CTEST_CHECKOUT_COMMAND以外のソースコード取得方法

2024-04-02

CMakeのVariablesにおけるCTEST_CHECKOUT_COMMANDの詳細解説

概要

  • 目的: テスト実行前にソースコードをチェックアウトするコマンドを指定
  • 設定場所: CMakeLists.txtファイルのVariablesセクション
  • デフォルト値: なし
  • データ型: STRING
  • スコープ: プロジェクト

使用例

# ソースコードがGitリポジトリにある場合
set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "git checkout HEAD")

# ソースコードがSubversionリポジトリにある場合
set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "svn checkout .")

# ソースコードが圧縮ファイルの場合
set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "tar -xzf source.tar.gz")

詳細

  • CTEST_CHECKOUT_COMMANDは、テストスイートが実行される前に実行されます。
  • このコマンドは、ソースコードをテストディレクトリにチェックアウトするために使用されます。
  • チェックアウトコマンドは、シェルスクリプト、バッチファイル、または実行可能なプログラムなど、任意のコマンド形式にすることができます。
  • コマンドは、テストディレクトリを現在の作業ディレクトリとして実行されます。
  • コマンドは、成功ステータスコード (0) を返す必要があります。そうでない場合は、テストスイートの実行が中止されます。

注意事項

  • CTEST_CHECKOUT_COMMANDは、ソースコードがバージョン管理システムで管理されている場合にのみ使用されます。
  • ソースコードがバージョン管理システムで管理されていない場合は、この変数を設定する必要はありません。
  • チェックアウトコマンドは、テストディレクトリ内のすべてのファイルを上書きします。

補足

  • CTEST_CHECKOUT_COMMANDは、テストスイートを実行する前にソースコードを更新するために使用することもできます。
  • 例えば、git pullコマンドを使用して最新バージョンのソースコードをチェックアウトすることができます。

まとめ

CTEST_CHECKOUT_COMMANDは、テストスイートを実行する前にソースコードをチェックアウトするために使用されるCMake変数です。この変数を設定することで、テストスイートが常に最新バージョンのソースコードを使用して実行されるようにすることができます。



CTEST_CHECKOUT_COMMANDのサンプルコード

Gitリポジトリからソースコードをチェックアウト

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "git checkout HEAD")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

Subversionリポジトリからソースコードをチェックアウト

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "svn checkout .")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、svn checkout .コマンドを使用して、テストを実行する前にソースコードの最新バージョンをチェックアウトします。

圧縮ファイルからソースコードを展開

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "tar -xzf source.tar.gz")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、tar -xzf source.tar.gzコマンドを使用して、テストを実行する前にソースコードを展開します。

ソースコードを更新してからチェックアウト

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "git pull && git checkout HEAD")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、git pullコマンドを使用してソースコードを更新してから、git checkout HEADコマンドを使用して最新バージョンをチェックアウトします。

複数のチェックアウトコマンドを指定

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND
  "git checkout HEAD &&
  svn update")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、git checkout HEADコマンドとsvn updateコマンドを組み合わせて、テストを実行する前にソースコードをチェックアウトします。

条件付きでチェックアウト

if(EXISTS ".git")
  set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "git checkout HEAD")
endif()

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、.gitディレクトリが存在する場合のみ、git checkout HEADコマンドを使用してソースコードをチェックアウトします。

環境変数を使用

set(CTEST_CHECKOUT_COMMAND "git checkout $GIT_BRANCH")

add_test(NAME my_test
  COMMAND ./my_test)

ctest()

このコードは、GIT_BRANCH環境変数を使用して、チェックアウトするブランチを指定します。



CTEST_CHECKOUT_COMMAND以外のソースコード取得方法

CMakeのFetchContentモジュール

FetchContentモジュールは、外部ソースコードをダウンロードしてビルドツリーに展開するために使用できます。

FetchContent(
  NAME my_project
  GIT_REPOSITORY "https://github.com/user/project.git"
  TAG "v1.0.0")

add_subdirectory(my_project)

このコードは、https://github.com/user/project.gitリポジトリからv1.0.0タグのソースコードをダウンロードして、my_projectディレクトリに展開します。

外部プロジェクトへの依存関係を設定することで、CMakeは自動的にソースコードを取得することができます。

add_external_project(
  NAME my_project
  URL "https://github.com/user/project.git"
  GIT_TAG "v1.0.0"
  BUILD_COMMAND make)

add_library(my_library INTERFACE)
target_link_libraries(my_library PUBLIC my_project)

このコードは、https://github.com/user/project.gitリポジトリからv1.0.0タグのソースコードをダウンロードしてビルドし、my_projectという名前のライブラリとしてプロジェクトに組み込みます。

手動によるダウンロード

ソースコードを手動でダウンロードして展開することもできます。

message(STATUS "Downloading source code...")
file(DOWNLOAD "https://example.com/source.tar.gz" DESTINATION ".")
message(STATUS "Extracting source code...")
tar(XF source.tar.gz)

add_subdirectory(source)

このコードは、https://example.com/source.tar.gzからソースコードをダウンロードして展開し、sourceディレクトリにビルドします。

サブディレクトリ

ソースコードがプロジェクトと同じディレクトリにある場合は、サブディレクトリとして追加することができます。

add_subdirectory(src)

このコードは、srcディレクトリにあるソースコードをプロジェクトに追加します。

カスタムコマンド

上記のいずれの方法にも当てはまらない場合は、カスタムコマンドを使用してソースコードを取得することができます。

add_custom_command(
  TARGET my_target
  POST_BUILD
  COMMAND ${CMAKE_COMMAND} -E copy_directory src dst)

add_library(my_library INTERFACE)
target_link_libraries(my_library PUBLIC my_target)

このコードは、srcディレクトリにあるソースコードをdstディレクトリにコピーします。

どの方法を選択するかは、プロジェクトの要件とソースコードの入手方法によって異なります。

  • ソースコードがバージョン管理システムで管理されている場合は、FetchContentモジュールまたは外部プロジェクトへの依存関係を使用するのがおすすめです。
  • ソースコードが手動でダウンロードする必要がある場合は、手動によるダウンロードまたはカスタムコマンドを使用する必要があります。
  • ソースコードがプロジェクトと同じディレクトリにある場合は、サブディレクトリとして追加するのがおすすめです。

CTEST_CHECKOUT_COMMANDは、CMakeでソースコードをチェックアウトするために使用できる便利な変数です。しかし、他の方法もいくつかあるので、プロジェクトの要件に合わせて最適な方法を選択することが重要です。




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