の使用例に合わせて、コードを修正する必要があります。



CMake の Properties: Tests における FAIL_REGULAR_EXPRESSION の代替方法

ASSERT_THAT マクロを使用する

#include <gtest/gtest.h>

TEST(MyTest, TestWithAssertThat) {
  // テストコード
  std::string output = "This is a test with an error";

  // ASSERT_THAT マクロを使用して、出力内容をチェック
  ASSERT_THAT(output, Not(ContainsRegex("Error")));
}

この例では、gtest フレームワークの ASSERT_THAT マクロを使用して、出力内容に "Error" という文字列が含まれていないことを確認しています。

テスト終了コードを使用する

#include <stdio.h>

int main() {
  // テストコード
  printf("This is a test with an error\n");

  // テストの失敗判定
  if (some_condition) {
    return 1; // テスト失敗
  } else {
    return 0; // テスト成功
  }
}

この例では、テスト終了コードを使用して、テストの成功・失敗を判定しています。

テストフレームワーク独自の機能を使用する

多くのテストフレームワークは、テストの失敗判定を行うための独自の機能を提供しています。

補足

これらの方法は、FAIL_REGULAR_EXPRESSION よりも柔軟性と表現力に優れています。ただし、使用しているテストフレームワークによって、使用できる方法が異なる場合があります。




C++標準ライブラリ、テンプレートエンジン、シェルスクリプト... string()コマンドの代替方法を徹底比較

CMakeのstring()コマンドは、文字列処理を行うための強力なツールです。C++のstd::stringのような機能に加え、CMake特有の便利な機能も備えています。主な機能文字列の連結、分割、置換、比較大文字・小文字変換部分文字列の抽出



CMakeにおける"get_target_property()"コマンド: ターゲットの情報を自在に操る

get_target_property()コマンドは、CMakeプロジェクトで定義されたターゲットからプロパティを取得するために使用されます。ターゲットプロパティは、ターゲットのビルド方法や動作を制御するために使用される情報です。構文引数VAR: ターゲットプロパティの値を格納する変数名


プログラミング初心者でもわかる!CMake の "set_directory_properties()" コマンドの使い方

set_directory_properties() コマンドは、CMakeプロジェクト内のディレクトリとサブディレクトリにプロパティを設定するために使用されます。これらのプロパティは、ビルドプロセス、インストール、その他の CMake 動作を制御するために使用できます。


CMake の if() コマンド: デバッグとトラブルシューティング

構文条件式if() コマンドの引数には、条件式を指定します。条件式は、以下のいずれかの形式で記述できます。変数の比較: <variable> <operator> <value>コマンドの存在チェック: COMMAND <command-name>


CMake find_libraryコマンドとfind_packageモジュールの比較

find_library() コマンドは、CMake で外部ライブラリを見つけるために使用されます。これは、プロジェクトに必要なライブラリを自動的に検出して、ビルドプロセスを簡略化するのに役立ちます。コマンドフォーマット<VAR>: 検索結果を格納する変数名



CMake の CMAKE_GENERATOR_TOOLSET 変数に関する FAQ

CMAKE_GENERATOR_TOOLSET は CMake の変数であり、特定のジェネレータが使用するネイティブビルドシステムのツールセットを指定します。これは、特定のコンパイラやツールチェーンを選択したり、ビルドプロセスをカスタマイズしたりするために使用できます。


Qt Designer と CMake の AUTOUIC プロパティ: UI ファイルの管理とビルドを簡略化

AUTOUIC プロパティの役割.ui ファイルを C++ ソースコードに変換するコマンドを自動的に実行します。生成されたソースコードファイルをビルドプロセスに組み込みます。Qt の UI デザイナーとの統合をサポートします。AUTOUIC プロパティは、ターゲットプロパティの set() コマンドを使用して設定します。以下の例は、MyApp というターゲットに対して AUTOUIC プロパティを設定する方法を示しています。


CMakeにおけるターゲットとライブラリのリンク:INTERFACE_LINK_LIBRARIESのすべて

CMakeのターゲットプロパティ「INTERFACE_LINK_LIBRARIES」は、ターゲットをビルドする際に必要なライブラリを指定するために使用されます。これは、ターゲットが依存する他のライブラリとのリンクを確立し、実行に必要な共有オブジェクトや静的ライブラリを指示するために重要です。


位置独立コード (PIC) の生成と CMake の INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE

INTERFACE_POSITION_INDEPENDENT_CODE は、CMake の Properties: Targets におけるターゲットプロパティの一つです。これは、位置独立コード (PIC) の生成を制御するために使用されます。PIC は、メモリ内の任意の場所にロードできるコードです。これは、共有ライブラリやプラグインなど、さまざまな場面で必要になります。


CMakeでosgSimをプロジェクトに統合する:詳細解説とサンプルコード、その他の方法

FindosgSim は、CMake のモジュールの一つで、OpenSceneGraph シミュレーションライブラリ (osgSim) をプロジェクトに統合するためのツールです。このモジュールは、osgSim のインストールパスを自動的に検出し、プロジェクトに必要なヘッダーファイルとライブラリファイルを CMake に提供します。